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FOMC声明の微妙な変化を嗅ぎ取る[雨夜恒一郎]

FX攻略.com ズバリ!今週の為替相場動向 2017年3月20日号

先週の米ドル/円相場は、米FOMCの利上げを織り込む形でドル買いが先行し、一時115.51円とおよそ2ヶ月ぶりの水準まで上昇。しかしFOMCが予想通り0.25%の利上げを決定し、メンバーの年末のFF金利予想(ドット・プロット)中心値が1.375%(今回を含めて今年3回の利上げ)に据え置かれたことから、材料出尽くしのドル売りとなり、112.57円まで反落した。

FOMC声明全文(ロイター)
イエレンFRB議長会見要旨(ロイター)

ドット・プロット・チャート 出所:FRB

筆者は、今回のFOMC声明とイエレン議長の会見が今後の利上げシナリオを強化するややタカ派的なトーンになり、ドット・プロットの中心値は1.625%(年4回利上げ)にシフトすると予想していた。しかし結果はそうなっておらず、読み違えたことを認めざるを得ない。トランプノミクスの実現性や効果が読めない中で、FRBが利上げペースを市場の期待以上に加速させるという読みにはやはり無理があったようだ。

今回のFOMC声明に、わずかなニュアンスの変化が

ただし、今回のFOMC声明をつぶさに見ていくと、第5パラグラフのフォワードガイダンスにわずかながらニュアンスの変化があったことがわかる。以下の2つのセンテンスを見比べてほしい。

(1)前回2月1日の声明:The Committee expects that economic conditions will evolve in a manner that will warrant only gradual increases in the federal funds rate.(委員会は、経済状況はFF金利の緩やかな引き上げしか正当化しない形で進むと予測する。)

(2)今回の声明:The Committee expects that economic conditions will evolve in a manner that will warrant gradual increases in the federal funds rate.(委員会は、経済状況はFF金利の緩やかな引き上げを正当化する形で進むと予測する。)

微妙な変更(onlyが削除されただけ)ではあるが、今回のほうが緩やかな引き上げに肯定的・かつ前向きであることが感じられると思う。

「緩やかな引き上げ」とは、FRB用語では通常3ヶ月毎の利上げを意味する。このまま経済が順調なら6月・9月・12月の会合でも0.25%ずつFF金利を引き上げ、年末には1.50~1.75%とする可能性もあるということだ。現にドット・プロット・チャートでも年4回の利上げに4票入っているし、FF金利先物は12月までに4回以上の利上げが行われる確率を25%程度織り込んでいる。この確率はFOMC前からさほど変わっていない。

12月FOMCでの利上げ確率 出所:CME

今回の結果は、タカ派的とまでは言えないまでも、少なくともハト派的ではなく、利上げ期待を後退させようとする意思は感じられない。したがって、より積極的な文言を期待した向きの失望売りさえ一巡すれば、ドルは持ち直していく可能性が高い。

FOMC声明、イエレン議長会見後のドル円展望

短期的に見ると、相場は参加者の期待値と結果が乖離していないと動かない。FRBが利上げしてもそれが市場の期待通りであればドルは上がらず、むしろ材料出尽くしのドル売りとなるのはやむを得ない。

しかし中長期的に見れば、ファンダメンタルズや金利差に逆行する動きが続くことはなく、景気が堅調で今後少なくとも数回の利上げが見込まれるドルが円に対して継続的に下落すると考えるのは合理的でない。

米ドル/円の上昇余地はなお残されていると見ており、この下落局面では買い場を探すスタンスで臨みたい。

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