ユーちぇるのトレードフィットネスジム｜第6回大口の秘密、教えます

大口の動向を知ることこそがトレーダーが生き抜く最善策

　今回はチャートを動かす大口投資家に関するお話なんだわ。FX初心者は、大口に対する理解が著しく低い。ユーちぇるも初心者時代は全く知らなかった。

　当然のことだけど、資金量に限りのある個人トレーダーがいくら頑張って注文しようがチャートはびくともしない。

　トレンドを作り出すのは常に「大口」だ。個人トレーダー1万人が徒党を組んで同じ方向にトレードしても、大口の1機関が逆方向に取引すれば、個人トレーダー全員を損切りさせることだって可能かもしれない。

　ちなみにトレードは多数決だと誤解している人がいるが、本質は「人数」ではなく「注文量」だ。

　莫大な資金で運用している大口には、個人が束になっても勝てやしない。したがって、個人トレーダーの生き残る道は必然的に、「大口注文に波乗りすること」になる。

　ここまでいったら読者から「ユーちぇる、大口のポジション教えろよ！」って声が聞こえてきそうだけど、当然ユーちぇるもみんなと同じで1人の個人トレーダー。みんなが知ることができない特別な情報を知ってるわけじゃない。

　でも、大口の注文状況を知ることができたら有利にトレードできそうだよね。実は大口の注文状況は誰でもチェックすることが可能なんだ！

　それが「シカゴIMM通貨先物ポジション」。これは誰でも無料でリーチできる情報だから、FXトレーダーなら知っておかないと逆に損するだけ。

　このシカゴIMM通貨先物ポジションとは、米国のシカゴ・マーカンタイル取引所（CME）で取引されている通貨先物ポジションのこと。各通貨先物の出来高や売り買いの建玉の内訳が火曜日に集計され、その週の金曜日に公表される。

　さらに、ここで公表されるデータの中には貿易に関連した実需（Commercial）とヘッジファンドなどの投機筋（Non-Commercial）のポジション動向が開示される。

　もちろん俺たちが注目しなければならないのはNon-Commercialに含まれる大口の動向だ。

　IMM通貨先物ポジションは「全体相場の縮図」と形容されるほど、大口のポジションを反映している情報。大口のロングポジション量が多ければ大局は上昇トレンド。ショートポジションが多ければ大局は下降トレンド。これが基本的な捉え方。

　それと注目しておきたいのは、大口のポジション量が減り始めるタイミング。大口の利益確定が進んでいる可能性があるので、トレンド転換を疑う必要がある。

　さー、ここまで読んだら毎週末が待ち遠しくなるね。しかし、この情報で取引するには注意点が二つある。

　一つ目は情報に遅延性があること。週末に発表されるのは、その週の火曜日の取引終了時点でのポジション数。つまり、タイムリーな情報ではないということ。したがって、スキャルピングのような時間軸の短いトレーダーにとっては、ほとんど気にする必要性のない情報ということになる。

　ユーちぇるは時間軸の長いスインガーなので、IMM通貨先物ポジションは特に重視する。スインガーはトレンド転換の初動を取りにいくことが多いので、大口のポジション数の変化には敏感でなければならない。

　大口のポジション数が減少しているにも関わらず、チャートにその変化が反映されていないとき。これがスインガーにとっては大チャンス！　初動をとるべく自分のポジションを仕込む。

　トレンド進行後に大口のポジション数が減少しているということは、そこで利益確定している可能性が高いということ。トレンド転換の初動は大口の利確であることが多いためだ。

　そしてもう一つ注意しておかなければならない点は、あくまで先物のポジションであるということ。大口の中には手口がバレることを避けるために先物を利用しないこともあるのだとか。つまりデータを過信するのはダメってこと。

　まとめると、

●相場を動かしている大口のポジション量を調べるにはIMM通貨先物ポジションを参考にしよう

●トレンド進行時にポジション数が減少してきたら、大口が利益確定してきているということ

●ポジション数が減少しているのに、まだチャートに反映されていなかったらチャンス

　ではでは、今回はここまで。

※この記事は、FX攻略.com2020年10月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。

あなたに最適なFX会社･取引口座を見つけよう!!

「これからFXを始めよう」と思ったとき、意外と悩んでしまうのがFX会社、取引口座選びではないでしょうか？　でも大丈夫。ご安心ください。先輩トレーダー達も最初は初心者。みんなが同じ悩みを通ってきているんです。

10年以上にわたってFX月刊誌を出版してきた老舗FXメディア「FX攻略.com」編集部が、FX用語を知らない人でもわかるようにFX会社、取引口座のポイントを解説しました！

取り上げているFX会社は、金融商品取引業の登録をしている国内FX業者です。口座開設は基本的に無料ですので、まずは気になったところで2〜3つ口座開設してみて、実際に比べてみてはいかがでしょうか。

＼FX会社によって違うところをチェック／

スプレッド	FX取引における取引コスト。狭いほうが望ましい。
約定力	狙った価格で注文が通りやすいかどうか。
スワップポイント	高水準かどうか。高金利通貨の取り扱いの数。
取引単位	少額取引ができるかどうか。運用資金が少ないなら要チェック。
取引ツール	提供されるPC･スマホ取引ツールの使いやすさ。MT4ができるかどうか。オリジナルの分析ツールの有無。
シストレ･自動売買	裁量取引とは別に自動売買のサービスがあるかどうか。
サポート体制	サポート内容や対応可能時間の違いをチェック。
教育コンテンツ	配信されるマーケット情報や投資家向けコンテンツの有無。
キャンペーン	新規口座開設時や口座利用者向け各種キャンペーンの内容。