先週金曜日に発表された米国7月の雇用統計は、非農業部門雇用者数(NFP)が+25.5万人と予想の+18.0万人を大幅に上回り、5月・6月分も合計1.8万人上方修正された。また平均時給は前月比+0.3%(予想+0.2%)、前年比+2.6%(予想+2.6%)と堅調な伸びを示した。
この結果を受けて米国長短金利は上昇し、ドルは全般的に買われる展開となった。米ドル/円は一時102.06円まで上昇し、100円台割れのリスクはひとまず遠のいた。
しかしこれだけ強い数字が出たにもかかわらず、米ドル/円の上昇幅は1円未満であり、むしろ上値の重さが印象付けられたともいえる。FF金利先物が織り込む9月の利上げ確率は(前日の12%からは上昇したとはいえ)18%にとどまっている。市場は、今回の結果だけで9月FOMCでの利上げが正当化できるとは考えていないことがわかる。
NFPは2か月連続で好悪の分岐点とされる20万人を上回ったが、ブレが大きかった過去3か月の平均でみると19万人に過ぎず、雇用増が加速しているとは言い難い。
一方、イエレンFRB議長が気にしている労働参加率、長期失業者の割合、不完全雇用率U-6といった指標はこのところ横ばいであり、質的なスラックは今なお解消されていない。賃金の伸びは緩やかで足元のインフレリスクは高まっておらず、FRBは利上げを急ぐ必要がない。
11月には大統領選挙を控えていることもあり、12月まで判断を先送りすると市場は読んでいるのだ。ちなみにFF金利先物が織り込む12月会合での利上げ確率はほぼ五分五分。市場は、年内一度も利上げがない可能性も依然として小さくないと見ているのである。
下の図はFOMCメンバーのタカ派・ハト派分布だが、タカ派筆頭だったブラード・セントルイス連銀総裁が最近になって中間派に宗旨替えしたため、タカ派の投票メンバーはジョージ・カンザスシティー連銀総裁ただ一人となってしまった。さらに来年はそのジョージ氏も投票メンバーから外れるため、メンバーからタカ派が一人もいなくなるという「珍事」が起きる公算が大きい。利上げ時期が一段と先送りされる可能性が高くなる。
となると、今回の雇用統計の結果を受けたドル買いの持続力もおのずと限定されてくるのではないか。逆張りが得意な個人投資家のポジションは現在大きくドル買い・円売りに傾いているが、上値が重いと見たミセスワタナベたちがお盆休み前に見切り売りに動けば、薄商いのなかで100円割れを試す可能性も出てくるだろう。今週も引き続き戻り売りスタンスで臨みたい。
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