ミノリ 投資をする中で「国内総生産(GDP)」って経済指標をよく耳にするけど、重要なの?
間瀬 GDPは「国内で産出された儲けの合計」と考えよう! 正しくは一定期間に国内で新たに産出された財・サービスの付加価値の合計を指すよ!
ミノリ なんか、学校で習った気がする! でも、付加価値の合計っていわれてもよく分からない…。
間瀬 「付加価値」の概念を「自動車を消費者が購入するまで」という流れで、考えてみようか!(図①)
まず、自動車の原材料となる鉄板を作る製鉄業者は「鉄鉱石」を10万円で輸入して、それを加工することで鉄板を生産する。この鉄板を自動車製造業に30万円で販売すると、儲けは20万円になる。続いて自動車製造業は、購入した鉄板から自動車を製造して70万円で自動車販売業に卸すと、ここでは40万円の儲けが出るね。最後に、自動車販売業が70万円で仕入れた自動車を、消費者に100万円で販売すると、ここで30万円の儲けが出る。消費者が自動車を購入するまでの過程で発生した儲けの合計が、付加価値合計となるよ。金額にすると、90万円の付加価値が産出されたということが分かるね! これがGDPにおける付加価値の考え方だよ!
ミノリ 100万円の車が消費者に販売されるまでの間で90万円の付加価値が産出されたことになるんだね…ん、販売価格の100万円との差額の10万円が気になるね。
間瀬 GDPは「国内総生産」なので、海外から輸入した10万円の鉄鉱石については付加価値の計算過程で除かれるんだよ! 以上のことから、GDPは「国内で産出された儲けの合計」と考えることができるね! いうまでもなく、一国の経済を占う上で最重要な経済指標ということが分かるよね。
付加価値の概念が分かったところで、GDPをどのように見れば良いのか考えてみようか。図②は、米国の実質GDPの2019年・2020年それぞれの4ー6月期のデータだよ! 米国のGDPにおいては個人消費支出が大きな割合を占めているのが分かるね。
ミノリ 米国は企業大国のイメージがあるけれど、それでもGDPの内訳を見ると個人消費支出が圧倒的に大きな割合を占めてるんだね。あれ…2019年の数値と比較すると、2020年はすごい減ってるね…。
間瀬 そうだね、これはひとえにコロナショックの影響が直接的に出た結果と考えることができるよ。では、この個人消費支出に占めるもっと細かなセクター別の項目を見てみよう(図③)。
これを分析すると、エネルギー消費:△45%・輸送サービス:△39%、レジャーサービス:△53%、外食・宿泊サービス:△39%と、コロナ禍において大きなダメージを受けているセクターが浮き彫りになるんだ。GDPが公表されるとセクターごとの景況感を知ることもできるので、GDPの結果を受けて関係するセクター企業の株価が大きく動くこともあるよ。
ミノリ すごい細かい項目まで公表されてるんだね…まるで成績表みたい…。
間瀬 投資の参考にするなら「GDP速報値」がお勧めかな。GDPには速報値・改定値・確定値がそれぞれタイミングをずらして公表されるんだ。最もタイムリーに公表されるのがGDP速報値で、四半期が終了した後の早い段階で直近の四半期のデータを基に年率換算した速報値が公表されるよ。投資家は「最も旬な数値」をほしがるし、それに反応しがちだからね。個人投資家が普段目にする経済指標カレンダーでは、GDPの結果しか公表されてないけど、実はさらに細かなセクターの内訳も含まれているんだ。米国ならば米国商務省、日本は内閣府がGDPを公表しているから、興味がある人は見てみると良いよ。
GDPの公表値のみを見てると「GDPが良かったんだ~」くらいのフワっとしたことしか認識できないけど、より細かな数値を見ることで、どのセクターの調子が良いか・悪いかを認識できるからね。特に業種別のセクター株式投資をする方には参考になると思うよ。FX取引においてはセクター内訳まで気にされることはあまりないけど、GDPとは? 付加価値とは? ということは投資家として認識しておこう! 日々のニュースへの理解度も深まると思うよ!
ミノリ 株式投資、FX取引においてもGDPは重要指標だね。特に今年はコロナショックからの立ち直りが着目されてるから、今後のGDPの結果も要注目だね! ありがとうサンドウィッチ間瀬!
※この記事は、FX攻略.com2020年12月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
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