言いたいことをきちんと伝えよう[中里エリカ]

良いFX会社になるためにどのようなことが必要なのか。その会社独自のサービスを考えたり、他社を研究しながら自社のサービスにアレンジしたり、お客さまのフィードバックから新しいサービスを増やしたり…ということはもちろん大事だろう。そして、そうしたサービスの重要さと共に必要なのは、何と言っても苦情をいただくことだと思う。

喜びの言葉とは違い、苦情をいただくのはFX会社としてつらいところである。しかし、それが理不尽な内容でない限り、その発端となることを教えていただけるのは非常にありがたく思う。お客さまの中には不満や納得がいかないことを感じると、何もいわずに他の会社へ行ってしまう人もいるだろう。しかしそれではどの会社も、そして業界自体もレベルアップしない。

例えば、無記名式の掲示板では個人を特定されないこともあり、言いたい放題の人もいるのだが、中には勘違いによって不満を書き込んでしまうケースもあるだろう。そんなとき、「なぜそのような勘違いが生まれたのか」「どのようにすれば勘違いしたお客さまの不満を減らすことができるのか」という発想につながる。そして、「なるほど。そういうことであれば不快に思われても仕方ないだろう」「こういう機能を追加すれば、不快を軽減できるのではないか」と考えることもできる。

当社の場合は時々お客さまにアンケートを行っており、親会社がスイスなのでそれを全て英語に直して共有することにしている。それはなぜかというと、アンケートにはスタッフ目線では到底見つからない、お客さまならではの的を射た指摘が多いからだ。また、お客さまから指摘されたことは実現に結びつきやすいという利点もある。

いただいたフィードバックを基にサービス向上に尽くすこと、厳しい意見こそ謙虚に耳を傾けること、アンケートや電話でのコンタクトなどで、いつでもお客さまが意見を言いやすい体制を作ることが、どのFX会社にとっても重要だと思う。その結果サービスが向上すれば、お客さまはより長く取引してくださり、Win-Winの関係が保てるだろう。

不満だらけの会社の口座を閉じる前に、いったん思い出していただきたい。言いたいことを伝えることでその会社が生まれ変わり、自分にとってベストになるかもしれないことを。

※この記事は、FX攻略.com2018年6月号の記事を転載・再編集したものです

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中里エリカ(なかざとえりか)

サクソバンク証券株式会社マーケティング部長。大学卒業後、為替ブローカー会社、外資系銀行にて為替及びデリバティブのインターバンクでのトレーディング業務に従事。勤務していた会社が子会社として「オリエント・トラディションFX」(現在の外為どっとコム)を設立したのをきっかけに、長年FX取引に携わっている。その後DMM.com証券、フォレックス・ドットコムジャパン、アルパリジャパン、デューカスコピー・ジャパンなどを経て現職。

公式サイト:サクソバンク証券