【平均足+移動平均線】シグナルのダブルチェックでトレード精度向上[阪谷直人]

阪谷直人さんが教えてくれるのは、平均足と移動平均線を組み合わせた手法。二つのテクニカルを用いることで、より精度の高いトレードを実現できます。ファンダメンタルズを基にした相場観と共に、学習してください。

※この記事は、FX攻略.com2017年1月号の記事を転載・再編集したものです 

Contents

阪谷直人さんのプロフィール

阪谷直人の写真

阪谷直人(さかたになおと)

1983年にアメリカ銀行入行、ディーラーとしてマネー、スポット、為替のフォワード、フューチャーズ、通貨オプションの各商品を担当後、1992年デリバティブ・デスクの立ち上げに参画。1999年よりバンク・オブ・アメリカ証券会社、2009年よりメリルリンチ、ソシエテジェネラルにてデリバティブと為替の営業を担当。2011年に退職後、個人投資家としてトレーディングを開始。

公式サイト:FXcircleのブログ

twitter:https://twitter.com/FXcircle 

阪谷直人さんのFX買い合図ポイント

■ 準備するもの

【チャート】日足
【テクニカル】平均足、移動平均線

移動平均線には、終値「5」SMAと、始値「5」SMAの二つを用意。それらと平均足を組み合わせます。

■ トレードの手順

  1. ファンダメンタルズを基に中長期の相場観を持つ
  2. 相場観に基づいたシナリオができたらトレード。できないときは休む
  3. 平均足の陽転(陰転)と、2本の「5」SMAのクロスを確認したらエントリー
  4. <利確>トレーリングストップ
    <損切り>5%ルール

■ 狙い目の通貨ペア

明確なシナリオを描けるもの

■ この戦略のメリット

  • 合理的ルールに基づいた行動がとれる
  • 簡単明瞭で、精神的負担がかからない
  • 大きな利益を獲得できる

阪谷直人さんのFX買い合図戦略

「米ドル/円」はレンジ相場が続く!?

月刊FX攻略.comの2016年10月号で、「ファンダメンタルズ+平均足」の手法を教えてくれた阪谷さん。今回はそれに移動平均線を加えた、発展型の手法を用意してくれました。手法の流れとしては、「ファンダメンタルズ分析から中長期の展望をつかむ」→「平均足と移動平均線のダブルチェックで売買を行う」となります。

取材時点(2016年10月25日)での「米ドル/円」については、年初からの下落トレンドが様相を変え、100円を何度か割ろうとするも、底堅く跳ね返されている状態。週足を振り返ると、約1年のレンジとトレンドが交互に訪れていることから(ポイント1の「米ドル/円」週足の図参照)、今後はしばらくレンジが続くという想定をしているそうです。

レンジの範囲は、100~105円。もう少し広げて、約95円(アベノミクスの上昇に対する61.8%戻し)~107.50円もみているとのこと。いずれにせよ、2017年はレンジが続き、そこでため込んだエネルギーを発散するように、2018年以降に大きなトレンドが生まれるだろうと読んでいます。逆説的に、長いレンジを経過しなければ、大きなトレンドに発展することはないともいえます。

ちなみに、10月号で解説した通り、ファンダメンタルズや過去の経験則に基づき、2018年ごろから2023年ごろにかけて、160~170円に上昇すると予想しています(ポイント1の上図参照)。 

リスクリワードを常に最適化!

目先はレンジ相場ということで、上限付近からのショート、下限付近からのロングが有効戦略となります。とはいえ、明確な方向性の乏しいレンジ相場では、トレンド相場を攻めるときよりも逆行するケースが増えるので、慎重にリスクリワードを考える必要があります。

1回のトレードで失って良いのは資金の5%までとし(5%ルール)、その範囲内で損切りの値幅と、ポジション数を調整。阪谷さん自身は損切り幅を20pips、初期の利益目標を30pips、その後にトレーリングストップで利幅を伸ばすという戦略を採っています。

