短期線6本、長期線6本の合計12本の移動平均線を「束」にして表示するGMMAは見た目も鮮やかなトレンド系指標です。順風満帆なトレンド相場における押し目買いや戻り売りポイント探しでは最強といえます。レンジ相場では使いにくく、シグナル点灯が遅い弱点を、オシレーター系指標や平均足との組み合わせで克服しましょう!
※この記事は、FX攻略.com2016年12月号の記事を転載・再編集したものです
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・平均足、各種移動平均線
・ローソク足と酒田罫線
・200日移動平均線+一目均衡表+MACD
・移動平均線+RSI etc. トレンド系&オシレーター系の組み合わせ
・平均足+移動平均線、ボリンジャーバンド、RSI
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・ボリンジャーバンド+MACD、RCI、平均足、RSI
・フィボナッチ・リトレースメント&エクスパンション
・ケルトナーチャネル&RSI、平均足、MACD、DMI
・チャートパターン&移動平均線、MACD、フィボナッチ・リトレースメント
・トレンドライン&過去の高値・安値
GMMAは移動平均線の「束」の拡大・縮小でトレンドの強弱を判断できる
今回は、トレンド系指標として非常に売買しやすいと評判のGMMA(複合型移動平均線)についてご紹介します。
GMMAはGuppy Multiple Moving Averageの頭文字を取ったもので、アジア圏で活躍するオーストラリア人テクニカルアナリスト、ダリル・ガッピー氏が考案した指標です。その特徴は短期と長期の移動平均線を合計12本も表示して、線ではなく「束」として見る点にあります。ガッピー氏が設定した移動平均線の期間は、
・短期GMMAの束が3、5、8、10、12、15の6本
・長期GMMAの束が30、35、40、45、50、60の6本
になります。使用している移動平均線は当日の終値に2倍の比重をかけて、より直近の値動きに敏感に反応するようにした指数平滑型(EMA)です。
外為オンラインの基本設定では、日足チャートなら3〜15日の短期線6本が水色、30〜60日の長期線6本がピンク色に色分けされており、図1のように、まるで2つの“網”が値動きに寄り添って上下に波打つような非常に独特な形状をしています。
その見方は移動平均線同様に、
・長期GMMAの傾きや為替レートとの位置関係でトレンド判断(図1の①)
・トレンド継続中は、為替レートが長期や短期のGMMAに接した後、反転した地点が押し目買い・戻り売りポイントに(②)
・為替レートが長期GMMAを割り込んで下落、または突き抜けて上昇したらトレンド転換の前兆(③)
・短期・長期GMMAのクロス発生でトレンド転換完成(④)
さらに、移動平均線にはない、GMMAの長所は、移動平均線を「束」にして見るため、その「束」の幅の拡大・縮小からトレンドの加速・失速が分かる点にあります。
移動平均線は期間が短い線の方が直近の値動きに反応しやすいため、トレンドの勢いが強まると短期線と長期線の間隔が広がり、勢いが弱まると狭まる性質があります。それを利用して、
・GMMAの2つの束の幅が共に拡大傾向ならトレンド加速(⑤)
・2つの幅が縮小傾向ならトレンド失速
・2つの束の内部で線が入り乱れて、もつれ合っているときはトレンドレス
・2つの束の中で6つの線の上下の並びが逆転したらトレンド転換
というように、GMMAの幅や並びからトレンド状況や値動きの勢いを読み取ることができます。
特に短期GMMAの6本の移動平均線の並びは、設定期間が3〜15日と極めて短いため、値動きの加速・失速によって大きく変化します。
3>5>8>10>12>15ときれいに並んでいれば上昇トレンド継続ですし、その並びの幅が拡大方向にあればトレンドが加速し、値動きに拍車がかかっている状況です。反対に短期GMMAの6本の線がもつれ合う形になると、トレンドが失速しているシグナルです。
その後、並びが15>12>10>8>5>3と下降トレンド時の並びに逆転すると、それは短期的なトレンドの転換を意味します。
つまり、長期GMMAで大局的なトレンドを把握した上で、短期GMMAの並びや幅で値動きの短期的な勢いの変化をとらえて売買するのがGMMAの実戦的な使い方になるのです。
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トレンド相場で安心かつ正確な押し目買い・戻り売りシグナルを発するのが最大の魅力
図2は「米ドル/円」の昨年11月からの日足チャートにGMMAを表示させたものです。
このチャートを見てまず目に飛び込んでくるのは、ピンクで表示された右肩下がりの分厚い長期GMMAでしょう。色鮮やかなピンクの束の傾きや分厚さから一瞬にしてトレンドの方向や強さを判断できるのが、GMMAの長所なのです。図2の場合、明らかに下降トレンドと判断できます。
さらに値動きに注目すると、「米ドル/円」は何度か長期GMMAの分厚い網を突破しようと試みますが、いずれも上昇を阻まれて下方向へ追い返されています。
図のA〜Dは為替レートが長期GMMAの突破に失敗し、反転下落した地点で、格好の戻り売りポイントになっています。エントリーのタイミングとしては、
・為替レートが長期GMMAの下側に跳ね返されたとき
・短期GMMAも越えて再下落したとき
・短期GMMAの6本の移動平均線の並びが15>12>10>8>5>3と、下降トレンドの並びに転換したとき
などになります。たとえ、図のA、C、Dの地点のように為替レートがいったん長期GMMAを突き破っても、長期線6本の幅が依然として分厚く、60>50>45>40>35>30という並びに変化がないことが確認できれば、安心して精度の高い戻り売り取引ができます。
