止まらないコロナバブル［井口喜雄］

トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。

止まらないコロナバブル

コロナバブルが続いています。あしもとトランプ大統領の発言で対中制裁関税を仕掛けることはなかったため、米中対立への警戒感も一旦は収まっています。さらに世界的な金融緩和で余った資金が株に流入し続けていることもこのリスクオンに拍車をかけており、為替も円が売られ、ドル円は108.84円まで上値を拡大させています。本日の仲値後に108円ミドルまで反落していますが、108円台で値固めすることが出来ればさらに上値を更新していく展開もありそうです。

デモも指標も関係ないマーケット

また、連日ヘッドラインを騒がせているように米白人警官による黒人暴行死事件に対する抗議デモは拡大していますが、コロナバブルのマーケットでは無反応です。さらに、今週末に米雇用統計を控え雇用者数は-800万人、失業率は19.6％と厳しい予想がされてはいますが、こちらも既に織り込まれており、大きな値動きにはならないと考えています。

短期ではついていくしかない状況

ドル円は押し目を拾っていくことになりそうです。テクニカル面でも節目の108円を明確にブレイクしているほか、参加者のショートが溜まってきていることで崩れにくい相場となっています。もちろん実体経済と株価の乖離が激しいマーケットであり、いつ急落が来ても対応できるよう準備をしておく必要はありますが、短期ではついていくしかない状況でしょう。

また、ブレグジット関連で値動きの出やすいポンドも注視しておきたい通貨です。英国はEU離脱の移行期間を延長するかどうかの瀬戸際にあり、昨日もEUとの交渉で英国が妥協したとの報道にポンドが上昇するなど本日も振れ幅は大きそうです。ネガティブでもポジティブでも反応は良さそうなのでヘッドラインに素直についていける準備はしておきます。

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