100pips抜きの利食い戦略［あおのり先生］

5月末から8月まではプロでも勝ちにくい

今年5月末から8月までの相場は、5月中旬までのようにマーケット全体に方向感が出ていないために、利益をなかなか伸ばせずに苦しんでいる方は多いのではないでしょうか？　とくに、7月から8月にかけては、機関投資家などの大口取引をしてマーケットに大きな影響を与える外国人が1カ月ほど休む時期でもあるために、マーケットの動きが相対的に乏しくなる時期です。

価格の動きが乏しいから5月まで通用していた上昇トレンド時に有効なロング一本槍の戦略が通用しなくなり、ロングを取る傾向が強い個人トレーダーの敗退者が続出していた時期でもありました。ですので、ロングに加えてショートも加えた戦略が有効であったと言えますが、あなたは良い戦いをできたでしょうか？

この期間に勝ち越せた一部の方は良いのですが、一方で多くの敗退者は大体の場合次のように考えがちです。『いくら頑張ってもFXに勝てない。勝てないのは自分の売買ルールが悪いからだ』と。勝てないからといって、ルールを変えれば勝てるのでは…と思う気持ちもわかりますが、それで本当に勝てるようになるのでしょうか？

負けてもルールを変えない

今まで構築してきたトレードスタイルを変えてしまうと、余計に負けの連鎖から抜け出せなくなってしまいかねません。相場は上がり続けるときもあれば、もみ合うときもあるように、常に決まった動きをしてくれるわけではなく、必ず変化するものです。

そのため、ルールが機能しやすいときもあれば、機能しにくいときもあるのは相場の世界の厳然とした事実でもありますが、そのやり方をコロコロ変えてはいけないのです。ときにはトレンドラインを使ってみたり、そうかと思えば、一目均衡表に変えたり、ストキャスティクスを使ったりと、一貫性がなく戦略を描くのは下策です。

負けが続いたからといって、ルールを変えてはいけません。一貫したルールを守っていれば仮に一時的にお金が減っても、長期的に見れば右肩上がりで増えていきます。

FXで成功を収めている勝ち組は、自分が構築したスタイルを大きく変えることなく、どのような相場であってもルールを守り続ける人となります。とはいわれても、FXをはじめて見たものの、売買ルールをつくることができない、つくってみたものの、そのルールで勝つことができないーーそのような方も当然いるとは思いますが、であればFXの世界で生き残っている勝ち馬の戦略を見て、その戦略を見ながら、独自のルールをつくったほうが、はるかに上達が早いはずです。

三流は独自のやり方を追求しますが、一流は勝ち馬のやり方を見て自分の型をもつというのが、FXに限らず仕事でも、人生でもすべてに共通する法則です。そのほうが、はるかに上達が早いからです。今回私の記事を見てくれたあなたには無駄な徒労、損失を回避して欲しいので、売買ルールをつくる上で参考になる、エントリーと決済について解説します。

エントリーと決済ポイントはどこ？

今回は、価格が下落する下降トレンドから上昇トレンドに転じていくタイミングをとらえた、売買戦略について見ていきましょう。下降トレンドとは、図1のように、高値と高値、安値と安値が切り下がっている状態を表します。

図2のチャートを見てもらうと、下降トレンドが継続している流れを確認できます。下降のトレンドラインを上に抜けて、売り圧力が弱まったと見れますが、ラインを上抜けて追いかけるのではなく直近安値付近まで切り下がったところで、ロングを取ることができます。

このロングを利益確定できるポイントとしては、97円という前回の高値のポイントか、Wボトムを完成して上昇トレンドが確定してからは、最安値96円と高値97円の約1円の値幅の反動を価格のリズムから予測して、98円付近で利益確定を狙うことができます。

利食いポイントは、図2の黄丸で表示しています。次のロングオーダーとしては、97円という売り圧力が強まったポイントは、一度高値を超えると、今度は買い圧力が高まるサポートラインとしての機能がでるために、この付近でロングを取ることができます。

このように、ラインだけでトレード戦略を構築していくことが可能です。あれこれさまざまなテクニカル指標を使ってチャートの見方が複雑になっている方は、シンプルにみるために、ラインだけのトレードで挑んでみたほうが良い結果を得やすいでしょう。

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