楽天MT4新規口座開設
FX力を鍛える有名人コラム

順張りトレードと逆張りトレード[為替鬼]

アメリカの伝説的トレーダーであるリチャード・デニスをご存じでしょうか。彼は投資家集団タートルズを結成し、わずか400ドルを数十億ドルにしたことでも有名です。その主な投資手法は「順張り」で、トレードで得た利益の9割は、全体のわずか5%のトレードで得たとも言われています。つまり、まれに発生する大きなトレンドに乗り続けて利益を上げるという手法です。

FX個人投資家にも「順張り派」が少なくない印象がありますが、はたして、われわれでも順張りで稼ぐことは可能なのでしょうか。今回の記事では、2つの代表的なトレード戦術である「順張りトレード」と「逆張りトレード」について、私見を述べさせて頂きます。

※この記事は、FX攻略.com2013年2月号の記事を転載・再編集したものです

順張り派と逆張り派

テクニカル分析に基づくトレード手法は、大きく2つに分類することができます。すなわち、「順張り(トレンドフォロー)」と、「逆張り(カウンタートレンド)」です。ポジションを建てるときに、それまでの値動きの方向に沿ってエントリーすることを順張り、それまでの値動きの方向に逆らってエントリーすることを逆張りと呼びます。

私は今までに、セミナーで数千名の個人投資家とお会いしてきましたが、逆張りで大損した経験があるという方が、驚くほど多いことに気がつきました。読者の皆さんのなかにも、「そろそろ天井(または底)だろう」という値頃感で、逆張りでポジションを構築し、痛い目を見た方もいるのではないでしょうか。確かに、逆張り手法については、あまり良い評判は聞こえてきません。逆張りは「落ちるナイフをつかむ(ほどに難しい)」とか、「コツコツ(と利益を積み重ねて)ドカン(と大負けする)」などと、悪いイメージで表現されることが多いのも事実です。

個人投資家の間では、逆張りは邪道で、順張りが王道だという考え方が主流のようですが、順張りと逆張りのどちらが良いのでしょうか。

順張りのメリットとは

順張りロジックの大前提は、一度発生したトレンドは、一定期間継続するという考えです。順張りのエントリー方法はいくつかありますが、以下の2つのやり方が基本です。

そのひとつは、抵抗線や支持線を割り込んだ際に、抜けた方向にエントリーする「ブレイクアウト狙い」です。もうひとつが、トレンドラインや各種テクニカル・インディケータを使って判断する、「押し目買い」や「戻り売り」と呼ばれるものです。

どのような方法であっても、順張り手法の肝は、トレンドの発生と終焉を見極めることで、これさえできれば高確率で勝つことができます。実際、FX業者のチャートソフトには、トレンドの発生と終焉を察知するのに役立つ、さまざまなテクニカル・インディケータが実装されており、これらを活用することで、順張り手法で大きく儲けられそうな気がしてきます。

順張りは本能に逆らう

しかし、トレンドを察知して、それに乗るという行為は、口でいうほど簡単なことではありません。事後的にチャートを見ると、いたるところでトレンドが発生しているように見えるので、チャートを使った「つもり売買」ならば、たとえば、ここで買って、ここで決済すれば儲かるという局面が、一見たくさんあるようにも思えます。

しかし、実際の相場の世界では、レンジ相場が7割、トレンド相場が3割といわれるほど、レンジ相場のほうが多いことが知られており、わかりやすい大きなトレンドが発生することは、まれといっても過言ではありません。また、仮に大きなトレンドの発生をいち早く察知し、トレンドに上手く乗っかることができても、トレンドが終焉するまでずっと乗り続けることは至難の業です。ふつうのメンタルの持ち主では、含み益を確定したい誘惑に負けて、大きなトレンドの最初のほうで利食いを入れてしまうのではないでしょうか。

加えて、順張り手法は勝率が高くないのが宿命なので、負けトレードが数回連続することは頻繁に起こります。連敗につぐ連敗の後でも、その順張りルールを守り続けることができるでしょうか。つまり、順張り手法は、人間の本来もっている特質に反する要素をもっており、成功させるためには、強靭な自制心と潤沢な投資資金が必要だといわざるを得ません。

今の相場で機能するのは

読者の皆さんもよくご存じのように、ここ最近の為替相場では、いつ何が起きるか、まったく予想ができません。ここ数年だけを見ても、欧州の経済危機や日銀の為替介入、アメリカ国債の格下げ、大地震、ハリケーン、テロ、地域紛争など、事前に予想が難しいことが次々と起こります。このような不確定要素が多く、不安定要因に事欠かない今の為替市場では、長期に渡ってポジションを保有することは、リスクが高いギャンブルに他なりません。

つまり、自分の資金を為替相場に投じている時間を、リスクと認識する必要があるのです。したがって、大きなトレンドに乗って1回で大きく稼ぐ順張り手法よりも、短時間で小さな利益を積み重ねる逆張り手法に、利があるのではないでしょうか。また、トレード以外の本業がある方にとって、トレードに費やせる時間はそれほど多くないはずです。その意味からも、決して勝率が高いとはいえないトレンドフォローで、1回で大きな利益を狙うトレードは、かなり実現困難な手法かもしれません。

\GogoJungleで売れ筋投資商品を探そう!/

逆張りで負ける原因とは

皆さんのなかで、逆張りで大負けの経験がある方は、その原因が何だったか覚えていますか。私が自分の負けトレードを分析したり、お会いした個人投資家のお話から判断すると、エントリー基準が不明確なことが、その原因のひとつにあげられます。

