大阪都構想で頑張った維新の党の国会対策委員長代理である遠藤敬議員を本誌でおなじみの奈那子さん、Sarahさん、トモラニさんという女性辣腕トレーダーが囲んでの座談会。都構想からカジノ法案、投資教育などをテーマにして、少子化のなかで日本人が豊かになるための方策について政治家、トレーダーの立場で熱く語り合った座談会が実現した。
大阪都構想とは何だったのか
奈那子 遠藤先生は大阪がおひざ元ですが、私も大阪の住民として、5月の住民投票で都構想の結果がわかったときはショックでした。大阪市を廃止して、複数の特別区を設置することで、大阪府と大阪市の合併を目指して二重行政を解消しようとして、ていねいに法案をつくって、準備期間をかけて出した法案が住民投票で敗れたわけですから。維新の党もがんばったんですけどね。
遠藤議員 都構想は少子高齢化と人口減少が進むなか、日本全体で生産性を高め、東京以外に経済成長のエンジンをつくる必要があると考えたんです。そのためには、二重行政の問題を抱える大阪を再生させる必要があるので、広域行政を大阪都に、住民サービスは特別区に特化させることで、大阪・関西圈全体にヒト、モノ、カネが集まるようにしようと考えたんですが。
奈那子 維新としては、橋下さんの次の市長候補を決めているんですか。
遠藤議員 ぜんぜん決まっていません。維新の党はぎりぎりまで決めないんですね。選挙は1カ月で勝負するというパターンなんですね。あるいは、府知事選挙だけ出して、市長選に出さないという方策もあります。そのことで、二重行政のデメリットをもう一度市民にわかってもらおうと思います。
若い人が関心を示した投票
奈那子 東京では大阪都構想に関心がなかったようですね。
トモラニ 何が問題で、何をどういうふうに変えようとしているのかが、よその県ではわからないところがあります。
Sarah 大阪の人には、このままじゃいけないという危機感はあるんでしょうか。
奈那子 このままだと衰退するだけという認識でしょうね。景気も悪くて、中小企業がたいへんだし、無駄なものが多すぎる。
遠藤議員 中小企業はしんどいです。
奈那子 仕事がなくて、技術の宝庫といわれている東大阪からもどんどん人が出ていっている。
遠藤議員 都構想で特別区をつくって、大阪が変わればいいと思ったんです。高齢者を中心にした層には現状を変えてほしいけど、変わるのがこわいという思いが強かったようですね。でも、若い奥さんが乳母車を押して投票所にいってるのを見たら、感動しましたね。
奈那子 あれは感動でしたね、こんな若い人たちが投票にいくんだ、勝てるかもとか。議員さんも日本をよくしたいと思っているのは同じだと思います。特区のことですけど、保育園の問題とかいろいろありますが、とにかく子どもが減ってきていますそれに女性が活躍する仕組みがまだまだ追いついていないです。日本人の「女は家にいろ」という感覚が残っています。
Sarah そういうのは変わりませんかね。
遠藤議員 たとえば、女性が産休の場合、それは企業の問題で、国が援助する必要はないというのが役所の考え方みたいです。
Sarah じゃあどうすればいいですか。
遠藤議員 やっぱり子どものころからの教育でしょうね。
パチンコはよくてカジノはだめと
奈那子 今回の投票で都構想が決まれば、シンガポールみたいに金融特区みたいなものをつくれるんじゃないかと期待したんですけどね。
Sarah 私、2月にシンガポールにいってきて、カジノで一瞬でかけ金を2倍にしました。
遠藤議員 カジノといえば、大阪で関空のそばにIR(統合型リゾート)施設をつくり、その100分の1をカジノにしようとしたんですが、反対されています。
奈那子 パチンコはよくて、なんでカジノはだめなんですかね。カジノができたら盛り上がると思いますよ。マカオみたいになってほしい。
遠藤議員 いったことがない人ほどギャンブル依存症になるっていうんですよ。どこでもカジノを誘致しているところでは、治安がよくなったといわれています。
Sarah シンガポールは夜中でもいけましたしね。
トモラニ パチンコも競馬も競艇もあるし、ギャンブルはたくさんあるのに。
遠藤議員 カジノ構想を自民、公明、民主に働きかけているんですが、ギャンブル依存症の対策はあるのかとかいわれます。じゃあ、パチンコ依存症になって破産した人がたくさんいるわけでしょうと、こちらもいうわけです。このIR法案は安保法制が終わってからの審議になるんでしょうね。