このように長期GMMAでトレンドを判断し、為替レートがトレンド方向に回帰したところを押し目買い・戻り売りするという、“トレンドフォローの教科書”のような取引を行える、というか、トレンドフォローの取引以外は行えないのがGMMAの特徴です。
日本の個人投資家はどうしても逆張りが好きですが、そうした投資家の「逆張り矯正・順張り補強装置」として使える点がGMMAの魅力といえるでしょう。
むろん、そんなGMMAもトレンドレスな相場では、長・短GMMAの方向が横ばいになり、並びが不明瞭になって使いものにならない、という弱点があります。
図3—①は今年に入ってからの「ユーロ/米ドル」の週足チャートですが、こうした膠着したもみ合い相場、レンジ相場ではシグナルが発生しません。
ただし、時間軸をより短くすれば対処法はあります。
図3—②は図3—①と同じ期間の日足チャートですが、やや右肩上がり、ほぼ横ばいの長期GMMAを短期GMMAが越えたり割り込んだりしたA〜Eの地点での売買なら、レンジ相場ながら一方向への勢いが加速した瞬間に乗る取引が可能です。
Cの地点のようなダマシもありますが、短期GMMAの並びが反転して急速に拡大する瞬間を狙えば、小幅ですが、上下動の値幅から利益を得ることができます。
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ストキャスティクスや平均足と組み合わせて、GMMAの反応の遅さを克服する
トレンドフォローやトレンド転換を狙った取引に最適なGMMAですが、実際の値動きより反応が遅い移動平均線の束で作られているため、シグナル発生が遅いという弱点もあります。その弱点を補うためには、シグナル点灯が非常に早いオシレーター系指標との組み合わせが有効です。
図4は「英ポンド/円」の日足チャートにGMMAとオシレーター系指標のストキャスティクスを表示したものです。
ストキャスティクスは「現在のレートが過去の最高値と最安値の値幅の中のどこにあるか」を指標化したものです。
「その日の終値—過去n日間の最安値」÷「n日間の最高値—最安値」で計算された「%K」は動きが激しすぎるため、図4では%Kのm日平均である「%D」、さらにその移動平均の「%SD」を表示した「スローストキャスティクス」を使っています。
図4の「英ポンド/円」はAの地点で短期・長期GMMAがゴールデンクロスして上昇トレンドに転換しており、トレンド転換を狙った絶好の追随買いポイントになっています。
その近辺のストキャスティクスを見ると、下降トレンド特有のレンジ下限での貼り付き状態から、過去の高値を突破して、「買われ過ぎ圏」ともいわれる80近辺に急上昇しています。
ストキャスティクスのこの買いシグナルを使えば、長短GMMAのゴールデンクロスを待つことなく、為替レートの短期GMMA越えと短期GMMAの並びの逆転、ストキャスティクスの上昇という3つのシグナルで早めに買いで勝負することが可能でした。
その後、為替レートが長期GMMAの上を力強く上昇し、短期GMMAの幅が拡大している間はトレンド加速と判断してホールド。
その際、ストキャスティクスが80近辺に張り付いているのは強い上昇トレンド継続を示す、もう一つの判断材料として使えます。
やがて、「英ポンド/円」は為替レートが短期GMMAを割り込み、ストキャスティクスが高値圏の下限を割り込んで下落。2つが同時発生したBの地点は早めの利益確定に最適なポイントです。
ただ、長期GMMAを見ると、並びや幅の面でいまだ上昇トレンド健在と判断できます。Cの地点で為替レートが短期GMMAを飛び越え、ストキャスティクスが50以上に急反発したところで再び、早めに押し目買いする、という戦略も有効といえるでしょう。
GMMAの“主役”はあくまで長期GMMAですが、その長期GMMAで強いトレンドが確認できるときは、オシレーター系指標と短期GMMAのシグナルの組み合わせで、早め早めの取引が可能になるのです。
順張りにしか利用できないという意味でGMMAと似た平均足との組み合わせも非常に有効です。
図5は「米ドル/円」の1時間足チャートを平均足で表示して、GMMAとMACDを描画したものです。
メインの売買判断には平均足の陽転・陰転を使い、MACDとシグナルのクロスや0ライン越え・割れを補強材料にします。その後は長期GMMAの幅が拡大している間はホールド、というように「平均足・主、GMMA・従」といった使い方もできます。
図5のAの地点は平均足の陰転とともに為替レートが長期GMMAに跳ね返されて下降トレンドが加速しており、絶好の戻り売りポイントでした。
しばらくして、MACDが0ラインより下でシグナルとデッドクロスしているのも下降トレンド加速の補強材料になります。
売りエントリーした後は長期GMMAの幅の拡大で下降トレンドの強さを確かめつつ、ホールド。
短期GMMAの幅が狭まって、上向きに転じたあたりで利益確定すれば、かなり大きな下落幅を利益に変えることができました。
図5のBの地点では、陽転した平均足が、幅が狭くなってトレンドレス状態になった長期GMMAを軽々と突破。
MACDが0ライン越えしていることからも上昇の勢いが強いと判断でき、横ばい相場から上昇トレンドへの転換をいち早くとらえた買いを入れることができます。
その後、長期GMMAの並びが上昇トレンド仕様に転換して、幅の拡大が続いている間はホールドします。
そして、平均足の陰転とMACDとシグナルのデッドクロスの同時点灯(図5のCの地点)で利益確定すれば、こちらも上昇幅の多くを利益につなげることに成功できました。
むろん、図5のDの地点のように、平均足が陽転していったん長期GMMAを突き抜けたものの、失速してしまう、というダマシもありますが、平均足とGMMAの組み合わせは、究極のトレンドフォロー売買が可能な強力な組み合わせといっても過言ではないでしょう。
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