本業がありつつ、FXでも利益を出している兼業トレーダーを密着取材。限られた時間で結果を出す彼らこそ、読者のみなさんが目指すモデルケースになるはず。兼業ならではのライフスタイルに注目だ。
- 一時は資産を失うも現在は安定して稼ぐ
- 攻めだけではなく帰れる場所づくりを
- 【FXを始めたきっかけ】いろいろな投資のなかにFXという選択肢が
- 【経歴】成功と失敗を繰り返し現在の手法に到達する
- 【現在の手法】チャンスを絞り込んだデイトレで堅実に稼ぐ
- 【失敗と対策】過去の失敗体験からルールの重要性を認識
- 【信条】攻めの投資ばかりでなく、守りの投資も同じく重要
- 守りの投資の考え方
- アクティブな投資を求めFXを始める
- ファンダメンタルズはいっさい考慮しない
- 目指すのはFXと生活の両立
- 【現在の手法】実際のお金を使いながら3つの手法を同時検証
- 【参考収支】手法を研究しながら約1000pipsの利益
- 【FXの勉強】時に失敗しながらゆっくりFXを勉強
- 【ライフスタイル】アルバイトとFXを両立、取引にのめりこまない
- 【取引環境】分析やトレードの多くはスマホで行う
一時は資産を失うも現在は安定して稼ぐ
最初に紹介するのは、仲島泰典さん。東京都在住の会社役員でお年は35歳。仲島さんがFXに興味をもち、本格的にトレードをし始めたのが2010年ごろ。超円高の局面だった2011年は下げたところでの買い戦略がハマり、プラス収支。しかし、その後、円安に相場が動きだすと、やり方が通用しなくなり、それまでに得た利益分を失ってしまう。
そこからしばらくはFXから手を引くことに。仲島さんがFXを再スタートしたのは2014年秋。その後、知人の紹介で購入した有償のシグナル配信ツールを主軸とした手法に切り換え、現在は月間で20~30万円程度を稼ぎだしている。
攻めだけではなく帰れる場所づくりを
ところで、そのツールさえあれば誰でも利益を出せるかといえば、そんな簡単な話ではないそうだ。
「手法やツールがあっても、それを使いこなせなければ利益は出せません。大切なのは攻めと守りのバランスです」
仲島さんがいう攻めとは、ツールや手法といった増やすための考え方がメインとなる。多くのFXトレーダーはこの部分だけに注力し、守りの部分を疎かにしがちだ。守りとは、リスク管理やメンタルの制御、そして、資産を失った場合でも帰れる場所があることが大切だという。
「攻めだけの投資だと、負けたときに退場せざるを得ず、その時点で上達がストップしてしまいます。結局FXではライフプラン、マインドセットが重要で、自分の性格をよく把握したうえで、仕事や他の投資との兼ね合いを考えれば、FXに対してどうつき合うかが自然と見えてきます。私の場合なら、生活費と投資資金はしっかりわけ、不動産投資で得た利益をFXに回しています」
FX単体で考えず、仕事や他の投資、ひいては人生設計のなかでの位置づけを意識し、また自らの特性を考慮することで、トレードのスタイルや資金計画が決まってくるというのだ。これからFXを始める方へのアドバイスを聞いたところ、「まず守りをしっかり固め、次に攻めを考えてください」とのことだった。
【FXを始めたきっかけ】いろいろな投資のなかにFXという選択肢が
不動産や株、投資信託などの投資経験がすでにある状態で、FXと出会った仲島さん。友人のススメもあり、FXを始めた2010年半ばは円高ドル安、株安がかなり進行していた時期だった。
【経歴】成功と失敗を繰り返し現在の手法に到達する
2011年 | 震災後、不安定な時期もありつつ、少しずつ利益が出てくるようになった。その後、買い中心(買い7割、売り3割)の手法が、トレンドがないレンジ相場でハマり、しばらくは利益が出続けた。 |
2012年 | 政権交代以降、円安傾向になり、かつての手法が通じなくなり、勝ったり、負けたりの状態。その後、大きな損失を出し、税金を引くと、通算収支はマイナスに。この時期はポジポジ病にも陥る。 |
2013年 | 不動産投資に集中するためFXはお休み。過去のトレードを振り返り、敗因を探る。 |
2014年 | 10月ごろからFXを再開。 |
2015年 | 月に20~30万円ほど勝てるようになった。 |
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【現在の手法】チャンスを絞り込んだデイトレで堅実に稼ぐ
現在のトレード手法 | ||
主にトレードする通貨ペア | 米ドル/円 | |
利用しているFX会社 | 某海外FX会社 | |
トレード1回の取引枚数 | 5~10枚 | |
取引する時間帯 | 本業が終わったあとの夜の時間帯 | |
ポジション保有時間 | 数十分~1時間程度 | |
使っているツール | 知人に紹介された有償のシグナルツール | |
月間平均獲得pips | 60~70pips | |
主に分析する時間足 | 30分足、1時間足 |
仲島さんの現在のFX手法は、「米ドル/円」のデイトレ。知人経由で購入したシグナル配信ツールを活用して、勝率が高い場面のみを絞り込んだエントリーで、月間に60~70pipsを獲得している。分析やトレードは基本的に夜の時間帯のみ。
【失敗と対策】過去の失敗体験からルールの重要性を認識
- ちょっと負けると、すぐに損失を取り戻そうとして無理をした。
- 一度うまくいったからといって、取引の基準を甘くしてしまった。
- 中途半端な成功体験で過信し、美味しくない場面でもトレードを続けてしまった。
- 自分の能力以上のトレードをして、無理にポジションをホールドし続け、損失を広げてしまった。
- 余裕をもった資金管理ができず、強制決済を連続して喰らってしまった。
これらの失敗から、自分のFXルール、基準を厳密に設定!!
