陳満咲杜氏 特別インタビュー|プライスアクションは相場を雄弁に物語る

テクニカルではなく値動きそのものが重要

編集部 『パターンを覚えるだけで勝率7割超!FXチャートの読み方』(クロスメディア・パブリッシング)を出版されました。これはどんな本で、どの部分を注目してほしいですか。

 プライスアクションというものが何かを知らない方が多いと思います。私が強調したいのは、プライスアクションは相場の基本であり、本質が現れているということです。私は日本の投資家にとって、プライスアクションは受け入れやすいのではないかと考えています。というのも、ローソク足、罫線の理論を日本の投資家は一番知っていますし、利用しているからです。

 プライスアクションはそれと同じ原理で、視点、捉え方が違うだけです。西洋式のローソク足の見方、西洋式の罫線の見方といえば分かりやすいのではないでしょうか。

編集部 なるほど、西洋式の見方、ですか。

 基本的に欧米のトレーダーたちはプライスアクションのみ、つまり値動きのみを見ており、その他のものはほぼ参考にしていません。参考にしたとしても本当にわずか。他のものを排除しているのです。

 テクニカル指標は、値動きを計算して求められます。移動平均線は終値がないと算出できないですよね。一番シンプルな3日移動平均線ですと、3日間の終値を足して3で割れば求められますが、それでも終値がないと求められません。何がいいたいかというと、値動きが全てであり、それ以外のものは値動きに基づくアプローチであるということです。これがプライスアクションの大前提です。

編集部 値動きから作られるテクニカル指標ではなく、値動き自体が重要であると。

 そうです。日本の罫線はローソク足の配列で判断しますが、プライスアクションはその後の動きが判断の基準になるところが違います。

 本質は変わらないけれど、視点が違うということがなぜ大事かというと、為替マーケットの主導権を握っているのが欧米のトレーダーだからです。

 彼らは近年、アルゴリズムトレーディングを盛んに行っていますが、それには必ずといって良いほどプライスアクションの概念をベースにしたロジックが組み込まれています。つまり、彼らの考え方やロジックが分からないと、残念ながらFXマーケットでは不利な戦いを強いられてしまうのです。だからこそ、初心に返ることができるこの本を書きました。

勝率7割を超える18パターンを厳選

編集部 1章では、まずプライスアクションについて解説されています。さらに秘伝の18シグナルも掲載されているのですね。

 はい、実はプライスアクションの概念を理解しただけでは実戦に使うのは難しいという声がありました。そこでこの本では実戦において誰でもすぐに利用できる18パターンを厳選して用意しました。ルールを守って真似るだけで、本のタイトル通り、勝率は7割を超えます。この7割というのは、私自身のトレーディング経験や統計に基づくものです。18パターンの内訳は買い9、売り9で、この条件に当てはまる局面はそれほど多くないのですが、いったんその条件に当てはまれば7割の勝率が得られます。期待値として大きいのではないでしょうか。

編集部 これからFXを始める人でも、この18パターンを身につけると効果が得られるということでしょうか。

 そうですね。概念とチャートがまとめてあるので、実戦においてすぐ真似できて応用できます。

編集部 さらに2章以降ではGMMAを組み合わせて解説されていると。

 はい。GMMAというのは本質的には移動平均線です。いわゆるトレンド系の概念になりますので、プライスアクションとの相性は非常に良いですね。私はトレンド系指標の王者はGMMAだと思っています。GMMAではトレンドがどこで転換するか、またトレンドが加速している途中かどうかなどが分かるわけです。

 大事なのは、GMMAのサインと合致する整合性を持った形でプライスアクションのシグナルが出るかどうか。これが出れば勝率7割は堅いですね。先ほどいいましたように、7割という勝率は自分の経験則によるものですが、GMMAチャートとの整合性が取れれば非常に期待できるということを強調したいです。

編集部 3章でいよいよ実戦的な売買のテクニックを解説しています。

 実際の相場ではどう判断するかの練習ですね。今まで勉強してきたルールや、ルーティーン化されたものを、いざリアルな相場において使えるかというと、迷いが生じてしまうと思います。ですので、3章ではケーススタディを通じて一緒に考えられるような構成にしました。

編集部 これらの考え方は仮想通貨でも同じですか?

 同じルールが通用すると思います。ですので、ビットコインや株式を運用されている方にもお勧めです。

編集部 人間がやっている以上、商品が異なっても値動きの本質はそんなに変わらないんですね。

 そうですね。仮想通貨は為替や株式ほど歴史のあるマーケットではないので、むしろ原始的なプライスアクションのシグナルを出しています。

編集部 変なクセがなく、そのまんまという感じですか?

 はい。特に週足や月足といった大きな足は、非常に分かりやすかったですね。

大切なのはルールを忠実に守ること

編集部 今からFXを始める方や、結果が出てない方は、どのあたりを注意して始めていけばよろしいですか?

 やはり基礎的なルールを忠実に守ることが大事です。18のシグナルには条件があるので、それを注意しながら遵守する必要があります。例えば、条件を満たしていないのに慌ててエントリーしてはいけないということです。大切なのは、チャートに忠実になれるかどうかです。マーケットは本来単純なものですが、ファンダメンタルズでいろいろと考えすぎてしまうと迷ってしまいますよね。プライスアクションの考え方は値動きが全てということを心の中で信じ、ルールを守ること。そして躊躇なくトレードすることができれば、より大きな利益を取れると思います。

編集部 最後に読者の方へメッセージをお願いします。

 FXにせよ、株式にせよ、仮想通貨にせよ、投資は簡単なものではありません。だからこそ、ルールを守る人、つまり自分の相場予測ではなく、マーケットの現実を見つめ、そこから発せられるシグナルに沿ってトレードできる人が勝てるわけです。

 皆さんには、自分で予測を立てて相場の未来を想像するのではなく、プライスアクションが示唆したルールに基づいて取引することをお勧めします。それと資金管理を徹底すれば、まず相場で生き残ることができます。生き残ることができれば、いつか大きなチャンスが来ます。とにかくチャンスを辛抱強く待つことですね。

※この記事は、FX攻略.com2018年11月号の記事を転載・再編集したものです

陳満咲杜の写真

陳満咲杜(ちんまさと)

1992年来日、大学在学中より株式投資を開始。大学卒業後、中国情報専門紙の株式担当記者を経て黎明期のFX業界へ。香港や米国の金融機関で研修を重ね、トレーダーとしての経験を積み、アナリストとして頭角を現す。イーストヒルジャパン チーフアナリストなど要職を経て独立。現在は陳アソシエイツ代表として活躍している。『FXプライスアクションの真実』などの著書多数。

公式サイト:為替の真実 陳満咲杜のFXSCHOOL

twitter:https://twitter.com/chinmasato

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