FX取引のリスク回避策「円買い」 世界が円を信頼するワケ
既にFX取引をしている方には常識かもしれませんが、FX取引のリスク回避手段としての「円買い」は広く知られている手法です。
では、なぜ円を買うことがリスク回避につながるのでしょうか? 記念すべき連載第1回は、FX取引をあなたが安心して行うための、いわば保険のような話です。
2020年は、波乱の年明けでした。イランと米国の対立が激化し、イランからイスラエルに向けて3か所から計16発のミサイルが発射されました。また、中国・武漢発の新型コロナウイルスの大流行により、感染拡大による人的被害の他、中国経済への打撃が世界経済の悪化へとつながるのではないかといった懸念が広がりました。このような背景により、市場では年明けから一気に円買いが進行。ドル円は110円台から108円台前半まで円高が進みました(2020年2月3日時点)。
一般に、世界的な混乱が起きると円買いが進みやすい傾向があります。それは、「円は安全」という認識が世界のスタンダードになっているからです。この法則を知っているFXトレーダーならば、世界情勢を見て円を積極的に買うという選択を取っているはずです。
では、なぜ円は安全なのでしょうか。よくいわれる正解の一つが、「日本は世界最大の対外債権国だから」というものです。日本は、世界で最も外貨建ての資産を保有している国。つまり、いざとなれば売れる外貨をたくさん持っているのです。よって、円は通貨価値が大暴落するようなことはないという認識を持つ人が少なくないのです。その証拠として、財務省が公表している「本邦対外資産負債残高の状況」はとても参考になります(図①)。
平成30年末では、日本の対外資産は約1018兆円、対外負債は約676兆円。(資産)-(負債)=純資産として計算すると、対外純資産は約342兆円になります。この額は、世界でもトップクラス(図②)。
その対外純資産の中身を具体的に見てみると、日本企業による海外企業買収、M&Aによるものです。20年前であれば、対外純資産の割合は証券投資がメインでしたが、今の日本は「証券投資から企業買収」へと資産の中身が変化しているのです。日本企業の海外への直接投資は無視できない存在になっていますが、海外投資の増加が進むことは、国内への投資の減少を意味しています。これは日本経済にとって悲しい側面でもあるのです。
第1回まとめ
日本は世界最大の対外債権国。いざとなれば売れる外貨をたくさん持っているから、円は世界中で信頼されている!
※この記事は、FX攻略.com2020年4月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
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