なお、1週間ごとにトレードのデータを検証し、勝率や利益率、負けたときの値幅をチェック。それを基に、リスクリワードの見直しを行っているそうです。常に万能なリスクリワードを求めるのではなく、1週間ごとに最適化していくわけです。計画→実行→評価→改善を繰り返すことが、相場に順応する方法なのです。

色の変化とクロスを見てからエントリー

ここで紹介する手法は平均足と、始値移動平均線、終値移動平均線を用います。一般的に、移動平均線は終値から算出されますが、それと始値算出のものを組み合わせるのがポイント。これらと平均足が相互補完するかたちで、トレンドを明確化するのです。

平均足はトレンドの転換が分かりやすく設計されており、色が変わる(陽転、陰転)と転換サイン。始値移動平均線と終値移動平均線は、そのクロスが転換サインとなります。したがって、これらのサインを満たしたところがエントリーすべきポイントとなるわけです。

前述の通り、損切りは5%ルールに基づいて設定。利確はトレーリングストップを使います。これらのリスクリワードは、1週間ごとに見直すと良いでしょう。 

ポイント1 「米ドル/円」の中長期の展望

阪谷さんはファンダメンタルズから中長期の流れを予測することを重視しています。上図は2000年以前からの「米ドル/円」の大局で、この流れから2023年ごろに160~170円に向かうと想定しています。下図は、2017年がレンジ相場になりそうだと考える根拠です。

ポイント2 平均足とは?

1本前との比較を重視

高値・安値・始値・終値の平均価格が、1本前の足より総合的に上がっているのか下がっているのかを判断するのが平均足です。一つ前の足との比較を重視しているため、トレンド発生時には同じ色の足が続きやすくなっています。

始値も終値も文字通り平均をとる

平均足は、ローソク足と形は似ていますが、始値と終値に特殊な計算方法がほどこされています。始値は1本前の平均足の始値と終値の平均、つまり実体部分の中間からスタートします。終値は高値・安値・始値・終値の平均価格です。

ポイント3 2種類の「5」移動平均線を使用

トレンド転換でクロス

一般的な移動平均線が終値から算出されるのに対して、始値から算出する移動平均線もあります。上昇トレンド時は始値>終値、下降トレンド時は始値<終値の順に並び、その2本のクロスはトレンドの転換を示唆すると受け止めることができます。

転換を感知する精度が高い

移動平均線のパラメーターは、始値も終値も「5」に設定。このような短期に設定して使うことにより、平均足と同じくらい、トレンドが明確に分かるようになるそうです。なお、これらは単純移動平均線(SMA)を用います。

エントリータイミング クロス+陽転(陰転)を満たすまで待つ!

1.ファンダメンタルズを基に中長期の相場観を持つ

日頃からファンダメンタルズ情報を研究し、中長期の相場展望を想定しておくことが重要です。

2.相場観に基づいたシナリオができたらトレード。できないときは休む

トレンドの方向や、今後のシナリオを想定し、それをフォローする形でトレードします。シナリオが描けなければ、トレードをお休みします。

3.平均足の陽転(陰転)と、2本の「5」SMAのクロスを確認したらエントリー

二つのサインをダブルチェックします。遅い方のサインが発せられてからエントリーすることで、ダマシを軽減することができます。

決済タイミング リスクの値幅を決め、それ以上の利益を目標に

4.<利確>トレーリングストップを活用

エントリーをしたら、利確はトレーリングストップで行います。損切り箇所は、トレンドに沿ってプラス方向へ移動していくため、利益の最大化が図れます。最終的には、設定した損切り幅が逆行したところで決済に。

4.<損切り>5%ルールで運用

このトレードで失っても良い金額を、総資金の5%と定めて、取引数量と損切り幅を調整します。チャートの形状から裁量で判断する場合は悩みが生じますが、この算出方法なら機械的に決められます。

FXトレードポイント レンジ相場は上限、下限をチェック(「米ドル/円」日足 2016年1月11日~10月31日)

