FX攻略.com ズバリ!今週の為替相場動向 2017年10月16日号
衆院選挙まで残り一週間
衆院選挙までいよいよ残り一週間となった。22日日曜日に投開票が行われ、その日のうちには大勢が判明する見通しだ。議員定数は前回から10減って465。ちなみに解散時の与党勢力は、自民287、公明35、自・公で322となっている。
小池百合子・東京都知事率いる希望の党の発足を受けて、当初与党不利の予想が出た。週刊文春は10月5日の記事で自民214(74議席減)・単独過半数割れと予想し、政権交代の可能性をぶち上げた。安倍首相は勝敗ラインを自・公合わせて過半数となる233議席と控えめな数値にしているが、もしも自民単独でも過半数を割り込むことになれば、安倍首相は責任を問われる可能性が高い。もちろん、自・公合わせて過半数割れとなれば安倍首相の退陣は必至だ。
この場合、政治・経済の先行き不透明感が極めて強くなり、株安・円高の負の連鎖が加速することは避けられない。代わりに希望の党が躍進した場合、同党が公約に掲げる消費増税引き上げ凍結は日本国債の格下げにつながるため、トリプル安となる恐れもある。
しかしここに来て、希望の党の伸び悩み・失速が伝えられている。小池代表本人が出馬しなかったうえ、民進党からの合流に関して「排除の論理」を持ち出したため、急速に支持を失ったとされる。本稿執筆時点(10月13日夜)での最新の世論調査によると、自民が単独過半数獲得、自・公が300議席をうかがう勢いに対して、希望が伸び悩み、民進党からスピンオフしたリベラル派の立憲民主が健闘との予想になっている。これが現実となるならば、安倍首相は国民の信を得て続投することとなり、市場は大きく安堵の息をつくこととなる。自・公の獲得議席が絶対安定多数の261、節目の300、圧倒的多数の310を超えるにしたがって、それ相応に株高・円安が進むだろう。
為替市場は与党勝利を十分織り込んでいない
先週の日経平均は9日続伸でほぼ21年ぶりに2万1千円を突破したが、株式市場はすでに安倍首相続投・アベノミクス継続を先取りしている可能性が高い。これまでの日経平均とドル円の連動性を考えれば、ドル円は114円に迫っていても不思議はないところだが、実際は111円台。もちろん選挙は水物であるが、為替市場は日本の政局に疎く与党勝利を十分織り込んでいないのではないか。
したがって今週は、与党優勢ムードが定着していくにつれて伸び悩んでいたドル円が出遅れ分を取り戻す展開を予想する。押し目買いスタンスを継続したい。
日経平均(赤線・左目盛)と比べてドル円は出遅れ感が大きい 出所:NetDania
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