FXで利益を上げるために必要なことは、「トレンド(方向性)をとらえることである」。これは、投資セミナーやFXに関する書籍をご覧になった方であれば、一度は耳にされていることかと思います。
しかし、いざトレードを行ってみると、はっきりとしたトレンドが認識できず、エントリーを躊躇してしまう投資家さんはとても多いです。しかし、このトレンドがはっきりと認識できない局面だからこそ、現れるチャートパターンというのも複数存在します。
そのひとつが、「トライアングルフォーメーション(三角保ち合い)」です。トラアングルフォーメーションとは、投資家の多くが売りなのか買いなのかを決めかねている保ち合い局面において現れるチャートパターンのことを指します。
具体的には、価格が一定の値幅で留っている保ち合い局面において、高値同士を結んだトレンドラインと、安値同士を結んだトレンドラインの差が徐々に狭まり、この両トレンドラインの延長線が一点に収縮して、三角形のかたちをつくるのが大きな特徴です。そして、この保ち合い局面における三角形の形状は、市場参加者の心理状態によって微妙に形が異なります。今回は、そのなかでも重要度の高い3種類のパターンを取り上げたいと思います。
まず、上値が一定で、下値が徐々に切り上がるものを「アセンディングトライアングル」(上昇三角形型)。これは、上値は一定の水準を保ちながらも安値が切り上がる、つまり、買い勢力の高まりを示している強気型と認識されます。従って、後に上方ブレイクが期待されるパターンです。
その反対に、下値が一定で、上値が切り下がるものを「ディセンディングトライアングル」(下降三角形型)。こちらは、売り勢力の高まりを示唆していることから、弱気型と認識されます。そして、最後に上値が切り下がり、下値も同水準切り上がるものを「シンメトリカルトライアングル」(対称三角形型)と呼びます。これら、どのパターンにも共通していえることは、最終的にはどちらかのトレンドラインを突き抜け、突き抜けた方向にトレンドが形成されるということです。
さらに、トライアングルフォーメーションの優位な点を上げるならば、必ず2本のトレンドラインを延長した先に、交点が存在すること。すなわち、ブレイクするまでの時間帯があらかじめ想定できる点です。
もちろん、必ずしも交点付近でブレイクするとは限りませんが、交点付近まで保ち合いを続けている通貨ペアが見つけられればシメたもの。ブレイク後には、比較的短時間で利幅が狙えることでしょう。事例は9月3日の「EUR/JPY」チャートになります。ぜひ、注視してみてください(月刊FX攻略.com 2012年12月号掲載)。
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