トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。
ドル円はレンジ勝負
ドル円は先週からの高値と安値で約50銭程度の値動きしか出ていません。著しくボラティリティが低下するなか、引き続き109.50円~110.30円のレンジで勝負するしかなさそうです。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、米財務省短期証券の購入終了時期や、米利下げを巡る思惑から今後方向感が出てくる可能性はありますが、ゲームチェンジはまだ先だと思います。方向感の見えないドル円はひとまず見限って、動きのある豪ドルやユーロに乗り換えても良さそうです。
ユーロ、豪ドルはダウンサイドに警戒を
新型コロナウイルスの感染者は今朝時点で74,279人(前日比+1,751)と感染拡大に収束の兆しは見えていませんが、感染者の増加率は鈍化しており、パンデミック(大流行)はないというのが今のマーケットモメンタムです。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で世界的なサプライチェーン停滞や、中国の景気後退は避けられず、中国と関連の強いユーロや豪ドルは今後厳しい展開が予想されます。また、ユーロは引き続きドイツの景気減速への警戒感が重石になるほか、ドイツ政局懸念や英国とEUの通商交渉もネガティブ要因となります。一方豪ドルも昨日のRBA議事録で追加利下げを検討とのネガティブサプライズがあり、ユーロ、豪ドルの両通貨とも下値は脆弱と言えます。低いところでショートは持ちたくありませんが、戻りはしっかり売っていくべきだと考えています。
英・加の消費者物価指数が焦点
本日は英・加消費者物価指数に注目が集まっています。英GDPを始め、足元の英経済指標が良いとは言えず、先行きの不透明感が強いことからBOE(英中央銀行)が今後利下げに踏み切るのではないかとの観測がくすぶっています。今のところ中銀のスタンスは様子見ですが、本日の英消費者物価指数が悪化するようだと利下げの議論はさせられないでしょう。また、BOC(カナダ中央銀行)もここにきて利下げへの思惑が再燃しています。ボロズBOC総裁は「政策運営は今後の加経済指標次第」としており、文字通り本日の加消費者物価指数がポイントとなりそうです。
18:30 英消費者物価指数
22:30 加消費者物価指数
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