先週の米ドル/円相場は、Brexitショックから幾分立ち直り103円台まで回復したものの、この水準ではロングのしこりにぶつかり頭打ちとなった。
先週の当コラムでも述べたが、経験則では、今回のような大きなニュースによるセリングクライマックスを見た後、市場はしばし虚脱状態に陥り、暴落の日のレンジ内で日柄調整となることが多い。当面は100円~105円程度のレンジ内で、当面の均衡水準を探る試行錯誤の状態が続く公算が大きい。
米国6月の雇用統計、今回のポイントは?
さて今週金曜日には、米国6月の雇用統計が発表される。現時点での市場予想は、非農業部門雇用者数(NFP)が+17.5万人(前回+3.8万人)、失業率が4.8%(前回4.7%)、平均時給が前月比+0.2%(前回+0.2%)となっている。
今回のポイントとして押さえておくべきなのは、米国の利上げ期待がすでに一掃されているという点だ。前回の雇用統計の大幅下振れとBrexitのおかげで、7月26-27日のFOMCでは利上げ見送りがほぼ確実な情勢で、FF金利先物が織り込む利上げ確率はすでにゼロとなっている(図1)。
また12月FOMCにおける利上げ確率も14%まで低下しており(図2)、FRBがこれまで唱えてきた「年内2回利上げ」どころか、追加利上げの可能性そのものが風前のともしびとなっているのだ。
図1 7月27日FOMCの確率(出所:CME FedWatch)
図2 12月14日FOMCの確率(出所:CME FedWatch)
つまり、今回の雇用統計が弱い結果となったとしても、すでに利上げ期待が剥落しているためさほど失望はなく、「やはりか」という反応になると予想される。前回のようにあっと驚くような弱い数字が出ない限り、100円を割り込んでいく公算は小さい。むしろ利上げ凍結を見越してドル売りを仕掛けてきた向きは、一旦材料出尽くしで買い戻しに動くかもしれない。
逆に、予想より強い結果となった場合は、下がり切っていた金利観が急速に修正され、ドルもレンジの上限まで反発する可能性がある。前回5月のNFPは+16万人の予想に対して+3.8万人と散々な結果だったが、6月はその反動で逆に上振れすることも考えられる。
5月に下押し要因となった大手通信会社ベライゾンのストライキ(約3.5万人)はすでに終結しており、6月にはその分が押し上げ要因となったはずだ。また5月の下振れは統計上のエラー(季節調整が何らかの理由でうまくいかなかった可能性)との指摘もあり、今回で大幅に上方修正される可能性がある。
上記の考察が正しければ、リスク・リワードの観点からみてドル買いに分があるといえる。弱い数字なら下がったところを打診買い、強い数字なら積極的に買い出動と、ドル買い目線で臨みたい。
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