本誌OBで現在はFXライターとして活動している鹿内武蔵さんに、最近メインで研究しているという、グルグルトレインについて解説していただきました。なぜあえて短期的な視点でグルトレを動かすかも教えてもらいました。
取引口座の選択肢が広い
FXライターとして、いくつかのメディアで執筆の機会をいただきつつ、自分でもFXの運用を行っています。今のところ一番手応えを感じているのが、グルグルトレイン(グルトレ)の運用です。
グルトレは、川崎ドルえもんさんが開発したリピート系のシステムトレードです。FX会社固有の商品(トラリピ、ループ・イフダンなど)として提供されたわけではないので、どのFX口座でも実行できます。ただし、この場合は手動での入力になり設定と管理に時間がかかります。
また、既存のリピート系注文を利用したり、販売されている専用のグルトレEAを使う手もあります。私は今のところ、グルトレEAを使って運用することが多いです。
両建ての欠点をサポートで解消
グルトレは、アイデアのみがドルえもんさんの著書で公開されているので、カスタマイズは自由です。なので、ここでは著書の中で解説されていた、デフォルトの設定に基づいて話を進めていきます。
グルトレの構造は非常に複雑なので、解釈するのに少し手間取りました。要約すると、①両建てのリピート系である ②上昇か下降か、どちらかを当てる必要がある—となります。
まず①ですが、買いと売り、それぞれ10pips間隔で新規の注文を設置します。100pips(クロス円なら1円)の幅なら、買い10本、売り10本の新規注文が敷き詰められることになります。すごい密度ですよね。これらは+50pipsで利食いになるため、もみ合い相場が続くと買いでも売りでも利益確定が連続発生し、一気にお金が増えます。
ただし、損切りを前提としない両建てには重大な欠点があります。それは、トレンドが一方的に出ると、逆行している側のポジションが置き去りになり、全体の収益を悪化させることです。
例えば、買いと売りの両建てをしていて、上昇し続けたとすると、買いのポジションは利食いできますが、売りのポジションはずっと含み損のままです。このような、負けている逆サイドのポジションを救うための、グルトレならではの発想がサポートです。
サポートは、これから相場が動くと思う方向に設置し、そのまま放置します。上昇を予想していれば、買いのサポートを、下降の予想をしていれば、売りのサポートを建てます。サポートは、買いや売りの両建てと同じ取引枚数にするため、どちらかにトレンドが発生したとき、置き去りになってマイナスになる逆サイドの負けポジションの損失を、相殺することが目的です。
このサポートにより、両建ての欠点は解決されますが、その代わりに相場が上がるか、下がるかの予想が必要になるというわけです。予想が当たれば資産は明確に増えますし、外れれば損切りしないといけないケースが出てきます。
このことから、一般的なリピート系より瞬発力がある代わりに、トレンド判断がそれなりにシビアで、裁量要素が強いというのが、グルトレの位置付けといえるでしょう。上げ下げを狙うので、トラリピやループ・イフダンよりは、トレンドのスタートや終了で運用をいったん停止するケースも多くなります。
裁量トレード的な感覚で短期グルトレ
グルトレはその仕様上、かなりたくさんの証拠金を必要とします。買いと売りの両建てに加えてサポートも建てないといけないので、1000通貨取引で10円の逆行に耐えようと思ったら、200万円弱の資金は欲しいところ。
でも、これはまだFXで成功していない人にとっては、けっこうな大金です。
もともとグルトレは、今から上がる、下がる、あるいはこれ以上は上がらない、下がらないという、大まかなチャート分析を求められます。
それなら、チャート分析を頼りに仕掛ける範囲を狭い幅に限定することで必要資金を圧縮し、より裁量トレードに近い感覚で運用しようという短期グルトレに、私は現在取り組んでいます。
いくつかのロジックに基づいてチャートからトレンドを読み、グルトレEAの機能を使って、OCO注文的に利食いと損切りを設定して運用しています。
このように汎用性が高く、アイデア次第でいろいろな使い方が考えられるのがグルトレの魅力だと思っています。グルトレEAを使えば、こういったカスタマイズをMT4上で簡単に行えます。例えば、サポート注文を使わない、設置間隔を変更する、利食い値幅を変更する、買いと売りで取引枚数を変更するなど、可能性は広がります。
また、グルトレは大まかに上がるか下がるかさえ読めれば、開始や終了のタイミングが厳密でなくても利益が出ます。また、リピート系なので、もみ合いになるだけでお金が増えますので、上がりも下がりもしない展開でも儲かります。
やり方次第で、とても強力な武器になる予感がしているグルトレ。僕もまだまだ修行の身なので、よかったら、一緒に研究しませんか? ツイッターにて、ご意見などお待ちしております!
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グルトレとはどういう取引?
- 川崎ドルえもんさんが開発した、リピート系のシステムトレード
- FX会社の商品として開発されたわけではないので、どの口座でも手動で実行できるし、MT4のEAも販売されている
- 狭い範囲に両建てのイフダン注文を敷き詰める
- トレンドと逆行しているポジションの損失を、サポート注文で相殺する
- トレンドをある程度読む必要がある
- グルトレEAを使うと、売買終了を事前予約できたり、自由なカスタマイズを行うことができる
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短期的なグルトレを行う意味
- 損失が出ている状態で早めに撤退することにより、必要な資金を圧縮できる
- どちらにせよチャート分析は必須なので、裁量トレードに近い感覚で損切りをしっかり設定してエントリーする
- ここから上がるか、下がるかの予想さえ当たっていれば、大雑把な売買でも利益が出ることに期待する
※この記事は、FX攻略.com2019年12月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
「これからFXを始めよう」と思ったとき、意外と悩んでしまうのがFX会社、取引口座選びではないでしょうか? でも大丈夫。ご安心ください。先輩トレーダー達も最初は初心者。みんなが同じ悩みを通ってきているんです。
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取り上げているFX会社は、金融商品取引業の登録をしている国内FX業者です。口座開設は基本的に無料ですので、まずは気になったところで2〜3つ口座開設してみて、実際に比べてみてはいかがでしょうか。
\FX会社によって違うところをチェック/
スプレッド | FX取引における取引コスト。狭いほうが望ましい。 |
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約定力 | 狙った価格で注文が通りやすいかどうか。 |
スワップポイント | 高水準かどうか。高金利通貨の取り扱いの数。 |
取引単位 | 少額取引ができるかどうか。運用資金が少ないなら要チェック。 |
取引ツール | 提供されるPC・スマホ取引ツールの使いやすさ。MT4ができるかどうか。オリジナルの分析ツールの有無。 |
シストレ・自動売買 | 裁量取引とは別に自動売買のサービスがあるかどうか。 |
サポート体制 | サポート内容や対応可能時間の違いをチェック。 |
教育コンテンツ | 配信されるマーケット情報や投資家向けコンテンツの有無。 |
キャンペーン | 新規口座開設時や口座利用者向け各種キャンペーンの内容。 |