【信条】攻めの投資ばかりでなく、守りの投資も同じく重要
とくに、FXを始めたばかりのトレーダーの多くは、「テクニカルがこの形になったらエントリーする」「1年で資金を○倍に増やす」といった、投資における攻めの部分ばかり考えがち。もちろん、こういった攻めの要素は利益を伸ばしていくためには必要不可欠だが、仲島さんは守りの要素も同じくらい重要と説く。資金を不必要に失わない、無駄なトレードをしない、長期的な目的を見失わない、万が一負けても再起できる手はずを整えておく、といった防衛術が、長くFXを続けていくためには必要なのだ。要は攻守のバランスが大切ということである。
守りの投資の考え方
- 自分の立ち位置を決める
ここまで負けてOKという厳格なラインがないとずるずる負けることに - むやみにポジションを取りにいかない
自分の判断の結果を知るために売買するのは良くない - 自分をよく知る
自分の性格やライフスタイルを基準にトレードのスタイルを決める - なぜ投資するかを明確に
自分がFXをやる目的を明確にするテクニカルに惑わされない - リスクヘッジは常にしておく
まけたら困るお金はFXに回さない。負けてもいい準備をしておく
アクティブな投資を求めFXを始める
二人目は公式サイトでの連載が人気の木里ゆうさん。東北地方在住の兼業トレーダーだ。ほぼスマホのみのトレード、しかも、複数の手法を同時検証しながらの運用で、2015年夏の時点ですでに1000pips近くを獲得している。
木里さんがFXを始めたきっかけは、知人による紹介。すでに株取引の経験はあったものの、保有したら基本的に長くもつ株は、もっとアクティブに売買をしたかった木里さんにとって、あまり面白みは感じられなかったとのこと。
ファンダメンタルズはいっさい考慮しない
木里さんのFXは、ファンダメンタルズ要素をいっさい考慮しないことが特徴的。本人も「ファンダメンタルズのことはよくわからない」と広言しており、エントリーや決済の基準はテクニカル分析のみ。
ただし、いろいろなトレード手法に共通しているのは、ファンダメンタルズがわからないからこそ、重要な経済指標がある時間帯は徹底してポジションをもつのを避ける。経済指標による瞬間的な動きは、それまで効いていたテクニカルを、一切無効化してしまうため、経済指標がない無風の時間帯がトレードのタイミングとなる。
予定されている経済指標のチェックは、外貨ex byGMOのスマホアプリで行う。★の数で3段階で重要度が表されており、とてもわかりやすくてお気に入りだ。
目指すのはFXと生活の両立
現在では平均してプラス収支となったが、これまではいろいろな手法にチャレンジしてきた木里さん。基本的にある手法が勝てるか試す場合には、時間をかけて何百回もトレードを繰り返すこと。数回程度の試行で判断を急がない我慢強さがポイントなのだ。ただし、そのなかで、ある程度結果が出たものもあれば、まったくうまくいかなかったものもあった。
今後の目標を聞いたところ、「FXが好きなので、今後も長く続けながら、今よりもっとトレードが上手くなりたいです。でも、FXばかりの生活はしたくない。仕事や趣味の音楽も楽しんでいきたいです」と語ってくれた。
【現在の手法】実際のお金を使いながら3つの手法を同時検証
現実的な取引枚数で、複数の手法を実際の相場で検証している木里さん。それぞれがファンダメンタルズ要素はいっさい考慮されていない点が特徴だ
■手法.1 らくらくテクニカルの手法
インヴァスト証券のらくらくテクニカルは、常時自動計算されている複数のテクニカル分析が出している売買シグナルを一覧表示するツール。午前中にシグナル点灯状況が買いか売りのどちらかに偏っていれば、その方向へのエントリー、OCOで決済を予約。
■手法.2 平均足+RSIの手法
平均足の色の転換とRSIの反転が同じタイミングになったとき、相場が反転しやすいため、このタイミングを狙ってポジションをもつ手法。現在は決済の制度を高めるために、いろいろ工夫しているとのこと。分析はGMO証券のスマホアプリで行う。
■手法.3 両建て+OCOの手法
