利益が大きく取れるトレンド相場への関心が高い人は多いですが、トレンドのない場面には興味を示さない人もいるのではないでしょうか? トレンドで利益を丸ごと取るためには、トレンドが発生していない中間波動といわれる局面を制する必要があります。ここでは、そんな中間波動の攻略方法を神藤将男さんに教えていただきます。
基本のペナントを学ぶ
皆さん、こんにちは。前回は「フラッグ」が起きるメカニズムについて解説しました。チャートの形だけを覚えるのではなく、その仕組みを理解することでチャート上の買い方と売り方の戦いの軌跡を知ることができるようになります。どのようにしてフラッグができるのか、そのフラッグがどのようにして破綻するのかを把握するだけでもトレードの幅が一気に広がります。
今月はさらにレベルアップするために「ペナント」について解説いたします。第1回でトライアングルを紹介しましたが、中間波動においてはペナントという呼び方もします。トライアングルの形状は非常に奥が深くパターンも多いので、まずは基本のペナントから学んでいきましょう。このペナントを理解することで、トレンド相場の途中で出てくる揺さぶりや振るい落としに対応できるようになります。ここから徐々にレベルアップしていきますので、しっかりとついてきてくださいね。
ペナントとは?
ペナントとは細長い二等辺三角形をした「旗」のことです。プロ野球ではリーグ戦の優勝旗がペナントになっているのでペナントレースとも呼ばれています。そのペナントとチャートの形が似ていることからペナントといわれています。トレンド相場の後には高値と高値を結んだ線(上値抵抗線)と安値と安値を結んだ線(下値支持線)が一時的にペナントのような二等辺三角形を形成することがあります。その後、ペナントの形状が破綻すると、何事もなかったようにトレンド相場が再開していきます。
フラッグの場合は短期投資家の利益確定による決済注文が出ることで調整局面入りとなり、その決済注文が相場を一時的に支配することで価格を反転させます。したがって、上昇トレンドのときは下向きに、下降トレンドのときは上向きにフラッグができます。一方のペナントも投資家の利益確定による決済注文が出ることで調整局面に入るのですが、そこからは買い方と売り方の戦いが拮抗して価格は膠着状態となります。つまり、トレンドが終わったかもしれないと勘違いしやすいフラッグよりも、ペナントの方が形状としては分かりやすいということになります。ところが、多くの投資家はこのペナントの形状になり始めると天井や底を形成してきたと勘違いして決済してしまうのです。
なぜそのような投資行動を取るのかというと、トレンド転換して価格が逆方向に大きく動き、利益がなくなるのではないかといった不安を抱くからです。故に、このペナントのパターンとそのメカニズムを理解することで慌てて決済せずに済むようになります。そして、「買い注文の利益を確定してからさらに大きく上昇した」といった事態を回避することができるようになります。
上昇ペナント型と下降ペナント型
上昇トレンドの途中にできるのが「上昇ペナント型」、下降トレンドの途中にできるのが「下降ペナント型」です。いずれも取引量(出来高)を伴って上昇ないしは下降してから、取引量が減少して三角形を形成します。そのペナントが終わると取引量が増加しながら元のトレンド相場に戻りますので、そこを狙っていきます。また、三角形という形状は行き詰まり状態の終わりが読めますので、一手早い仕掛けも検討できるのです(チャート①)。
仕掛けのポイント
仕掛けのポイントは四つあります(画像①)。一つ目は、早仕掛けとして三角形が終わりを迎える可能性のあるところです。ペナントは上値抵抗線と下値支持線が収束していくので、終わりがある程度予測できます。そのタイミングを狙うことで一手早く仕掛けることができます。ただし、早い仕掛けなのでダマシとなる可能性も高く、上級者向けのポイントとなります。
二つ目は、上値抵抗線や下値支持線を更新したパターン1です。ここもダマシにはやや注意が必要ですが、三角形をブレイクしたところなので積極的に狙っていきたいです。
三つ目は上値抵抗線と下値支持線がそれぞれサポレジ転換したパターン2です。ただし、上値抵抗線や下値支持線を更新してからサポレジ転換することなく一方通行で動く場合もあります。
最後の四つ目は、それぞれ高値や安値を更新したパターン3です。ダマシは少なくなりますが、買う場合は高く、売る場合は安くなってしまいます。この四つの仕掛けのポイントの特徴と仕掛けの理由を理解し、チャート上で何度も確認しましょう。そうすることでトレード技術が向上し、レベルアップを図ることができるようになります。
※この記事は、FX攻略.com2020年2月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
※当連載で使用している「中間波動」は、「一目均衡表」における中間波動とは一切関係ございません。
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取引単位 | 少額取引ができるかどうか。運用資金が少ないなら要チェック。 |
取引ツール | 提供されるPC・スマホ取引ツールの使いやすさ。MT4ができるかどうか。オリジナルの分析ツールの有無。 |
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サポート体制 | サポート内容や対応可能時間の違いをチェック。 |
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