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FX力を鍛える有名人コラム

米国の利上げ観測後退をどう考えるか?[雨夜恒一郎]

米国雇用統計の結果は堅調だったが…

先週金曜日に発表された米国3月の雇用統計は、失業率こそ5.0%と前回の4.9%から0.1%上昇したものの、非農業部門雇用者数が+21.5万人(予想+20.5万人)、平均時給が前月比+0.3%(予想+0.2%)と堅調な結果となった。しかし市場では、利上げを早めるほどの強さではないとの見方が多く、ドル買いの反応は限定的。結局米ドル/円は111円台半ばと発表前より下落し、週の安値圏で取引を終えた。

FF金利先物が織り込む利上げ期待値は、6月で25%、12月で65%程度となっている。金融市場の参加者は、4月はもちろん、6月も利上げが見送られる可能性が高く、年内一度も利上げがない確率も35%程度あると見ていることになる。3月FOMCでのドットチャート(メンバーの金利予想を点でプロットしたチャート)を見ると、メンバーの予想中心は年内2回の利上げ(年末で0.875%)となっているから、市場の金利観はかなり下振れしていると言える。

この金利観の下振れのきっかけとなったのは、ほかならぬイエレンFRB議長の発言であった。議長は3月29日の講演で、追加利上げに慎重な姿勢を示したばかりか、「金利をゼロ付近にすることも含め対応可能」「金利がゼロ付近でも追加緩和の手段はある」と述べ、「利下げ」(利上げではない)やQE復活の可能性まで示唆したのである。景気について幾分明るめの評価を期待していた市場は当然驚いた。

これまで以上にドルの上値は重くなった

最近のFOMC声明やイエレン議長の発言を丹念に読み込むと、FRBが気にしているのは今や国内ではなく海外要因、つまり海外の経済成長が想定以上に弱いことに起因するリスクであることがわかる。米国の労働市場がすでに完全雇用状態にあり、景気は堅調に推移していることは明らかだが、インフレが加速する兆候は見られず、FRBは利上げを急ぐ必要がない。

日欧の景気はマイナス金利政策にもかかわらず失速気味だし、中国をはじめ新興国の景気も立ち上がってこない。かかる状況に於いて、FOMCが6月会合でも利上げを見送り、ドットチャートをさらに下方シフトさせる可能性は小さくないのである。これまでと比べて、ドルの上値は一段と重くなったと考えるのが妥当だろう。

米ドル/円 現状水準は買い妙味

ただし米国が利上げ姿勢を後退させ、日米欧が金融スタンスで足並みをそろえたことは、投資家心理を安心させ、資産市場にとってはプラス材料だ。日本には財政刺激策や消費増税先送りの期待が高まるだろう。金利観の下振れで確かにドルは弱いが、株式市場が上昇しリスク選好が高まれば、米ドル/円の下値もおのずと限られるはずだ。年初来3回ボトムをつけている110円台~111円近辺はサポートされる可能性が高く、現状水準は買い妙味があると考える。

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