FX力を鍛える有名人コラム

インヴァスト証券サンドウィッチ間瀬が即解決!気になるFX Q&A|第5回 知ったかぶり卒業宣言シリーズPart2「量的・質的金融緩和」とは? その①

ミノリ ねぇサンドウィッチ間瀬君、前回は日銀のマイナス金利政策について教えてもらったけど、それ以外の日銀の金融政策って、ややこしくてよく分からないんだよね。ざっくり教えてよ!

間瀬 現在の日銀の実施している金融政策はマイナス金利政策も組み込まれた「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」だよ!

ミノリ 長短金利操作…すみません、初っ端から分かりません(泣)。

間瀬 なるべく簡単に説明するね。まず、現在の日銀の金融政策の目標は「物価上昇率を安定的に2%を超える水準にすること」なんだ。

ミノリ 物価上昇?  えー、いやだぁ。物の値段が高くなるってことでしょ? サンドウィッチが値上がりしても良いの?

間瀬 ゆっくりと物価が上昇することは良いことなんだ。物価上昇の影響をサンドウィッチで説明するね。サンドウィッチの販売価格が上がるということは、サンドウィッチの販売店、卸売、食品メーカーの売上も増えるよね。売上が増えれば、そこで働く労働者の給与も上がる。その労働者たちが、さらに商品を買う、その商流の会社が儲かる…という好循環で経済が拡大することが期待できるんだ(図①)。そして「2%の物価上昇率」というのは、経済の好循環を促すのにちょうど良い水準としてグローバル・スタンダードになっているんだ。

経済の好循環のイメージ図

ミノリ ちょうど良い物価上昇率、っていうのが2%の物価上昇率なのね。

間瀬 物価を2%に上昇させるために、日銀が現在行っている金融政策が長短金利操作付き量的・質的金融緩和なんだ。まずは、2013年に開始した「量的・質的金融緩和」について説明するよ。この「量」とは、世の中に出回るお金の量のことを指していて、量的金融緩和とは、それを増やす金融政策のことを指すよ。

ミノリ お金の量を増やすって?  ど、どうやって増やすの?

間瀬 現在は主に、日銀が銀行などから国債などを買い入れる方法をとっているよ。それに加えて「質」、つまり長期国債やリスク性資産であるコマーシャル・ペーパー(CP)、社債、ETF、J-REITなどについても日銀が買い入れることで、世の中に出回るお金の量を増やす。というのが量的・質的金融緩和だね。

ミノリ 日銀が国債やリスク性資産などを買い入れるんだね。それはどんな効果が期待されるの?

間瀬 日銀が銀行から国債を買い入れると、銀行は資金を手にするよね。銀行は潤沢な資金を活用して、貸し出しに積極的になると考えられるよ。それと同時に、銀行の貸出金利の低下にもつながるんだ。貸出金利が低下すると、より多くの企業や個人が銀行からお金を借りやすくなり、世の中にお金が多く供給される、つまり経済が活発化すると考えられるよね。

 また、リスク性資産であるETFなどを日銀が買い入れると、株価は底堅くなる、つまり下がりにくくなるんだ。すると、株式などの資産を持つ企業や投資家の保有資産価値は安定するね。懐に余裕ができた企業や投資家は、投資や消費などに取り組みやすくなり、経済が活発化すると考えられるよ。

 そして、2016年に量的・質的金融緩和に加えて、前回解説したマイナス金利政策が開始され、金融政策の枠組みは「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」になったんだ(図②)。

マイナス金利付き量的・質的金融緩和のイメージ図

ミノリ なるほどね。じゃあ結論、マイナス金利付き量的・質的金融緩和は効果があったの?

間瀬 ぐぬぬ…。強力な金融緩和により、金利水準は低下して、物価が継続的に下落するデフレではなくなったものの、2%の物価安定の目標は実現できなかったよ。

ミノリ デフレからは抜け出せたけれど、目標には届かなかったんだね。

間瀬 日銀は2016年に実施した「総括的な検証」で、その要因を2点挙げているよ。

1点目…原油価格の下落や消費税率引き上げ後の需要の弱さなどといった外的要因により物価上昇率が低下したため。

2点目…適合的な期待形成の要素が強く、予想物価上昇率が高まらなかったため。

「予想物価上昇率」とは、人々が予想する将来の物価上昇率のことを指すよ。

「適合的な期待形成の要素が強い」という言葉を簡単に説明すると、日本人は「過去の物価が低ければ、今後も物価は低いだろう」という考え方が強く、将来へのマインドが変わりにくい、ということだね。よくニュースなどでは「デフレマインド」と呼ばれたりするね。

そのため、強力な金融緩和により資金供給量が増加しても、なかなか物価上昇に結びつかなかったんだ。

ミノリ 日本人のデフレマインドの転換にまでは至らなかった、ということね。その後、日銀はどうしたの?

間瀬 日銀は、マイナス金利付き量的・質的金融緩和で、金利の低下については一定の効果を確認することができたんだ。そこで、「金融緩和による資金供給量の増加と予想物価上昇率は、短期的ではなく、長期的に関係し合うもの」と考え、金融緩和を長期的に継続する方向にかじを切ったんだ。

 ただ同時に、マイナス金利付き量的・質的金融緩和による副作用も浮き彫りになったんだ。次回、その副作用を解説した上で、現行の金融政策である長短金利操作付き量的・質的金融緩和を解説するね!

ミノリ 分かりました。またお願いします!

※この記事は、FX攻略.com2020年8月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。


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