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FX力を鍛える有名人コラム

黒田バズーカ砲の評価[松崎美子]

先週私たちは、2つの大きなできごとに遭遇しました。ひとつは、米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催され、予定通りに量的緩和策第3弾(QE3)を終了したことです。そのときに公開された声明文のなかでは、フォワードガイダンス内容の文言をそのまま据え置くことにより、≪株価に対する優しい配慮≫を、そして、雇用に対する文言を強化することにより、≪強いドルをサポートすること≫に成功しています。

そして、そのわずか35時間後に日銀・黒田総裁が、追加緩和策の発表という予想外の行動に打ってでたのです。

緩和政策からの出口戦略を鮮明にしたアメリカ、それに対して、異例なタイミングでさらなる緩和策の導入に踏み切った日本。タイミングがタイミングだっただけに、マーケットではドル買い/円売りが炸裂し、日経平均株価も週明け4日には、7年ぶりに1万7000円台を回復しました。

GPIFの投資配分変更と抱き合わせでの発表

米国のQE終了決定から35時間後に発表というタイミングにも驚きましたが、それ以上に「絶妙だな!」と感じたのは、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の年金資金運用配分変更のニュースと抱き合わせで発表されたため、円安・株高の効果が倍増されたことです。発表のタイミングを考えると、米国とも密接に調整をはかり、『QE終了のサインを待つ⇒効果を増大するために、GPIFからの発表にあわせる』などの工夫がされたと、私は考えています。

海外での評価

ポジティブな評価

・黒田プット

マーケット、とくに「米ドル/円」と日経平均株価に与えるインパクトを最大限に生かすために、発表のタイミングを正確につかんだ点

・GPIFの運用配分変更内容との関係

GPIFの国内債券運用配分が、一気に35%まで減少するようですが、日銀がそれを上回る額のマネタリーベースの増加に動いたため、日本の長期金利高騰が避けられた。同時に、GPIFの外物投資や国内株投資配分の増加に伴い、強烈な円安と株価上昇が平行して起きた点

・安倍/黒田のドラギ化

ドラギECB総裁は「ユーロを守るためなら、何でもやる!」と発言したことで有名であるが、日本の政府と日銀の連携プレーを見る限り、「消費増税を予定通りに上げるためなら、なんでもやる!」と宣言したにも等しい

・110円を超える円安に対して、GOサイン

今回の発表内容を見る限り、日本政府そして日銀は、110円台を超える円安レベルに対して、まったく警戒していないことがわかった点

ネガティブな評価

・日銀のバランスシート残高

今回の発表で非常に気になったのが、2015年末時点の日銀バランスシート残高のターゲットに言及しなかった点。これが増えすぎるようであれば、投資家が日本に投資することに、二の足を踏むことにもなりかねない。

・追加緩和決定の投票配分

日銀金融政策理事会では、5対4という僅差での賛成となった点。

・財政ファイナンスの是非

政府の発行した国債をほぼ全額、中央銀行が買い取ることに対するモラルハザード

・日銀の独立性

安倍内閣の構造改革と規制緩和に重点を置いた「第3の矢」の実行が遅れているが、政府は日銀の独立性を無視(?)して、金融面から政策運営をスムーズに運ばせる手伝いをさせていると考えられる点

・危険な通貨戦争のはじまり?

WSJ紙の社説の一部ですが、今回の日銀の動きを受け警鐘を鳴らしています。

A currency war looms – not a 1930s-style scorched-earth conflict, but a damaging stealth war that will exacerbate the global economy’s woes and distort domestic political agendas…

 

通貨戦争の恐れが出てきた。今回は1930年代に英国が通貨切り下げ宣言をしたことから始まった通貨安戦争とは違い、ひっそりと静かに始まるようだ。そして、この戦争は、世界経済の苦悩を悪化させ、政治的公約の達成や遂行をゆがめることになるかもしれない。

私(松崎美子)の意見

英国在住ということもあり、実際に日本でどんなことが起きているのかを想像する以外できませんが、今回の発表のタイミングとGPIFとの抱き合わせという部分が非常に気になりました。

GPIFが国内債の保有を減らす ⇒ 日銀のマネタリゼーションの増加で補う。世界的長期金利高騰が避けられる。
GPIFが外物債券の保有を増やす ⇒ FOMCでQE終了が決定されたが、GPIFが米国債の購入を増やしてくれるなら、米長期金利が不必要に上昇することもなく、米国にとっても安心材料。
GPIFが外物株式の保有を増やす ⇒ バブル状態とも言われている米国株式であるが、GPIFが米国株の購入を増やしてくれるなら、株の急落が避けられて、米国にとっても安心材料。

上記3点は、今回の日銀/GPIF決定に関して、アメリカ政府は支持しているという証明と考えています。それ以外で気になっている部分としては、

財政ファイナンスの弊害 ⇒ 日銀が青天井で国の借金を買い続けた場合、信頼を失い、格付けの引き下げや長期金利上昇という悪い側面が、いつか必ず日本を襲うだろうという心配。
インフレ2%達成期間 ⇒ 今までは「2年間」という期限がついていたが、今回はオープンエンドとなっている。それが達成されるまで、延々と日銀は財政ファイナンスを継続できるのか?
円安の速度 ⇒ 円安の良し悪しではなく、スピードが早すぎて、日本の企業の対応が後手に廻ってしまった場合、企業収益を逼迫することにもなりかねない。
日銀のバランスシート額 ⇒ 報道を読む限り、米FRBのバランスシート残高がGDP比25%に達した時点で、QE策の終了を決定したようです。それに対し、日銀のバランスシート残高はすでにGDP比70%まで増大しており、今後どのくらいの規模でさらに増大するか想像がつかない。
円安と貿易収支 ⇒ 円安がここまで進んでいるにもかかわらず、貿易収支は赤字額が増大している。

まとめ

まだまだ感じていることはありますが、長くなりますので、この辺でマーケット見通しを書いてみたいと思います。

米国のQE終了+日本の追加緩和ということ、そして、今回の発表は、かなり周到に計画し、国の存亡を賭けて勝負に出たと私は理解しています。その意味では、【失敗が許されない計画】なのです。たぶん、10年20年という長い目でみれば、日本の財政は破綻に近い状態まで悪化するイメージでおりますが、今後、少なくとも1〜2年はインフレ目標達成に邁進し、ドル高/円安トレンドが継続すると考えています。

問題は、米株式市場の大きな調整が、どのタイミングで入るのか? もしその調整が浅いもので終われば、「米ドル/円」は来年末にでも120円方向へ、調整が深くなってしまうと、110〜115円の期間が意外と長続きするのかもしれません。私は慎重すぎるのか、日本で起きていることに鈍感なのかわかりませんが、いざレールが外れるまでは、目をつむって110〜112円台の間で、「米ドル/円」を買うことに徹しようと思います。たぶん、飛び降りなければいけない恐怖を感じるまでには、数年かかるかもしれません。

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