最初にポジションをもつとき、まず、買いと売りを同じ枚数で両建て。その後、片方を利食いした時点で、もう片方にOCO注文を同額で設定する手法。片方をもちっぱなししないため、損失は限定できる。こちらも利益が大きくなる通貨ペアや値幅を検証中。
【参考収支】手法を研究しながら約1000pipsの利益
2015年7月までの結果(pips) | ||
2015年1月 | 285.1 | |
2015年2月 | -93.3 | |
2015年3月 | 405.6 | |
2015年4月 | 33.4 | |
2015年5月 | 59.6 | |
2015年6月 | 178.9 | |
2015年7月 | 103.0 | |
合計 | 972.3 | |
月平均 | 138.9 |
こちらは木里さんの2015年のFX収支。4月まで使えていた手法が、FX会社のツールの仕様変更により使えなくなってしまったものの、その後、うまく建て直している。検証を続けながら、プラス収支でまとめているのは立派。
【FXの勉強】時に失敗しながらゆっくりFXを勉強
トレード手法勉強の失敗例
- 【ロンドン時間に高値・安値をブレイクしたら逆指値で追う】
- (結果)1年間続けるも収支はトントン
- 【某有名トレーダーのスキャルピング手法】
- (結果)スピードについていけず
これまでに雑誌や書籍などで知ったさまざまな手法を実際に試してきたものの、うまくいかないものも多かったとか。現在ではこうした経験をもとに、自ら考案した手法を検証中。
【ライフスタイル】アルバイトとFXを両立、取引にのめりこまない
ある1日の生活
- 7:00 起床
- 8:00 朝食を食べながら相場分析
- 10:00 ポジション取得
- 10:30 アルバイトへ
- 14:00 昼休みでひとつのポジションを決済
- 17:00 アルバイト終了、残りのポジションを決済
- 18:00 夕食、以後プライベートの時間
日中はアルバイトもしている木里さん。働いてる時間帯は相場がチェックできないので、決済注文を入れて放置する手法をなるべく目指しているとのこと。
【取引環境】分析やトレードの多くはスマホで行う
一部のツールを使う場合以外は、チャート分析や取引はすべてスマホで行う。スマホでもできるシンプルな手法を目指していることに加え、ドライアイ気味で、長時間パソコンの画面を見るのが苦手。スマホの画面はパソコンよりは見やすいとのこと。
「これからFXを始めよう」と思ったとき、意外と悩んでしまうのがFX会社、取引口座選びではないでしょうか? でも大丈夫。ご安心ください。先輩トレーダー達も最初は初心者。みんなが同じ悩みを通ってきているんです。
10年以上にわたってFX月刊誌を出版してきた老舗FXメディア「FX攻略.com」編集部が、FX用語を知らない人でもわかるようにFX会社、取引口座のポイントを解説しました!
取り上げているFX会社は、金融商品取引業の登録をしている国内FX業者です。口座開設は基本的に無料ですので、まずは気になったところで2〜3つ口座開設してみて、実際に比べてみてはいかがでしょうか。
\FX会社によって違うところをチェック/
スプレッド | FX取引における取引コスト。狭いほうが望ましい。 |
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約定力 | 狙った価格で注文が通りやすいかどうか。 |
スワップポイント | 高水準かどうか。高金利通貨の取り扱いの数。 |
取引単位 | 少額取引ができるかどうか。運用資金が少ないなら要チェック。 |
取引ツール | 提供されるPC・スマホ取引ツールの使いやすさ。MT4ができるかどうか。オリジナルの分析ツールの有無。 |
シストレ・自動売買 | 裁量取引とは別に自動売買のサービスがあるかどうか。 |
サポート体制 | サポート内容や対応可能時間の違いをチェック。 |
教育コンテンツ | 配信されるマーケット情報や投資家向けコンテンツの有無。 |
キャンペーン | 新規口座開設時や口座利用者向け各種キャンペーンの内容。 |