第2回では、FXスキャルピングの基本や理念、単純なトレードスタイルの重要性、トレード前の準備や練習方法の一例など、基礎的な内容をお話しさせていただきました。今回は実際にスキャルピングを始めるにあたり、自分に合ったスキャルピングスタイルの構築方法などについて綴っていきたいと思います。
FXのスキャルピングは大別して2種類
大きく分けてスキャルピングには2種類があります。一つは前回お話しさせていただいた、波形などから優位性が高い部分のみを狙う短期トレード。もう一つは、大きな値動き、突発的な値動きによる過剰反応(オーバーシュート)や抵抗前後での反発・加速など特定の値動きを狙うプライスアクショントレードと呼ばれるものです。
短期トレードに比べプライスアクションは出現頻度が少なくなりますが、経験や練度によりトレードを厳選することで9割を超えるような非常に高い勝率をキープすることができます。また、勝率が高いことから通常より大きなロットでのトレードが可能となり、出現時は大きなチャンスとなります(後述)。スキャルピングではこの二つの手法を軸にどちらか一つ、または両方をベースとしたスタイルを構築することになります。
基本スタイルの構築方法
①通貨ペアを決めます。
ドル円:情報量が最も多く、値動きは比較的穏やかで推測しやすい。大きな値幅は狙いにくいですが、トレードのしやすさは随一。優位性が低下した場面で逃げやすい。
ユーロドル・ポンドドル:一定の情報量があり、値動きは比較的素直ですがダマシや突発的な値動きには要注意。大きな値幅を狙えますが、値動きにスピードがあり、素早い判断力が必要。
クロス円(ユーロ円やポンド円など):インターバンク上にて合成通貨(ドル円×ドルストレートより算出)となる場合が多く、直接的なテクニカル指標だけでは優位性が得にくいとされています。優位性の確認にはドルストレートを含めた幅広い環境認識やノイズの加味などドル円やドルストレートとは異なったスキルが必要となります。スキャルピングチャンスは比較的多く、同時に大きな値幅を狙うことが可能ですが、合成通貨特有の癖がありダマシも多いため、初心者にはお勧めできません。
②トレンド判断用の時間軸・エントリー用の時間軸、使用するテクニカルなどトレードを実行するための軸を決定し、ルール化します。
③スタイル構築最終過程では最低ロットでの練習や検証を繰り返し、短期トレードでは5割、プライスアクションでは6割以上の勝率が見込めるトレードタイミング(パターン)を目先の目標とし、自分の物にしていきます。
リスクリワードが必ずしも定まらないスキャルピングでは、勝率を優先させることが大切です。難しく考える必要はなく、自分だけの得意なパターンを見つけましょう!
参考までに私の基本スタイルを紹介
ドル円でのトレードがメインです。総合的な分析時はマルチタイムフレームを使いますが、スキャルピング用には5分足と15分足を軸に分析、1分足とプライスボードにてエントリー(イグジット)しております。
使用テクニカルは水平線がメイン。ただし、中期足にてフィボナッチ、21SMA、200SMAなどを用いております。エントリー・イグジットサインは使用する手法によって若干異なりますが、どれも相場背景・環境認識・相場心理を加味した優位性重視のトレードスタイルです。
なお、チャンスの精査やフィルターとして、ドルストレートや他の指数(ダウ・日経平均・長期金利など)、ニュースページを常時監視しております。
オリジナルのトレードパターンを作り上げる
私の場合、スキャルでの収益は大半がプライスアクションです。トレードパターンはテクニカルや波形、ローソク足形成などあらゆるアプローチから経験により導き出しました。そんな中から私が好きな代表的パターンを一つご紹介させていただきます。
例えば、現値より下に数か月ぶりの安値でもある大きな抵抗を見つけたとします。相場はネガティブなヘッドラインが出ているわけでもないのに徐々に抵抗に向かってダラダラと下がり続けています。このように大きく意識された抵抗に差し掛かったとき、多くの場合「手前で強い反発が入る」「割り込むが、すぐに利確など含めた強い買いが入る」「割り込みストップを誘発してさらに下げる」といった3種類が、重要ラインでのトライ初動になります。
これらの初動を想定したトレードを考えたとき、抵抗にできるだけ引き寄せたラインで(または抵抗割れ直後に)ロングエントリーできれば、優位性の観点から大きな値幅は狙えませんが損失を限定した有利なトレードが可能です(さらに下へブレイクしてしまった場合は躊躇なく損切り、または計画的なナンピンにて対応)。
エントリー後、すぐにブレイクしてしまえば負けてしまいますが、このトレードで重要なのは「ヘッドラインが絡まない下落」「久しぶりの安値抵抗」「トライ初動」です。ドル円など取引量が多い通貨ペアにてこの条件がそろった場合、非常に高い確率で一時的な反発が入りやすく、抵抗に引き寄せることで損切り幅も浅く済むので好条件のトレードパターンといえます。
プライスアクションでは、このように一時的であっても高確率で反転、または加速するようなポイントを検証や経験から見いだし、さらに条件に適したロスカットや利確を練習することで自分だけのトレードパターンを作り上げていきます!
次回は、「自分専用のスキャルピングスタイルを構築する②(仮)」と題し、スタイル構築時に重要な自分自身を加味して考えるコツや方法など、今回お話しできなかった内容をご紹介させていただきます。
※この記事は、FX攻略.com2018年12月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
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