楽天MT4新規口座開設
FX力を鍛える有名人コラム

膠着相場の先を考える[雨夜恒一郎]

FX攻略.com ズバリ!今週の為替相場動向 2020年5月25日号

先週のドル円相場は

狭いレンジ内ながらも底堅い動きが続き、19日には一時108.09円まで上昇。トランプ大統領が強いドルを支持する発言をしたことや、日銀が臨時の会合を22日に開催すると発表したことを受けて、ドル買い・円売りが優勢となった。しかし米中の対立激化を懸念したリスク回避の動きもあり、上値は抑えられた。その後、日銀の臨時金融政策決定会合が、中小企業に対する新たな資金繰り支援制度の導入を決定したものの、予想通りでサプライズがなかったことから107.32円まで押し戻された。

今週も膠着状態が続く見通しだが

ドル円は4月半ば以来1か月以上も106-108円のレンジ内での膠着相場が続いている。10円以上の乱高下となった2月~3月の反動もあろうが、新型コロナウイルスがいつ終息するのか、また終息後の新常態はどのようなものか、市場も予想がつかないということなのだろう。

今週は本日が米国の祝日(メモリアルデー)であることもあり、動意が乏しい時間帯となりそうだ。相場を左右しそうな重要イベントもなく、107円台中心のレンジ取引が続くと見るのが妥当だろう。

ただし、相場がいつまでも一定水準で安定することはありえず、いずれは上下どちらかへ動き始める。筆者は、次の動きは下、つまりドル安・円高方向となる可能性が高いと考えている。

厳しい雇用情勢と景気後退

先週発表された米国の新規失業保険申請件数は244万件と前週の269万件から減少したものの、経済活動が停止して2か月が経過してもなお失業者が増え続けていることを示している。失業保険の継続受給者数は2510万人と過去最多となった。

これに加えて、自営業者やフリーランスなど失業保険の対象ではない者に適用される「パンデミック失業支援プログラム」(PUA)の継続受給者数は612万人。コロナ禍で職を失った人は3000万人を超えているのである。来週発表される5月の雇用統計では、失業率が20~25%に達し、非農業部門雇用者数も数百万~1千万人の減少となる公算が大きい。

新規失業保険申請件数(上)と継続受給者数(下) 出所:Bloomberg

新規失業保険申請件数(上)と継続受給者数(下) 出所:Bloomberg

アトランタ連銀のGDPナウによると、第2四半期のGDP予想は19日時点で前期比年率マイナス41.9%と大幅な悪化となっている。民間の予想レンジもそのあとを追うように下方修正が続いている。米国民がかつて経験したことがないほど深刻な景気後退が待ち受けていることは間違いない。

くすぶるマイナス金利予想

先週行われたパウエルFRB議長の議会証言は、「経済を支えるために政策ツールを最大限活用する」、財政政策と金融政策は「ともに追加策が必要になるだろう」などと述べるにとどまり、マイナス金利については言及しなかった。

しかしFF金利先物のテーブルを見ると、一時より後退したとはいえ、依然として来年のマイナス金利を織り込んでいることがわかる。英中銀がマイナス金利を導入するとの観測が高まっていることもあり、FRBもいずれ検討せざるを得なくなるとの見方がくすぶっているのだ。

FF金利先物 出所:CME

FF金利先物 出所:CME

米国債の利回りは2年で0.17%、5年で0.33%といったところだが、英国債の利回りがすでに6年までマイナスになっていることを考えると、米国の金利低下余地は大きいと見ることもできる。

厳しい雇用情勢と景気後退、そして今後の金利低下余地やマイナス金利の可能性まで考えると、少なくともドルが持続的に上昇するシナリオは描きづらい。コロナウイルスの責任論や香港問題で米中摩擦が激化すれば、株安・円高の流れが再開する可能性もある。当面はレンジを意識しながらも、戻り売りスタンスで臨むべきと考える。

ABOUT ME
FX攻略.com編集部
日本で唯一の月刊FX情報誌『月刊FX攻略.com』を2008年から10年以上発行してきた編集部です。
トレイダーズ証券 みんなのFX
あなたに最適なFX会社・取引口座を見つけよう!!
【FX会社比較】10年以上FX専門誌を発行してきたFX攻略.com編集部が調査しました

「これからFXを始めよう」と思ったとき、意外と悩んでしまうのがFX会社、取引口座選びではないでしょうか? でも大丈夫。ご安心ください。先輩トレーダー達も最初は初心者。みんなが同じ悩みを通ってきているんです。

10年以上にわたってFX月刊誌を出版してきた老舗FXメディア「FX攻略.com」編集部が、FX用語を知らない人でもわかるようにFX会社、取引口座のポイントを解説しました!

取り上げているFX会社は、金融商品取引業の登録をしている国内FX業者です。口座開設は基本的に無料ですので、まずは気になったところで2〜3つ口座開設してみて、実際に比べてみてはいかがでしょうか

\FX会社によって違うところをチェック/

スプレッドFX取引における取引コスト。狭いほうが望ましい。
約定力狙った価格で注文が通りやすいかどうか。
スワップポイント高水準かどうか。高金利通貨の取り扱いの数。
取引単位少額取引ができるかどうか。運用資金が少ないなら要チェック。
取引ツール提供されるPC・スマホ取引ツールの使いやすさ。MT4ができるかどうか。オリジナルの分析ツールの有無。
シストレ・自動売買裁量取引とは別に自動売買のサービスがあるかどうか。
サポート体制サポート内容や対応可能時間の違いをチェック。
教育コンテンツ配信されるマーケット情報や投資家向けコンテンツの有無。
キャンペーン新規口座開設時や口座利用者向け各種キャンペーンの内容。

FX会社を比較・検討
したい方はこちら >>
FX会社を一社ごとに
見たい方はこちら >>

あわせて読みたい