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日米首脳会談は無風で通過 ドル円は出直り期待[雨夜恒一郎]

FX攻略.com ズバリ!今週の為替相場動向 2017年2月13日号

先週の米ドル/円相場は、日米首脳会談を控えた不透明感やフランス大統領選挙への懸念を背景に一時111.60円と約2ヶ月ぶりの水準へ下落したが、週後半はトランプ大統領が「2~3週間のうちに目を見張るような税制改正案を発表する」と発言したことを好感して株高・円安に流れが変わり、113円台後半まで反発した。

10日にワシントンで行われた日米首脳会談では、トランプ大統領が中国の通貨・貿易政策に不満を述べる場面はあったものの、日本に対する直接的な批判や要求は出なかったことから、相場への影響は限定的となった。

日米首脳会談からみえたトランプ新政権との関係は

トランプ大統領からどんな理不尽な要求が飛び出すかと戦々恐々だった日本政府にとっては拍子抜け。円買い仕掛けの材料=トランプ砲を待っていた市場にとっても完全に肩透かしとなった。安倍首相は日本の自動車メーカーによる米国での投資や雇用増への貢献を説明し、トランプ氏も一定評価した模様だ。

日本側の説明によると、トランプ氏は対日貿易赤字や近年の円安傾向については言及しなかった。また為替問題については「日米の財務相間で緊密な議論する」にとどめた。まだまだ楽観は禁物ではあるが、トランプ新政権との関係構築はひとまず無難な滑り出しに成功したといえるだろう。少なくとも、対日貿易不均衡を問題視し、就任と同時にドル安誘導に打って出た第一期クリントン政権(1993年~)のようにはならないと考えてよさそうだ。

投機筋が再び円売りポジションの再構築に動く可能性

最近の為替相場では、イベントの前に早々とリスクシナリオを先取りしてすでに底を打っていることが多い。今回の米ドル/円も、日米首脳会談に先立って111.60円付近でダブルボトムをつけており、当面の底打ちとなった可能性が出てきた。

今後2~3週間は、市場の関心が大型減税を含む税制改革やインフラ投資などトランプノミクスのポジティブな面に再び向かうと思われ、米国株高・金利上昇・ドル高の流れが再開する可能性も小さくない。米国株は史上最高値を更新しているし、FF金利先物が織り込む3月の利上げ確率も反転上昇し始めている。

IMM通貨先物の取組を見ると、円売り越しの規模が6週連続で減少しており、投機筋が日米首脳会談に向けてポジションを縮小してきた様子が見て取れる。こうしてイベントを無風で通過したことで、投機筋は再び円売りポジションの再構築に動く可能性がある。今週は調整一巡でドルが出直るきっかけをつかめるかどうか注目したい。

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