今回で連載も最終回となります。私がトレードの世界に入り、トレーダーになるまでにどのようなことに目を向け、意識し、勉強をしてきたかを綴ってきました。そして、トレーダーを目指すけれども、どうなったら自分をトレーダーだと思えるのかということについて、最後にお話ししたいと思います。
いくら勝てるようになれば一人前なのか?
よくネットで目にするのが、月収100万円、とか1年で数千万円稼ぎあげた、という文字です。トレーダー=高収入というイメージから、自らもそれくらいは稼がなければ一人前ではないという気持ちにさせられる人も多いのでは。
私の見解を申し上げると、そもそも本人が今まで働いてきた月収の額に到達することは可能だと信じています。人にはお金の器があるわけで、毎月20万円の月収しかもらったことがない人が、いきなり月収1000万円を手にすることは無理があるし、永続的にその収入を確保することは極めて可能性が低いことは誰でも想像しやすいです。
たった1度の月収1000万円より、月収20万円を確実に毎月稼ぎあげるトレード能力の方が、誰もが欲しいと思う部分ではないでしょうか。
私はトレーダーとして一人前になる目標額に、月収30万円を立てました。まずは月収30万円です。これをクリアすれば、生活が成り立つからです。
でもこれは人によって大きく違うでしょう。月収5万円でも十分な人もいるし、月収300万円ないと生活が成り立たない人もいます。まずは、自分の生活費を稼ぐことで一人前のトレーダー(個人投資家)と自信を持つべきだと思います。
どれくらい続けば専業トレーダーといえるのか?
まだ、勉強途中の方によく聞かれるのがこの質問です。何か月続けば、専業トレーダーになれますか?
この答えは一つではないと思いますが、まずは3か月、そして半年の節目に私はそろそろトレーダーと思って良いのでは、と感じました。
ただ、自分自身の成績を振り返ると、勝てるようになった1年目は成績にムラがあり、大きく勝てる月とギリギリ自分の目標設定を達成できる月とに大きく分かれました。それでも毎月のプラスで終えられることに感謝と安堵の気持ちが沸いてきました。
勝てるようになってもトレード技術向上に終わりはない
毎月の成績を分析し、自分のウィークポイントを探ることで、安定して勝てる試行錯誤を最初の1年目は行いました。私が大きく利益を出せるようになった最初の手法はトレンドフォローでしたので、どうしてもレンジ相場になると利益を減らしてしまう傾向が分かりました。
そこでレンジ相場でも利益を出せるトレード技術を身につけるようにしました。そして今度は大きく相場の流れが変わる転換点でもエントリーができるようになるべく、そのトレード技術を自分なりに開発しました。
今でも暴落相場では、スキャルの練習を試みたり、より楽にエントリーができる技術はないかチャートと向き合ったりする日々を送っています。
トレーダー気質の自分を見いだす
トレードの世界に入ってつくづく感じたのは、トレードは真の技術職だということです。世の中に数ある職業の中でもかなり専門性が高く、個人の人間力を問われ、また終わりのない研究に没頭している人間がトレードの世界では生き残ります。
巷であふれている、FXは簡単ですぐに勝てる、一つの手法でずっと資産を増やせる…といったイメージとは大きく違うことが、今これを読んでいるあなたは分かっているはずです。
トレーダーとして一人前になるためには、何より自分の中の職人気質に火を付けることです。どんな人でも人生の中では没頭せざるを得ない瞬間をこのトレードに合わせるのです。
誰のためでもない、自分のために、目の前に現れたトレードという世界をうまく活用することです。そうすることで、大きく自分の世界が変わります。
※この記事は、FX攻略.com2016年5月号を転載したものです
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\FX会社によって違うところをチェック/
スプレッド | FX取引における取引コスト。狭いほうが望ましい。 |
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約定力 | 狙った価格で注文が通りやすいかどうか。 |
スワップポイント | 高水準かどうか。高金利通貨の取り扱いの数。 |
取引単位 | 少額取引ができるかどうか。運用資金が少ないなら要チェック。 |
取引ツール | 提供されるPC・スマホ取引ツールの使いやすさ。MT4ができるかどうか。オリジナルの分析ツールの有無。 |
シストレ・自動売買 | 裁量取引とは別に自動売買のサービスがあるかどうか。 |
サポート体制 | サポート内容や対応可能時間の違いをチェック。 |
教育コンテンツ | 配信されるマーケット情報や投資家向けコンテンツの有無。 |
キャンペーン | 新規口座開設時や口座利用者向け各種キャンペーンの内容。 |