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ドルインデックスが年初来安値を更新!ドル円の底割れはいつ?[雨夜恒一郎]

FX攻略.com ズバリ!今週の為替相場動向 2017年8月28日号

先週のドル円相場

先週のドル円相場は、108-109円台での一進一退の動きに終始した。全体的に模様眺めムードとなるなか、110円に接近すると売りが入り、108円台に入ると買いが入る状況が続いた。金曜日には、イエレンFRB議長のジャクソンホール講演に対する期待感から109.84円まで上昇する場面も見られたが、同講演で金融政策動向について新たな発信がなかったことが失望のドル売りを誘い、109.12円まで下落して週の取引を終えた。

ドル円は依然として最近のレンジから下抜けできていないが、ドル全体でみるとドル安は着実に進行している。ユーロドルは、同じくジャクソンホール講演でドラギECB総裁がユーロ高を牽制しなかったことも追い風となり、1.1941ドルと2015年1月以来の高値(ドル安値)を記録している。ドルの総合的な価値を示すドルインデックスも92.45ポイント付近と年初来安値を更新した。トランプ政権の政策に対する不透明感、米国の利上げ観測後退、米朝の緊張など地政学リスクの高まりを背景に、ドルを敬遠する動きが一段と加速し始めているのだ。

FF金利先物が織り込む年内の利上げ確率は約4割にとどまり、米国10年債利回りも2.1%台と低迷している。米韓合同軍事演習が行われる中、26日土曜日には、北朝鮮が日本海に向けて短距離ミサイルを3発発射した。今週も全体的なドル安の流れを覆すのは困難であろう。

米雇用統計が今週の最重要イベント

そして今週の最重要イベントは金曜日に発表される米国8月分の雇用統計だ。

FRBがインフレの低下を警戒する中、市場の関心は非農業部門雇用者数(前回+20.9万人、予想+18.0万人)や失業率(前回4.3%、予想4.3%)よりも、平均時給(前回+0.3%、予想+0.2%・前月比)に集中するだろう。9月FOMCまで3週間あまりとなったが、平均時給が引き続き伸び悩むようなら、FRBが描く「9月バランスシート正常化開始、12月利上げ」というタイムスケジュールが先送りとなるシナリオも浮上してくる。米国債利回りやFF金利先物の動きはそうした可能性を色濃く反映しているようにも見える。

ドル円も年初来安値くるか

ドル円が今のところそれほど売られていないのは、米国を中心とした株高によるリスクオンや、日米の金融政策格差がマイルドな下支えとなっているためだ。だがそれらのサポート効果にもおのずと限界がある。今週は、全体のドル安が加速し始める中で、ドル円もサポートが決壊し、年初来安値である108.13円を割り込んでいく展開を想定しておくべきだろう。

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