Sarah カジノができるとしたら、大阪だけですか。
遠藤議員 横浜、大阪、福岡ですかね。カジノは小さくても、ホテルとか国際会議場とかいろんなものができますから。
奈那子 すごい経済効果ですね。ぜったいやってほしい。
お金の話が嫌がられる国
遠藤議員 ギャンブルといえば、日本では投資とギャンブルが混同されているきらいがあります。そこでもっと投資ということへの理解を深めるために、子どもの頃から金融教育をするべきだということが以前からありました。そして、アベノミクスでリスクのある資産への投資が成長戦賂に組み込まれたこともあり、学校で年齢に応じて金融教育を行うことが進められようとしています。
Sarah 都内で活動する青森県出身の経営者で構成するAOsuki(あおすき)という会があります。その会の主催で、青森からの修学旅行生のためのイベントがありました。
青森出身の経営者がお仕事の話をするという主旨で、私も「トレードはね、為替ってね」みたいな話をしたんですが、とにかくシャイなんですよ。その中学生たちに、「投資ってこんなふうにやるんだよ」とか。そうするとみんなポカーンとしているんです。やってみたい人はっていうと、10人にひとりくらい、「私やってみたい」とかいう子がいるんです。すると周りはぜったい無理だとか、意欲的な子を馬鹿にするような空気になるんです。お金の話を子どもたちがするのは、なんか嫌がられるというムードがあります。
遠藤議員 青森の県民性ということでなく、日本人がそういう感じです。
Sarah そうですね。中学生を見てお金や仕事、将来に夢をもてない子どもたちが多いのかなと感じたのがきっかけですが、私としては、そういう子どもたちに選択肢を与える、自信をつけさせるという意味でも、学校教育で金融リテラシー(知識と判断力)というのをもうちょっと高めたらいいんじゃないのかなと思います。
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国も進める子どものための金融教育
奈那子 それを国が進めていこうとしているんですよね。金融広報中央委員会が打ち出した「金融教育のねらいと基本的性格」で、今なぜ金融教育かが説明されています。
Sarah それをどういう人を対象にやろうとしているんですか。
遠藤議員 子どもです。現実的にどこまで学校の教育現場でやっているのかはわかりません。けれども、その学校が嫌がるんです。
Sarah なぜですか。
遠藤議員 本当はリスクに対する教育をしなければならないんですけれど、リスクの話ばかりになって、全体がリスクというイメージになってしまった。同じように、ひとりでも「私、してみたい」とかそういう先生がいればいいけど、大半が「それギャンブルじゃあ……」と、そっちにいってしまうんです。女性全員それ、違うでしょう。
トモラニ 投資とギャンブルのきちんとした区別ができていない大人が多すぎる、ということなんでしょうね。
Sarah トモラニさんは為替の学校の先生で、まさに教育にたずさわっている方です。
奈那子 FXって、世界のマーケットは300兆円といわれていて、株や先物取引より規模が大きくて、公正で、これからもどんどん伸びると思います。今の日本株はアベノミクスで上げ上げでいいけど、先行きどうなるかということもあります。子どもたちの教育もありますが、20代、30代という世代も金融のことを知らなさすぎるんですよ。
金融はもう「たしなみ」に
Sarah 金融って、常識というか、たしなみのひとつになってほしいと思っています。たとえば、資産をもっていることから派生する利子などのインカムゲインは安定していますが、それだけでは資産はふえない。株とかFXみたいに、資産価格の変動から利益が得られるキャピタルゲインも組み込む必要があるんです。
そういう資産形成が当たり前だという世の中になる必要があると思います。そういう知識がない人は資産がつくれないまま、という世の中になってしまうんじゃないですか。
遠藤議員 まさにそうですね。でも、どうでしょうか、素人がやって儲かる、なんとかなるものですか。お小遣い程度でいいんですが。
トモラニ やり方しだいです。
