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FX力を鍛える有名人コラム

110円突破に失敗し、目先は調整深まる[雨夜恒一郎]

先週の当コラムでは、米国雇用統計の改善で金利上昇と株高が同時進行する「いいとこ取り相場」が再開し、「米ドル/円」は110円を再び上抜けると予想した。

しかし、実際の「米ドル/円」相場は107円台半ばまで大幅に下落し、まったくの予想外の動きとなってしまった。雇用統計の上振れにもかかわらず、米国10年債利回りは2.2%台まで低下し、米国株も大幅に下落した。一体なぜこうなってしまったのか?

雇用統計のヘッドラインといえる非農業部門雇用者数と失業率は確かに予想以上に改善したが、詳細を見てみると、労働参加率が62.7%と1970年代以降最低を更新し、長期失業者の割合がなお3割を上回っているなど、質的な弱さが残っていることがわかる。

雇用が増えているものの、その多くが低賃金のパートタイマーであり、平均賃金はほとんど伸びていない。つまり金利市場は、雇用は表面上の数字ほど強くはなく、賃金インフレの懸念もないため、FRBは利上げを急ぐ必要がない、と受け取ったのだ。

この雇用統計の結果をもってしても金利が上がらないとなると、米国の金融正常化→金利上昇→ドル高というシナリオも危うくなってくる。

また、先月以来、米国の株式市場も変調をきたしており、NYダウは高値から4%あまり下落した。「金融相場」から「業績相場」へのバトンタッチに手間取っているうちに、ユーロ圏の景気失速懸念や中国の需要減少懸念が強まり、投資家心理は冷え込んでいる。株安連鎖でリスク選好が低下し、「ユーロ/円」が年初来安値に肉薄するなどクロスでも円が全面高となっている。

「米ドル/円」が110円を再び突破し115円を目指す展開となるためには、ドル高と円安の歯車がガッチリ噛み合うことが不可欠。そのためには米国金利の適度の上昇と株高が「いいとこ取り」をしながら共存する必要があるが、現在の状況はその逆だ。当面は金利と株価が折り合いをつけられる水準まで下落し、その間ドル円も調整局面となる可能性が高い。

日米の金融政策が逆方向という構図が崩れない限り、中長期的にはドル高・円安が続くと見ているが、保合いを放れてから110円までの上昇が急だっただけに、このあたりで中規模の調整が入ってもなんら不思議はない。上昇が再開するには新たな燃料投下が必要であり、その前に105-106円台へ下落する展開も想定しておくべきかもしれない。

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