レバレッジ10倍はやっぱり既定路線?
今、FX業界を賑わしているニュースといえば、レバレッジ10倍規制案でしょう。日経新聞を筆頭とするメディアでは、かなり詳細な内容が報じられているにもかかわらず、金融庁は何ら具体的な発表はしていないという、奇妙な現象になっています。ただ、ここまで具体的な報道がある以上は、それなり以上に高い確率で、このままいけばFXの最大レバレッジが10倍に規制されることになると思います。
こういった動きに対して、反対運動もにわかに盛り上がりを見せているわけですが、ここでは鹿内個人のレバレッジ規制に対する意見を書いていこうと思います。
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得をするのは塩漬けプレイヤーのみ
まず、一番思うのは、レバレッジの制限を今より厳しくすることで、得をする投資家はおそらく一人もいないということです。
もしいるとすれば、リスク管理を全くしておらず、一切損切りすることなく、含み損になっているポジションを放置するような投資家でしょうか。最大レバレッジが引き下げられることで、こういった人が保有できる取引量が減ることで、強制ロスカットになりにくくなるでしょう。ただ、こういう人は、相場の世界では確実に勝てずに死滅する運命にあります。レバレッジの高低は、そもそも問題ではないのです。
それに引き換え、損をする人はたくさんいます。最初に思いつくのは、やはりスキャルピングなどの短期トレードをする方でしょう。FXでは、トレード時間軸が短くなるほど、利益と損失の値幅が狭くなります。つまり、スキャルピングは、スイングトレードと比べて、小さく勝ち、小さく負けるトレードになります。勝ちも負けも小さいなら、一度にトレードをする取引量を多くできるので、技術がある投資家は高い資金効率で資産運用ができます。
ですから、最大レバレッジが引き下げられれば、短期トレードで利益を増やすことがかなり難しくなります。つまり、スキャルピングやデイトレードの魅力が大きく損なわれることになります。
リピート系もかなり魅力ダウン
あとは、トラリピ(マネースクウェア・ジャパン)、ループ・イフダン(アイネット証券、ひまわり証券)、iサイクル注文(外為オンラインなど)、オートレール(マネックス証券)、トライオートFX(インヴァスト証券)などの、リピート系自動売買も大きなダメージを受けます。
これらは、事前に相場のある範囲に、複数の注文を入れておき、その範囲内での値動きを待つものになります。ですが、最大レバレッジが下がると、これら各注文の必要証拠金が一律に上昇するため、資金効率が悪化します。場合によっては、最大レバレッジが下がった瞬間、今すでに設定している注文の証拠金合計額がガツンとアップし、その瞬間に強制ロスカットになってしまう、ということもちょっとだけ考えられます。
海外の口座を使いたいわけじゃない
このように、誰も幸せにならないレバレッジ規制ですが、実施されたら間違いなく海外FXに口座を変更する投資家が続出するでしょう。
FXの海外口座は、全てが不良業者ではありませんが、金融庁の管轄外にあり、何か困ったことがあったときにどこにも相談できません。そして、ケースによっては、英語を駆使してトラブル解決を自らすることになります。
海外口座に逃げる投資家は、海外FXがしたいわけではなく、あくまで一定以上のレバレッジをかけてトレードをしたいだけ。レバレッジに問題がなければ、誰だって国内会社でやりたいのです。
※この記事は、富士山マガジンサービス読者限定FX攻略.com編集部便りに掲載されたものを加筆・編集したものです。
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スプレッド | FX取引における取引コスト。狭いほうが望ましい。 |
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約定力 | 狙った価格で注文が通りやすいかどうか。 |
スワップポイント | 高水準かどうか。高金利通貨の取り扱いの数。 |
取引単位 | 少額取引ができるかどうか。運用資金が少ないなら要チェック。 |
取引ツール | 提供されるPC・スマホ取引ツールの使いやすさ。MT4ができるかどうか。オリジナルの分析ツールの有無。 |
シストレ・自動売買 | 裁量取引とは別に自動売買のサービスがあるかどうか。 |
サポート体制 | サポート内容や対応可能時間の違いをチェック。 |
教育コンテンツ | 配信されるマーケット情報や投資家向けコンテンツの有無。 |
キャンペーン | 新規口座開設時や口座利用者向け各種キャンペーンの内容。 |