先週は、ECBの金融緩和観測を手掛かりにユーロの下落余地を試す動きとなり、「ユーロ/ドル」は1.3586ドル、「ユーロ/円」も137.98円と2月以来の安値を示現した。
メルシュECB専務理事は「金利だけでなく様々な手段を組み合わせる可能性」と発言。今週木曜日のECB理事会では、マイナス金利や量的緩和など非伝統的政策を含む複数の金融緩和策がパッケージとして発表される可能性が高い。
では、今週もユーロに対して弱気スタンスを継続するべきだろうか?筆者の考えはノーだ。
ユーロが1.40ドルを目指す上昇局面から一転して下落に転じたのは、いうまでもなく前回5月8日のECB理事会がきっかけだ。
この日の会見でドラギ総裁は、次回会合での追加緩和を「違和感がない」とし、事実上「予告」した。しかし、それから一か月間、市場は追加緩和を先取りする形でユーロを売り続けてきた。
「Sell on rumor, buy on fact」(噂で買って事実で売る)の相場経験則に従うならば、追加緩和発表とともに材料出尽くしとなる可能性も想定せねばならない。
もちろん、追加緩和の内容次第であることは間違いない。しかし、ECBが下限金利の中銀預金金利を現在のゼロ%からマイナスに引き下げることは市場もある程度織り込み済みだ。
また、中銀預金金利がたとえマイナスとなっても、肝心の「超過準備」に対する付利がゼロのままであれば、金融市場への影響は限定的であり、市中金利はマイナスとならないだろう。
逆にいうとECBも、超過準備に対する付利や市中金利までマイナスになるほどの利下げに踏み切る勇気はないはずだ。マイナス金利といっても、あくまで「アナウンスメント効果」にとどまる可能性が高いのである。
量的緩和に関しても、ECBは自らのバランスシートを使って巨額の国債を買い入れることには消極的と見られる。ユーロ圏の国債は統合されていないため、国債購入は重債務国の財政に対する干渉になりかねないためだ。
日米のQEのようなバズーカ砲をぶっ放すとは考えにくく、せいぜい過去に行ったSMP(証券市場プログラム)の不胎化中止や、非常に限定的な資産購入でお茶を濁す程度ではないか。
ややうがった見方をすれば、ECBは前回会合の「緩和予告」によってユーロ全面高に歯止めをかけ、「ユーロ/米ドル」を1.35ドル台まで押し下げることに成功した。となれば、マイナス金利や資産買い入れなど副作用を伴う切り札は温存し、安全パイを切ってくる可能性も捨て切れない。
「材料出尽くし」「大山鳴動鼠一匹」となる可能性も考えると、これ以上ユーロショートを拡大するより、ECB理事会当日にかけて徐々にユーロショートを縮小していくのが賢明であろう。
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