市場センチメントの四つの判断材要
市場では仮想通貨が良くも悪くも活況を呈し、直近では大幅に値を下げていますが、初頭からの大幅な上昇に「億り人」(投資によって1億円もの利益を得た方を指す言葉)が多数出現しているといわれています。
仮想通貨の変動率(ボラティリティ)は高く、1日の変動が20%を超えて上下することもよく見受けられます。為替相場の変動率と比較すると、2015年1月21日にスイス中銀がユーロスイスフランで無制限のスイスフラン売り介入を中止したことで、スイスフランが約20分間に25%程度暴騰したフラッシュ・クラッシュ時のような大変動が、日常茶飯事に発生している状態と考えても良いでしょう。
ちなみに、為替相場の変動率は通貨間によって異なりますが、2017年1年間(260日)の1日の平均変動幅pipsと前日終値からの変動率をパーセンテージで表すと、ドル円=89ポイント(0.8%)、ユーロドル=77ポイント(0.68%)、ポンドドル=102ポイント(0.79%)、豪ドル米ドル=59ポイント(0.77%)、米ドルカナダドル=89ポイント(0.68%)、ユーロ円=97ポイント(0.77%)、ポンド円=138ポイント(0.96%)、豪ドル円=74ポイント(0.86%)で、周知の通りポンド円の変動率が最も高いことは間違いありません(図①参照)。
取引所によって大きな違いがありますが、ZAIFの提供しているデータでは、ビットコイン円の2017年12月21日〜2018年1月21日の1日の変動幅と前日終値からの変動率をパーセンテージで表すと、ビットコイン円=19万1871円(13.39%)となっています(図②参照)。
FX取引はレバレッジをかけて取引をすることがほとんどで、仮にポンド円でレバレッジ14倍の取引をしたと仮定すると、0.96%×14倍=13.44%となり、ビットコイン円の13.39%とほぼ同率となります。つまり、変動率だけを例に取ると、期間は違いますがポンド円をレバレッジ14倍で取引することで、ビットコイン円のレバレッジ1倍での取引と同じ変動リスクが発生することになります。
米金利と米株は上昇もドル売り相場が続く
さて話は変わりますが、2018年の為替相場もひと月が過ぎようとしています。昨年12月からは米金利と米株の上昇や、原油高にもかかわらずドル売り傾向が続いていますが、その理由は何か?多くの市場参加者が思うことではないでしょうか。
米国の状況を見ると、昨年12月13日に期待通り米連邦公開市場委員会(FOMC)は0.25%の利上げを実施し、12月22日には米税制改革法が成立、2018年には米連邦準備制度理事会(FRB)による3度の追加利上げが期待されています。
1月17日にアップル社がリパトリ(本国への資金還流)税に絡む380億ドルの税支払いと、今後5年で米国内に300億ドルを投資する計画を発表しましたが、ドル買いが続くことはありませんでした。
ドル売り要因には他の主要国で独自の買い材料によるところも大きく影響していると思われ、ユーロドルとポンドドルがドル売りをリードし、ユーロドルは2014年12月の高値を更新中で、ポンドドルは2016年6月のブレグジット後の最高値を更新中です(チャート①参照)。
ユーロドルは1月11日の欧州中央銀行(ECB)議事録で「早い時期にガイダンスの段階的なシフトについて検討」との結果を受けて、ECBの早期利下げ期待に1.20の大台をクリアし続伸の原動力となっていました。しかし通貨当局者による「ユーロ高をけん制する動き」や「フォワードガイダンス変更せず」との発言に上昇力は鈍くなっています。とはいえドイツ大連立協議の合意や、ユーロ圏各国の成長と雇用の拡大が強まり、市場参加者の中ではECBが年内にも資産買い入れを中止するとの観測も強く、ユーロにとっては好材料となっています。
ポンドドルは、12月15日のEU首脳会議で、英国のEU離脱交渉について次の移行期間や通商段階へ進むことを承認したことで、ようやく次の段階へと進むことができてポンド買いの動きが強まっています。12月22日の第3四半期GDP確報値は、前年比1.7%と予想外に強い数字となり、フィナンシャル・タイムズ紙で「英国が環太平洋パートナーシップ協定(TPP)11に参加を検討」との報道もありました。1月16日の英消費者物価指数の前年比は3.0%と目標の2.0%を大幅に上回り主要国では最も高く、ポンド買い圧力が続いています。
豪ドル米ドルは中国経済との関連性が高いといわれていますが、不安視されている中国第4四半期GDPは前年比6.8%と予想より強く、ドイツが人民元を外貨準備に組み込むとの報道や資源価格の上昇もあり、0.80の大台を上回る水準まで上昇しテクニカル的にも上昇傾向が続きそうな動きとなっています。
※この記事は、FX攻略.com2018年4月号の記事を転載・再編集したものです
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