ギリシャ財務相からの提案
ギリシャ新政権誕生から1週間が過ぎ、予想以上に早いスピードで、ギリシャ債務に関する情報が飛び交っています。
英FT紙のインタビュー
ギリシャのファルファキス財務相は、週末日曜日にフランス、月曜日には英国・ロンドン、そして、火曜日にイタリアへ飛びました。フランス、イタリアでは、それぞれの財務相と会談し、今後のギリシャ債務問題に対して理解を求めるに終わったのですが、ロンドンではかなり大勢の人たちに逢い、インタビューにも応じるというタイト・スケジュールをこなしています。そのなかでもとくに、マーケットに衝撃を与えたのが、英FT紙とのインタビューでした。ここで、同財務は、ギリシャ債務に関する交換案を提示したのです。
債務交換案
総選挙に向けた選挙公約で、「ギリシャの既存債務の棒引き」を約束していたSYRIZA党。しかし、ファルファキス財務相がFT紙のインタビューで答えた内容には、債権者との対立解消を優先したのか、【踏み倒し/棒引き】の文字はありませんでした。その代わり、既存債務の扱い方に関して、交換案を発表しています。
1)名目経済成長率に連動する債券
過去4年に渡り金融支援を受けているギリシャ。欧州金融安定ファシリティ(EFSF)などから受け取った支援金のうち、未だに未払いとなっている負債に関して、名目国内総生産(GDP)連動債と交換する案を提示。
2)永久債
欧州中銀(ECB)が保有しているギリシャ国債を、永久債と交換する案を提示。
実際にFT紙の報道を読んでみたのですが、ギリシャ政府としては、ドイツが絶対に首を縦に振らない「債務再編、ヘアーカット」という言葉はいっさい使っていませんが、この案について、EFSFに出資しているユーロ加盟各国政府や、ECBが合意するのかに関しては、まだまだ予断を許しません。
火曜日のマーケット
FT紙がこのインタビューを一面報道した火曜日、既存債務の棒引きがなくなったと理解したマーケットは、ギリシャ株/国債、そしてユーロを大きく買い戻しました。
この日は特に、東京時間でオーストラリア準備銀行(RBA)が予想外の利下げに動き、ユーロ買い/AUD売りが大きく出ました。それに加え、週末のスイス現地紙に載っていた観測記事によると、【スイス中銀が「ユーロ/スイス」1.05〜1.10のコリドーを設定】するのではないか? という話しが出ています。
もしこれが本当であれば、今週に入ってからも断続的にスイス中銀はユーロ買い/スイス売りを仕掛けている訳で、ここでもユーロ買いの材料が出てきた訳です。火曜日のマーケットでは、1.1368を超えたところで大量の損切りがついたようで、「ユーロ/米ドル」は一気に1.15手前まで戻したのです。
ここからの注意点
水曜日に、ドイツ・フランクフルト入りするファルファキス財務相。そこでは、初日にドラギECB総裁、そして翌木曜日には、ショイブレ財務相と、それぞれ会談する予定です。
本来であれば、財務相同士の会談、とくに、相手がドイツですので、そちらが非常に気になるのですが、今回に限っていえば、私はドラギ総裁との会談により多くの注意を払うつもりです。その理由は、ギリシャが発表した「永久債との交換案」をECBが拒否する可能性があると、私は考えているからです。
この交換案をFT紙で読んだとき、真っ先に考えたことは、ECBが保有する加盟国の国債を交換するという行為じたい、法律上、可能であるのか? 財政ファイナンスとみなされないのか? ドラギ総裁をはじめとする加盟国代表の理事たちは、この案を受け入れるのか? でした。
永久債とは、その名の通り、満期がない債券です。つまり、発行体(=ギリシャ)は永久に利子を払い続ける義務が生じますが、それを買い戻す必要がない債券です。ECBは、加盟国がGDPの大きさによって払い込む出資金で成り立っている中央銀行です。もし、ECBが保有しているギリシャ国債が永遠に償還されない場合、出資しているユーロ加盟国の負担に繋がります。果たして、そのような案を、ドラギ総裁や加盟各国代表の理事たちが、首を縦に振るのでしょうか?
まとめ
水曜日のドラギ/ファルファキス会談で、永久債との交換案の答えがすぐに出るのか? それとも、即答せず、ECB理事会で話し合い、そこで結論を出すのか?
水曜日のドラギ総裁からの発言内容によっては、せっかく戻したユーロ相場が、大きく梯子を外される可能性もあります。それとはまったく逆に、ECBがこの交換案に前向きな姿勢を示した場合には、ユーロはさらに戻すことになるでしょう。もしその場合には、先週お伝えした1.16ミドルくらいまでの戻しを想定しています。万が一、1.1680も上抜けし、戻しに弾みがついた場合には、1.18台もあり得るかもしれません。
逆に、ドラギ総裁が交換案に対して、NOと即答した場合には、ユーロは火曜日の反動で、100ポイント程度の下落を余儀なくされることになりかねません。ここからの相場ですが、ギリシャ債務の取り扱い方が決定するまでは、かなりナーバスな乱高下を繰り返す可能性があります。くれぐれも損切りを徹底し、無理のない取引をしたいものです。
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