9月28日の日経電子版によれば、金融庁がFXの最大レバレッジを今の25倍から10倍に下げることを検討しているとのことです。
すでにFX業界ではこのニュースについての話題で持ちきりですが、自分なりの意見をまとめてみます。
ドル円1万通貨取引では10万円以上の証拠金が必要
まず、レバレッジが下がればポジションを保有するための証拠金はたくさん必要になります。
よく例えに出るドル円なら、25倍のレバレッジだと1万通貨を保有するためには4万5000円くらいの証拠金が必要になります。これが10倍になると、11万2000円必要になります(ともに1ドル112円の場合)。
つまり、1枚取引するだけで10万円以上、ロスカット水準もあるため、実質的には20万円程度の資金が必要になります。
損切りしないことを前提としたレバレッジ
ソースとなっている日経の記事によれば、実際に過去に起きた大きな変動が基準になっています。いわゆる○○ショックが起きたとき、口座が破綻しないためのレバレッジはデータ上は10倍以下、だから最大レバレッジも10倍まで、というロジックですね。
しかし、これは損切りを入れないことを前提にしており、つまりまったく投資家がリスク管理をしないことを前提にしています。FX攻略.comの雑誌や公式サイトをご覧になっている方はもちろんご存知の通り、こんなトレードをしていてはどうやっても稼げませんよね。それどころか、長期的に見れば確実に相場から退場します。
つまり、損切りをちゃんと入れない人は、レバレッジが1倍でも稼げません。あえて書きますが、そういったレベルの人の口座が、ノーガードでも吹き飛ばないためのルール変更なわけです。
適正なレバレッジはスキャルピングとスイングで全然違う
こういったレバレッジの話になれば、もちろん適正なのは何倍かという話になっていきます。が、FXにおいてトレードの時間軸は人それぞれ。1分間で決済をする人もいれば、1か月以上ポジションを保有する人もいます。これは純粋に得意なスタイルの違いであり、本質的な善し悪しはありません。
しかしながら、レバレッジの制限が厳しくなるほど、短期トレードの資金効率が悪化します。短期トレードは勝つ値幅、負ける値幅ともに狭いため、その分トレード枚数を増やしてリターンとリスクをともに大きくするのが基本的な発想。しかし、レバレッジがかけられないほど、利益が出しにくくなります。
ただしこれは、ちゃんと損切りができることは当たり前で、なおかつ利益を出せる手法を持っている上級トレーダーであって、初めて当てはまるお話です。
そもそも為替の値動きは穏やかなので、ある程度のレバレッジは必要
「FXってレバレッジをかけられるから危険」という意見を、常時見続けてきましたが、為替のボラティリティ(変動率)を考えれば、危険というイメージだけが先行していることが分かります。
ストップ高、ストップ安というルールで投資家を保護している個別株と比べ、FXの値動きは非常に緩やかです。ドル円の1日の変動幅は価格の数%程度。1日に5%動くことなど、ほとんどありません。だからこそ、ある程度レバレッジをかけて取引することで、資金効率を保つことができます。
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FX攻略.com編集部の一員として
国内唯一の月刊FX情報誌を刊行している立場として、リスク管理の重要性は常々発信してきたつもりですが、今回のニュースにあたり、力不足を実感しています。
そもそもレバレッジとは、投資家にとっての選択肢であるはず。1倍でも、25倍でも、200倍でも、フルに使わなければいけないわけではありません。自身のトレードスタイルにとって最良の選択をしていくなかで、実質的なレバレッジも決まっていくはずです。
あらためて、リスク管理の重要性を発信していきたい所存です。
【関連記事】FXレバレッジ10倍規制への動き、これまでの流れ
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スワップポイント | 高水準かどうか。高金利通貨の取り扱いの数。 |
取引単位 | 少額取引ができるかどうか。運用資金が少ないなら要チェック。 |
取引ツール | 提供されるPC・スマホ取引ツールの使いやすさ。MT4ができるかどうか。オリジナルの分析ツールの有無。 |
シストレ・自動売買 | 裁量取引とは別に自動売買のサービスがあるかどうか。 |
サポート体制 | サポート内容や対応可能時間の違いをチェック。 |
教育コンテンツ | 配信されるマーケット情報や投資家向けコンテンツの有無。 |
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