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FX力を鍛える有名人コラム

ドットプロットチャートは下方シフトするか?[雨夜恒一郎]

FX攻略.com ズバリ!今週の為替相場動向 2019年3月18日号

先週のドル円相場

先週のドル円相場は111円台で膠着。米国2月の消費者物価指数、生産者物価指数、鉱工業生産指数、3月のNY連銀製造業景気指数など、経済指標が全体的に弱めとなったことから、米国債利回りは1月以来となる2.5%台へ低下し、ドル円も上値の重い動きとなった。一方、米国株式市場は、エチオピア航空機(ボーイング737MAX)墜落や米中首脳会談延期といった悪材料にもかかわらず底堅く推移し、25848.87ドルと前週から約400ドル上昇して週の取引を終えた。ドル円も111円台前半では底堅く、111.90円と上値を試す場面もあった。

火・水曜開催のFOMCに注目

今週の注目材料は火曜日・水曜日に開催されるFOMCだ。前回1月のFOMC声明では漸進的利上げの文言が削除され、今後の政策金利調整の決定に際して「委員会は忍耐強くなる」との一文が新たに加えられた。この「忍耐強く」との文言は、FRB用語では「様子を見る」ということを意味する(前回の声明全文はこちら→https://jp.reuters.com/article/text-fomc-statement-idJPKCN1PO2VT)。その後の経済指標がインフレ加速を示していないこともあり、今回の会合での利上げ予想は皆無。FF金利先物は逆にわずかながら「利下げ」の可能性を織り込んだ状態だ。さすがに利下げはないだろうが、今回は政策金利据え置きがほぼ確実と見てよい。

FOMCで注目すべき点は?

今回の注目はFOMCメンバーの経済・金利見通し、とりわけ焦点となるのはドットプロットチャートの変化である。下の図は前回12月のドットプロットチャートで、青いドットが中心値を示している。これによると、今年末のFF金利は2.75~3.00%(利上げ2回)、来年末と再来年末のFF金利は3.00~3.25%(利上げ1回)が適切ということになる。これに対して図中の赤いドットは、現在FF金利先物市場が予想している金利水準である。ドットプロットチャートの中心値、つまりFOMCメンバーの予想を大幅に下回っているばかりか、利上げではなく利下げを予想していることがわかる。

12月のドットプロットチャート(FOMC付属資料を基にCMEが作成)

今回、FOMCメンバーが市場の見方を肯定する、つまりドットを大幅に下方シフトさせることは十分ありうる。その場合、市場ではさらに利下げ期待が高まり、長短金利は低下し、イールドカーブは現在よりさらにフラット化するだろう。ドル円にも当然売り圧力がかかる。

しかし前回のFOMC声明や議事要旨を読む限り、利上げの打ち止めや利下げまでは議論されておらず、忍耐強くなる、つまり利上げはしばらく様子を見ると言っているだけだ。もしFOMCメンバーが市場ほどハト派的でないならば、ドットプロットチャートはさほど下方にシフトせず、利上げのバイアスを残した分布となるはずだ。この場合は市場のほうが前のめりすぎたことになり、長短金利は上昇するとともに、ドル円にも上昇圧力がかかる。

米国経済の持続的な拡大や力強い労働市場から見て、今年利下げが必要なほどの危機的状況に陥ることは考えにくい。筆者から見て後者のシナリオのほうが蓋然性が高く、今週もドル強気スタンスで臨みたい。

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