奈那子 規律を守れる人が勝ち組になれるかな。
遠藤議員 規律ですか。
奈那子 トレードのし方はどんなやり方でもいいんですよ。でも、結局は資金管理ができる人が勝つ。
為替ならローリスクで年利10%が
Sarah 極端な話ですが、銀行に預けても0・02%程度ですけど、為替なら年利10%はすごいローリスクで運用できるんですよ。FXイコール危険じゃないんです。100万円預けて、月に1万円ですよ。月利たったの1%! 1万円給料を上げるのと、投資で1万円得るのは、どっちが簡単ですかという話です。給料を上げるのはすごくむずかしい。
遠藤議員 とくに中小、零細企業はむずかしい。1000円上がるとすごい嬉しいわけです。
トモラニ ゼロとはいわないけど、リスクは小さい。ただ、トレードをする人のなかには、100万円が1万円殖えることは大したことないみたいになって、変な方向にいっている。100万円あるから、来月に100万円儲けたいみたいな。それが投資の醍醐味みたいな話が一般的になっている。
本来の投資は、銀行の利子よりいいということに焦点を合わせれば、リスクの低い、いい投資になるんですね。ただ、そういう教育がきちんとなされていないから、そこに対してリスクの取り方も知らないし、だまされる人も多くなる。誰々さんが運用すると、100万円が来年になると利益が100万円になるんですというと、みんなホイホイ預けちゃう。何の疑いももたずに預ける大人も多い。
Sarah 危険だから教育しない、イコール教育しないから危険、という悪循環というか、負のサイクルに陥っているんでしょう。
海外に遅れている投資教育
奈那子 海外ではちゃんと教育やっているようです。
Sarah アメリカでは、子どもに少額で株を買わせることで、企業に投資をすることはどういうことかを理解させようという試みもあります。子どもが、自分の家庭の実態から世の中の経済の仕組みを理解していくという内容の本も出ています。
でも、日本では投資以前に、金融の仕組みも教えていない。たとえば、働けばどういうふうにお金が入ってくるのかとか、どのようにお金を貯めたらいいのかとか。ビジネスや仕事そのものについての教育もなされていない。だから大人になってからお金で失敗する人が多いのでは?
遠藤議員 そこの違いですね。大人になって、わけもわからずに投資をしてしまうと大損します。
Sarah 投資っていうと、教育の場では嫌がられるかもしれませんが、やはり、貯金ですとか経済の仕組みなど、実践的なマネーリテラシーを推奨してもらいたいと思います。
奈那子 維新はこれまでほかの党ができなかったことを打ち出していけると思います。
遠藤議員 それは自民党じゃできないです。こういう話をすると、投資で失敗するとどうするんですか、子どもは儲けるとかじゃなくて、こつこつと学校へいくのが当然とかになるとダメなんですよ、子どものころから積み上げていかなければね。
資産を殖やすより守るという発想で
Sarah 資産を殖やすというと抵抗があるかもしれませんが、資産を守るという発想でいいと思います。
奈那子 それはいいですね。
遠藤議員 資産を殖やすというと、日本ではなんかいやらしいことみたいなムードがある。でも、多様化する社会で、それに対応できる人をつくっていかなければならないですね。少子化のなかで、しっかりしたお金儲けができる人材をつくっていく必要があります。
日本に必要なのは人への投資
トモラニ 世界中から日本にお金を落としてもらうような起業ができる若者を育てる必要がありますね。新の成長戦略は日本人の再生だと思います。先進国のなかでは、日本がぶっちぎりで人への投資が少ないと思います。国内の人材よりも海外からきている留学生への援助が厚い。
奈那子 昨年から官民協働で取り組む海外留学支援制度の「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」が発足しました。文部科学省所管の日本学生支援機構が主催していますが、渡航費や学費などで年間300万円支給されるんです。やっとそういう制度が生まれたって感じですね。
