利益が大きく取れるトレンド相場への関心が高い人は多いですが、トレンドのない場面には興味を示さない人もいるのではないでしょうか? トレンドで利益を丸ごと取るためには、トレンドが発生していない中間波動といわれる局面を制する必要があります。ここでは、そんな中間波動の攻略方法を神藤将男さんに教えていただきます。
※この記事は、FX攻略.com2021年3月号(2021年1月21日発売)の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
※当連載で使用している「中間波動」は、「一目均衡表」における中間波動とは一切関係ございません。
予想と予測は似て非なるもの
皆さんこんにちは。ここまで4回にわたって「サイクル」について解説してきました。サイクルの基本的なことから少しレベルの高いところまで説明してきました。本来ならば解説が以上となるので違う話に移るところではありますが、今号は新年1月に発売されるということなので、せっかくですからサイクルを使って2021年がどういった相場展開になるかを見ていこうと思います。
ただし、私の分析は予想ではなく予測です。同じようで全く違います。予想は主観的な思いを巡らせるため、その予想にこだわってしまいます。その一方で、予測はある程度の根拠を基に推測しているだけです。常々申し上げていますが、決めつけた相場観で相場に臨むと、相場観が違ったときには大損しますので、柔軟にチャートの変化に対応するようにしていきましょう。
ドル円【前半】
ドル円の月足チャートで1993年から現在までの動きを確認してみましょう(チャート①)。このチャートを見ると2011年に大底を打ち、ここが大きな節目になっていることが分かります。
まずは、1995年に80円割れ→1998年に140円台まで上昇→そこからジグザグしながら2011年に75円台をつけて底打ちした大きなサイクルを確認していきましょう。
この大きなサイクルのローソク足の本数は198本となっています。チャートは月足ですので1本が1か月です。ということは、198本を12で割ると16.5年となり、16年半の大きなサイクルが形成されていることが分かります。このチャートでは1993年以前の値動きは確認できませんが、実はこの前の大きなサイクルも約16年半のサイクルで、しかも弱気サイクルだったのです。つまり、弱気のサイクルが連続しているということです。
次に、この大きな16年半のサイクルをもう少し小さなサイクルで見ていきましょう。大きなサイクルの中に三つのサイクルが入っています。最初のサイクルは強気でした。ローソク足55本分ですので、約4年半強のサイクルになります。
最初のサイクルが強気でしたので、次のサイクルも強気になれば強気サイクルの連続ですので、16年半のサイクルも強気に変わるかもしれないということが、その当時は考えられました。ところが、二つ目のサイクルは最初のサイクルの高値を更新することなくダブルボトムのようなチャート形状を描いて終わりました。ここでは、最初のサイクルの高値を更新できなかったことから、次のサイクルが弱気になるかもしれないという考えが浮上しました。
いずれにせよ、三つ目のサイクルが二つ目のサイクルの高値と安値のどちらかを更新するかで方向性が見えてくるという見方になっています。その三つ目は、二つ目のサイクルの安値を割ってサイクルが延長し81本で底値をつけました。結果的に大きなサイクルが弱気になったのです。
ドル円【後半】
2011年に安値をつけてから「アベノミクス」によって相場は大きく上昇しました。前回の大きなサイクルが弱気でしたので、2011年からの16年半のサイクルも弱気になるという見方もあります。ただし、それは2011年の安値を割って初めて弱気の連続だということになります。大きなサイクルでは2011年に16年半をプラスすると2027年前後が大きなサイクルのボトムとなり、随分先の話です。
では、その中の小さなサイクルを見ていきましょう。一つ目は56本で強気のサイクルでした。大きなサイクルが強気であっても弱気であっても、その大きなサイクル内の一つ目の小さなサイクルは強気になるケースが多いと感じています。
ポイントは二つ目です。2016年から二つ目のサイクルが始まっていますが、一つ目のサイクルの高値を更新するのは難しそうです。なぜなら、前回と同じサイクルの本数前後だとすれば、あと数本でサイクルのボトムの時期が来るからです。おおよそ2021年の春先が予測されます。とすると、強気の連続が難しいのであれば、今回の大きなサイクルも弱気のサイクルになる可能性が出てきます。
しかし、そうと決めつけずに見ていくことが大切です。大きなサイクルが弱気になるとした場合、どういう戦略を構築するか。また、弱気にならずに強気になるのであれば、まずは2016年の高値を上抜けなければなりません。その場合の戦略も用意しておく必要があります。そうすれば、上がったとしても下がったとしても柔軟に対応ができます。
2021年は節目の年になる?
今回は分かりやすく月足でサイクルという目線から分析しましたが、実戦のトレードであれば、それを日足や時間足などに落とし込んで予測をしていくことが重要です。そうすることで、対応力が向上していきます。
2016年の安値を割って弱気相場に向かうとしても、踏ん張って違う展開になるとしても、2021年は節目の年になることがサイクルからは予測されます。振り回されないようにしながら、しっかりと利益を取っていきましょう。
※この記事は、FX攻略.com2021年3月号(2021年1月21日発売)の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
※当連載で使用している「中間波動」は、「一目均衡表」における中間波動とは一切関係ございません。
・「なにわのチャート博士・神藤将男の中間波動攻略メソッド!」連載記事まとめはこちら
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