水平ラインからレンジを想定

上ヒゲや下ヒゲをつけた箇所、100円などのキリの良い数値は、抵抗として意識されます。これらに水平ラインを引くだけで、レンジ相場の上限や下限が見えてくるでしょう。「米ドル/円」でいえば、100円というラインは最も注目されるところであり、下落の流れを跳ね返すよう機能しています。

FXトレード例① 底堅い100円からロングで攻める(「米ドル/円」日足 2016年8月19日~2016年10月31日)

トレードの流れ

① 中長期は100円~105円のレンジを想定
② 戦略は100円からのロング、105円からのショート
③ 100.50円付近で「5」SMAがクロス。その後に陽転したところでエントリーします
④ 順調にトレーリングストップが引き上げられ、その勢いが一服したところで逆指値にヒットして利確

FXトレード例② レンジ下限からの小反発(「米ドル/円」日足 2016年7月25日~10月5日)

トレードの流れ

① 中長期は100円~105円のレンジを想定
② 戦略は100円からのロング、105円からのショート
③ 100.30円付近で陽転してから、すぐに「5」SMAがクロスしたところでエントリーします
④ 陽線が続きトレーリングストップが引き上げられ、陰転を機に逆指値へかかり利確

FXトレード例③ 上限付近から下落の流れをショート(「米ドル/円」日足 2016年8月4日~10月17日)

トレードの流れ

① 中長期は100円~105円のレンジを想定
② 戦略は100円からのロング、105円からのショート
③ 104円から下げてくる流れにおいて、「5」SMAがクロス。その後に陰転したところでエントリーします
④ 一本で大きく下げるも、リバウンドが発生し、逆指値にヒットして利確

※この記事は、FX攻略.com2017年1月号の記事を転載・再編集したものです 

阪谷直人の写真

阪谷直人(さかたになおと)

1983年にアメリカ銀行入行、ディーラーとしてマネー、スポット、為替のフォワード、フューチャーズ、通貨オプションの各商品を担当後、1992年デリバティブ・デスクの立ち上げに参画。1999年よりバンク・オブ・アメリカ証券会社、2009年よりメリルリンチ、ソシエテジェネラルにてデリバティブと為替の営業を担当。2011年に退職後、個人投資家としてトレーディングを開始。

公式サイト:FXcircleのブログ

twitter:https://twitter.com/FXcircle

テクニカル分析手法 | 特集 | 誰でも分かる買い合図|シンプルFX手法 | 阪谷直人の最新記事
価格ベースのFXテクニカル分析|ピボットとは?[月光為替]
一目均衡表入門|第5回 転換線と基準線[監修:細田哲生(三世一目山人)]
私のトレンド看破術[不動修太郎]
トラッキングトレード入門|第13回 複数の指標を組み合わせたマナブ式テクニカル分析[斉藤学]
【移動平均線(SMA)+MACD2】移動平均線の考え方に基づいたロジックのFX手法[阪谷直人]
一目均衡表入門|第4回 三波動と時間関係、値段関係から分かること[監修:細田哲生(三世一目山人)]
一目均衡表入門|第3回 三波動と時間関係②[監修:細田哲生(三世一目山人)]
【エンベロープ+RSI】徹底的な逆張り戦略で1分足の反転を狙うFX手法[為替鬼]
価格ベースのFXテクニカル分析|ボリンジャーバンドとは?[月光為替]
一目均衡表入門|第2回 三波動と時間関係①[監修:細田哲生(三世一目山人)]
【移動平均線(EMA)+分割決済】安全に分割決済することでストレス軽減できるFX手法[金子稔]
【2種類の移動平均線(「5」WMA 「40」SMA)】数時間で何回もエントリー可能な短期トレード手法[平野朋之]
価格ベースのFXテクニカル分析|RSIとは?[月光為替]
【3本の移動平均線(「5」「25」「75」SMA)】日足で大局を見極め1時間足で参入するFX手法[あおのり先生]
一目均衡表入門|第1回 一目均衡表の原点[監修:細田哲生(三世一目山人)]