遠藤議員 その「トビタテ!」ですが、バッジがあって、文科省の下村大臣が服につけてたんです。飛行機みたいなデザインですが、実は、それが日本の国鳥であるキジだというんです。そこで下村さんに国会で、「キジって飛べると思いますか」って質問したところ、大臣は事務方に聞いて「飛べないんだって」と。それじゃあ海外は無理でしょうといったら、国会が爆笑の渦になりました(座談中の女性陣も大爆笑)。
奈那子 私のところはすでに息子がカナダに留学しているんですが、「日本のために働いてほしいから海外へ出してあげるのよ」といっているんです。日本がいかに世界にすばらしい影響を与えているかということを確認して帰国して、日本のために働いてほしい。国際人というのは、海外のことを知っているだけじゃなくて、海外の人たちに自分のアイデンティティをちゃんと説明できて、理解させられる人のことなんですよ。
遠藤議員 そうそう、今の日本人は、海外で日本がどんな国かと聞かれても答えられない。この国を何とかしようという心がまえがないうちに外に出したとしても、そのまま海外へいい人材が流出してしまう。
奈那子 そうならないようにするのも、やっぱり教育なんですよね。
Sarah 遠藤先生、変えてください。
遠藤議員 がんばります。
何かを変えるのが大変なのが政治の世界
Sarah ここで議員にお聞きしたいんですが。いろいろなことを変えるのは議員さんでもむずかしいんでしょうか。
遠藤議員 私たちは野党ですから変えるのは困難ですが、今までになかった野党にしようとしています。簡単にいえば、今までの野党は、与党が出したものに反対のための反対をしていました。55年体制以後そうでした。ですが、私たち維新の党は、政治家や公務員の給料を上げての増税などには真っ向から反対しますが、与党の政策でもいいと思うものは応援します。
奈那子 このご時世で国会議員の給料が上がっているのには驚きますよ。
遠藤議員 地方の役所ももっと変えなければいけません。民間ならひとりでする仕事を3人ぐらいでやっています。民間では人員削減しているのに、役所はやらない。維新は役所の人員を削減し、仕事を民間に任せることに力を入れています。全員がんばってください。
Profile:Sarah(さら)
Sarah(さら)。FXトレーダーとして、米紙ウォールストリートジャーナルや、テレビ東京『ガイアの夜明け』等メディアからの取材を数多く受ける。トレードをする傍ら、FXや暗号通貨(リップル)、九星気学のセミナー講師、コラムニストとしても活動中。著書『トレーダーsarahが教えるFX7つの成功☆レッスン』(宝島社)、『わたし、すっぴんジャージで億稼いでます。』(幻冬舎・新刊)
公式ブログ⇒【トレーダーSarahのFX日記】
公式サイト⇒【Sarah’sオフィシャルサイト】
Profile:奈那子(ななこ)
奈那子(ななこ)。関西在住。育児や仕事の合い間を見つけてトレードに励むFXママ。FXでの毎月の目標は「会社からもらうお給料超え」。ブログでの交流から生まれ、著名トレーダーも多数参加する「FX友の会」のいい出しっぺ。著書に『奈那子流FXで勝ち残る7つの法則』(自由国民社)がある。
公式ブログ⇒【FX奈那子の素敵な人生計画!為替で1日1万円稼いでみない?】
Profile:遠藤たかし(えんどう・たかし)
遠藤敬(えんどう・たかし)。衆議院議員(大阪18区選出)、維新の党国会対策委員長代理。衆議院議院運営委員会理事。昭和43年6月6日大阪府高石市生まれ。平成15年、高石青年会議所理事長に就任。平成16年より堺高石青年会議所初代理事長。その後、日本青年会議所大阪ブロック協議会長を務める。平成24年に行われた第46回衆議院議員総選挙において、日本維新の会公認で初当選。平成26年の日本維新の会分党に際しては、橋下徹大阪市長による新党結成を目指すグループに参加。その後、結いの党の合流による維新の党の結党に参加。昨年末に行われた第47回衆議院議員総選挙にて再選。
公式ブログ⇒【泉州から、日本の夜明け!】
Profile:トモラニ(さいとう・ともらに)
トモラニ(さいとう・ともらに)。FXスクールWin-invest Japan代表取締役。日々トレードをしながら、受講生の育成に力を注いでいる。チャート分析を得意とし、ひまわり証券にてデイトレナビゲーションを配信中。著書に『FXデイトレード』(パンローリング)がある。
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