FX力を鍛える有名人コラム

私のマネーリテラシー[不動修太郎]

日本人は欧米人と比べ、あまり投資活動に積極的ではありません。一方で老後問題や賃金格差など、自らの力で資産を増やすことが求められる時代がきています。今回は不動修太郎さんに日本のマネーリテラシーの現状を教えていただきます。

私の子ども時代のマネーリテラシー

 私が子どもだった昭和50年代までは、インフレで物の値段と平均賃金が上がり続けていました。また、土地など不動産の価格が急上昇しており、多くの人たちは家かマンションを手に入れるための頭金をためようとしていました。そのため、当時は貯蓄が美徳とされ、金利が高かった背景もあり、政府やマスコミが貯蓄を勧めていました。

 私は義務教育と高校の社会科の授業で、物々交換から貨幣の発生した歴史、東インド会社や株式会社が誕生した経緯、合資会社といった会社の種類など、マクロ経済の基礎について教わりました。その一方、ローンの組み方や投資など個人にとって大切な実践的、具体的な知識はほとんど知る機会がありませんでした。恐らく大多数の日本の子どもたちは同様の状況であったと思います。

マネーリテラシーとは

 さて、昭和27年に貯蓄増強中央委員会という組織が発足し、昭和63年に貯蓄広報中央委員会となり、平成13年に「金融広報中央委員会」に改組されました。その委員会が発行している「金融リテラシー調査(2019年)」*という資料の冒頭に「金融リテラシー(お金の知識・判断力)」と記されています。マネーリテラシーは投資、運用だけではなく、家計管理、生活設計など幅広い内容を含みます。

* 金融広報中央委員会 金融リテラシー調査2019年調査結果

 金融リテラシー調査(2019年)は、今年の3月に全国の18歳から79歳の2万5000人の個人を対象に調査した結果を7月に発表した資料です。その中にリテラシーに関する共通問題6問に対する正答率は、米国に比べ日本の方が6%ポイント低かったと書かれています。また、英国、ドイツ、フランスと比べても、日本のリテラシーに関する共通問題の正答率は低かったとのことです。

 調査資料を見ると、マネーリテラシー教育を「行うべき」との意見は調査対象者の67.2%となっており、過半数の日本人がその必要性を意識しています。とはいえ、実際にマネーリテラシーの教育を受けたことがあると回答した人の割合はわずか8.5%と発表されています。

日本の調査結果が他国より低い理由とは

 最近まで、日本では人前でお金について話すのは恥ずかしい、避けるべきという風潮がありました。親しい間柄か必要性がなければ、収入や貯蓄額を話し合うケースは少ないと思います。

 私は仕事の都合で東南アジアのある国に数年間赴任していましたが、その国ではお金の話題がタブーではなく、新入社員同士が給与明細を見せ合っていました。日本と違って偽札が横行しており、現金を持ち歩くと盗難に遭ってしまう恐れがあるので、日常生活の支払い手段として小切手やクレジットカードが普及し、キャッシュレス化が進む国は多いです。そういう国では、クレジットカードの作り方、使い方などを学校で教えるケースがあります。それに対して、日本では現金で支払えない場面は少ないため、これまではキャッシュレスに魅力、必要性を感じなかった人が多かったのでしょう。

1970年以降の日経平均株価

 ここでチャート①を見てください。1970年以降の日経平均株価です。私は、2008年ごろからFXを始めましたが、その当時はFX投資家の多くは株式投資の経験がありました。チャート①から分かるように株価が最高値をつけた後にバブルが崩壊し、株価が下がっている期間が長いですね。長い期間にわたって株価が低迷したため、日本の多くの個人投資家は投資資金を減らしてしまったと思われます。

 また、株式投資はしていなくても周囲に株式投資で損をした人が多く、そういう情報を耳にして投資への熱意を失う人が増えてしまったのではないでしょうか?

ニューヨークダウの平均株価

 次に、チャート②を見てください。こちらはニューヨークダウの平均株価です。世界金融危機で大きく株価を下げている時期がありますが、日本のバブル崩壊後の株価低迷と比べると短期間で株価が回復しています。米国では長期的には株価が上昇している期間が長いので、個人で多くの銘柄を購入し、10年、20年と持ち続ければ、資産が大きく増える可能性が高いです。したがって、ある程度の収入がある米国人は貯金をするだけではなく、株式などに投資をして資産を増やし、その結果としてマネーリテラシーが高くなる傾向が強いのではないでしょうか?

FXで利益を得るには

 日本人のマネーリテラシーは先進諸国に比べると高くないといわれますが、それは歴史的、社会的な理由が大きいと思われます。この記事を読んでくださっている方々は『FX攻略.com』を購入するだけではなく、FXの情報を得るためにさまざまな努力をしているでしょう。

 そのように自らマネーリテラシーを学ぶ人は日本全体からするとまだまだ少数派のようですが、日本の平均的なマネーリテラシーを気に掛ける必要はありません。マネーリテラシーの情報は、書籍、インターネットで世界中から入手できます。じっくり学習と投資の実践を続ければ、海外の投資家と同じか、それ以上のマネーリテラシーを身に付けることは可能です。

※この記事は、FX攻略.com2020年2月号の記事を再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。

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日本で唯一の月刊FX情報誌『月刊FX攻略.com』を2008年から10年以上発行してきた編集部です。
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