トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。
マーケットはいま「米貿易戦争VS米ファンダメンタル」このような構図が描けます。ドル円は好調な米ファンダメンタルを背景に上値をうかがうものの、不透明な米貿易戦争が足かせとなっている展開です。週末にはFOMC議事要旨、米雇用統計、米国による対中関税発動などビックイベントを控えており、この戦いでどちらが優勢となるのか注目です。
FOMC議事要旨、米雇用統計で今年4回の利上げを正当化できるか
FOMC議事要旨ですが、前回のFOMCではタカ派となった各メンバーの発言を確認したいところです。年内4回の利上げ確率は未だに50%前後のため、4回の利上げを正当化できるか注目です。一方、米雇用統計ですが、コンセンサスは雇用者数変化が+19.8万人、失業率が3.8%、平均時給0.3%となっており、申し分ない数値に見えます。あしもとの米経済指標は引き続き堅調なので今回の米雇用統計もポジティブな結果になる可能性は高いとみています。しかし、マーケットは米国の良い指標に慣れてきているので上昇トレンドを形成していくまでのイメージは持っていません。
不透明な対中関税発動は要警戒
7月6日の米中の関税発動に関心が集まっており、ドルを強き一辺倒で攻めきれない要因がここにあります。
トランプ政権が実際に発動するかどうなるかは不透明要素が多く、警戒が必要です。発動、延期、回避と多くのシナリオが考えられますが、どれもマーケットインパクトは大きいと思っています。また、同時に中国は対抗措置を発動する予定となっており、かなり神経質な展開が予想されます。
しっかりと内容を精査してからトレードしたいとは思いますが、スピードが速い場合にはチャートを見ながらになります。ドル円の予想レンジは上値が5月21日高値の111.40円付近、下値は6月25日安値の109.36円付近と考えており、このあたりで戻るようなら基本的には戻りや押し目を狙えるかもしれません。ただし、レンジをブレイクして突っ込んでくれる展開があるなら抜けた方向について行きます。
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