たとえば、「ずいぶん上昇したので、そろそろ下がるだろう」とか、「いくらなんでも、ここらが底だろう」という値頃感で、エントリーする方が多いのには、正直驚かされます。このような値頃感による売買では、たとえ勝っても再現性が乏しく、まさしくギャンブルそのもので、いつかは大敗する可能性が高いと思います。

また、エントリー基準を明確にする目的で、チャートソフトに実装されているさまざまなテクニカル指標を組み合わせて、売買ルールを編み出す方もいます。しかし、それぞれのインディケータの特質を十分理解せず、ただ闇雲に複数の指標を組み合わせるという姿勢では、単なるパラメーターのオーバーフィッティング(過剰最適化)のワナに陥ることになります。結果として、過去のチャート検証の段階では有効な売買ルールは作れても、未来の相場で的確に機能するエントリー基準を確立するという作業は、簡単なものではないのです。

逆張り派の落とし穴

また、利食い幅と損切り幅の比率と、勝率との兼ね合いが非常に重要です。たとえば、スプレッドを考慮したうえで、利食いと損切りの幅が同じであれば、勝率が50%で収支がトントンになり、利食いが1に対して損切りが4であれば、損益がトントンになるためには、80%の勝率が必要です。

利食い幅と損切り幅をどれくらいにすれば、勝率がどれくらいに落ち着くかは、とても悩ましい問題であり、過去の検証と実際のトレード経験によって、少しずつ決めていく地道な作業を避けて通ることはできません。このリスクとリワードの比率こそが、逆張りトレードの肝であることはいうまでもなく、とても大切であると同時に、経験がものをいう問題でもあります。

典型的な負け組トレーダーのリスク・リワードの比率は、利食い幅に対して損切り幅が極端に広いことが特徴です。たとえば、利食い2pipsに対して、損切り20pipsでは、まさに「コツコツドカン」を地でいくことになり、これでは、ふだんどんなに高勝率で勝っていても、最終的には大損することは避けられないでしょう。私の考えでは、リスク・リワードの比率は2対1程度を目安に、技能や経験、そのときどきの状況で微調整するのが良いと思います。

順張りでも逆張りでも

私自身は、超短期の逆張りをメインにトレードしていますが、トレードスタイルには絶対的な正解はありません。投資家それぞれの好みや相性というものを、最重視すべきだと思います。ただ、認識しておかなければならないのは、FXがゼロサム・ゲームである以上、自分なりのエッジ(優位性)を見つけだし、他人を出し抜く技能を身につけなければ、生き残ることはできないということです。

すべてのトレードで100%勝つことは不可能なので、負けが込む時期は当然のようにやってきます。負けが続けば、毎日が精神修行のように感じられるかもしれません。そのつらい修行を支えるのは、自ら検証を重ねた手法に対する揺るぎない信念に他なりません。

連敗が続いて苦しいとき、利食いを我慢して苦しいとき、損切りが迫って苦しいとき、そんな苦しいときほど、トレーダーとしての資質を試されていると覚悟してください。そして、この試練を乗り越えるためにたゆまず努力を継続していけば、自分のトレード手法に自信をもち、納得して利益を積み重ねる日が、必ず訪れるものと、私は確信しています。

※この記事は、FX攻略.com2013年2月号の記事を転載・再編集したものです

ABOUT ME
FX攻略.com編集部
日本で唯一の月刊FX情報誌『月刊FX攻略.com』を2008年から10年以上発行してきた編集部です。
トレイダーズ証券 みんなのFX
あなたに最適なFX会社・取引口座を見つけよう!!
【FX会社比較】10年以上FX専門誌を発行してきたFX攻略.com編集部が調査しました

「これからFXを始めよう」と思ったとき、意外と悩んでしまうのがFX会社、取引口座選びではないでしょうか? でも大丈夫。ご安心ください。先輩トレーダー達も最初は初心者。みんなが同じ悩みを通ってきているんです。

10年以上にわたってFX月刊誌を出版してきた老舗FXメディア「FX攻略.com」編集部が、FX用語を知らない人でもわかるようにFX会社、取引口座のポイントを解説しました!

取り上げているFX会社は、金融商品取引業の登録をしている国内FX業者です。口座開設は基本的に無料ですので、まずは気になったところで2〜3つ口座開設してみて、実際に比べてみてはいかがでしょうか

\FX会社によって違うところをチェック/

スプレッドFX取引における取引コスト。狭いほうが望ましい。
約定力狙った価格で注文が通りやすいかどうか。
スワップポイント高水準かどうか。高金利通貨の取り扱いの数。
取引単位少額取引ができるかどうか。運用資金が少ないなら要チェック。
取引ツール提供されるPC・スマホ取引ツールの使いやすさ。MT4ができるかどうか。オリジナルの分析ツールの有無。
シストレ・自動売買裁量取引とは別に自動売買のサービスがあるかどうか。
サポート体制サポート内容や対応可能時間の違いをチェック。
教育コンテンツ配信されるマーケット情報や投資家向けコンテンツの有無。
キャンペーン新規口座開設時や口座利用者向け各種キャンペーンの内容。

FX会社を比較・検討
したい方はこちら >>
FX会社を一社ごとに
見たい方はこちら >>

あわせて読みたい