先週行われた米国大統領選挙では、大方の予想通り現職のオバマ大統領が共和党のロムニー候補を破り再選を決めた。
為替市場では、安堵感から「ドル/円」が一時80.40円付近まで上昇するなどリスク選好型の円売りが先行したが、NYダウが二日間で400ドル超下落し、13000ドルを割り込むと、リスク回避ムードが広がり、79円台前半まで急反落した。
米国株が下落したのは、ねじれ議会(民主党が上院、共和党が下院のそれぞれ多数派を占める状態)が解消されなかったことで、「財政の崖」への対応が難航するとの懸念が広がったためだ。 財政の崖とは、2012年末から2013年にかけてブッシュ減税の失効や連邦予算の強制削減措置の開始などで最大6000億ドルあまりの財政緊縮が行われることを指す。
もし、このまま何も手が打たれず、米国経済が財政の崖を転落すると、GDPが2.9%押し下げられ、来年はマイナス成長に転落すると予想されている。もし、これが現実となれば、金融危機からようやく立ち直りかけた米国および世界経済は、再び奈落の底に突き落とされるだろう。
しかし、考えてみると、米国が財政の崖に直面するのは以前からわかっていたことであり、最近急に現れたショック材料というわけではない。実際NYダウは先月までは堅調で、一時は13600ドル台と2007年以来の高値をつけていた。市場が本気で財政の崖を怖がっていたのなら、このような動きは説明がつかない。財政の崖が始まる年末まで残り1か月半しかないが、オバマ政権がこのまま何も手を打たないはずはない。
民主・共和両党とも、財政の崖を回避するという方向性では一致しており、すでに共和党のベイナー下院議長ら議会指導者も大統領に協力する姿勢を示している。年末までに大統領が何らかの折衷案で議会と合意する可能性は小さくない。
また、金融緩和に反対するロムニー氏が落選したことで、FRBも安心して金融緩和を継続できる。FOMCメンバーからは、年末で終了予定のツイストオペの代替として、長期国債の買い切りによる追加量的緩和(QE3.5?)を実施すべきとの声も上がっている。さらに、米国経済はすでに金融危機から脱しつつあり、企業や家計のバランスシートは修復され、過去数カ月は労働市場も著しい回復を示している。
今後は政府支出がなくても、米国経済がある程度自律的に回復していく可能性も小さくない。経済は生きものだ。減税がなくなったからといって、その分がそっくりマイナスに寄与するわけではない。
となると、財政の崖を懸念した今回の株安・円高の動きは過剰反応であり、一過性となる可能性が浮かんでくる。日本の9月の経常収支が初の赤字を記録するなど、新たな円安材料も浮上してきた。今回の下落で適度なポジション調整が行われ、「ドル/円」は今週から再度下値を切り上げていくと予想する。
日足が転換線でサポートされ再度上昇気流に乗るか。RSIは一時の73から51まで低下し、買われ過ぎが解消されたことを示している。
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