女性トレーダーへのロングインタビュー企画第4回は、主婦として、そして母として家事をこなしながら、FXも両立して日々行っているえつこさんにお話を伺いました。始めたころの失敗から現在のトレードスタイルまで、これからFXを始めたい人必見の内容です。
えつこさんプロフィール
SEとして銀行や証券会社に勤務し、その後ソフト開発の会社も経営していたが、息子を妊娠後、専業主婦になる。今は専業トレーダーとなり、相場の勢いをつかむ方法を独学で学び、毎日トレードに励んでいる。FXの利益で、発展途上国の子どもたちや貧困層や老人を援助する財団を設立するのが夢。
■えつこさんのブログ|えつこのFX日記~FXで家計にゆとりを~
チャートの記録がFXルール確立へのカギ
編集部 FXを始めたきっかけは?
えつこ 最初は姉の勧めです。試しにチャートをのぞいてみると本当に面白くて、現実でトレードする前に“バーチャルFX”で練習してみたんです。すると1回のエントリーで35万円儲けました。
たった30分でそれだけの儲けを得られるのは以前、会社を経営していた経験からも、すごいことだと思い、それから本格的に始めたんです。不安はなく、魅力的な投資としか考えてなかったですね。
編集部 当初の目標は?
えつこ 会社を経営していたのですが、そのときのような毎月数百万円を目標にしました。主人の収入だけに頼り、お金の負担をかけることが嫌だったからです。
資金は25万円から始めました。当時は一方通行のトレンドだったこと、よく動く欧州時間に取引していたことが功を奏し、毎日利益がとれていました。それに気を良くして、次は一日中トレードするようになったんですが、その途端損ばかりするようになってしまったんです。順調に増えていた利益が減り、このままではいけないという焦りから、自分で真剣に勉強するようになりました。
編集部 徐々に不安を感じ始めたのですね。では、どんな勉強をしたのでしょう。
えつこ 毎日のように利益を出しているという有名なブロガーさんに、質問を重ねました。でもFXに関係のない質問への回答がある一方、具体的な質問、例えば「どうしてこのポンド/円でエントリーしたのか」といったものには答えてもらえませんでした。そこで答えは自分で探すしかないと考えたんです。
もともと書き物は好きだったのでチャートが大きく動く時間をメモにとり、一緒に指標発表も見るようにしたんです。すると、大きい動きと指標発表の時間帯が重なっていることに気付きました。またその大きい動きは、欧州時間かNY時間と決まっていることも同時に分かったんです。
編集部 相場の特徴に気付いたと。
えつこ でも動く時間帯や指標が分かっても、チャートを見て咄嗟の判断ができなかったんです。それでエントリーのルールが必要だと気付き、FXに関する多くのブログを調べました。
その中で、いろいろな質問に丁寧に答えているWaash(ワッシュ)さんのブログに出会ったんです。取引ルールについて質問すると、動いているときだけエントリーするということを教えてくださりました。またADXDMIとBBand Width Ratioというテクニカル、その判断の仕方も丁寧に教えてくれたんです。
編集部 初めて、明確な取引ルールを知ったと。
えつこ 「動いているときにだけエントリー」というのは、自分が漠然とノートにとっている内容と一致すると思いました。また二つのテクニカルは、私がまさに知りたかった、チャートの動くタイミングを分かりやすくしてくれるものでした。
ADXDMIとBBand Width Ratioは、今でも私が愛用する、トレードの勢いを見るためのテクニカルです。Waashさんはブログを閉じてしまいましたが、私の求めていた答えがありました。そのブログと出会えて運が良かったと今は感じています。
家事・子育てとFXの両立も可能
編集部 今の生活の中でFXにかかわる時間はどれくらいですか?
えつこ チャートは月曜日から金曜日までずっと立ち上げているので、その意味では平日の24時間、FXとかかわる生活だといえます。パソコンの前に張り付くのではありません。相場に勢いが出たというルールに当てはまったときにMT4のアラートが鳴るようにしていて、その合図でチャートを確認するスタイルです。
とにかくチャートを見ることが大好きで、チャートなしの生活は考えられないくらい。無いとそわそわしちゃうんです。外出時はMT4を見られず、別環境のスマホでしかチャートを確認できませんけど、それだけでも私は安心します。それほど私にとってFXは生活の全て、ライフスタイルなんです。
編集部 頭の中には常にFXのことがあるのですね。
えつこ はい。チャートの動きが予測できるということに、優越感を覚えます。世界中のプロのディーラーさんと同じレベルに立ち、そこで利益を出せると、自分に自信がつくんです。
編集部 では、主婦や女性がFXを扱うことに対する考えをお聞かせください。
えつこ 主婦の方はまず生活費の足しのために、また子どもの学費のためにという目的をもっているでしょう。欧州時間に家にいるためサラリーマンより取り組みやすいという内容の記事も、雑誌や本にありますね。私も、しっかり利益がとれるようになれば、これほど良い方法はないと思います。
でもメリットだけではないことも事実なんです。チャートを読めなかったりトレードルールが確立されていないうちからお金を投じてしまうことが、主婦の失敗するケースとして多く挙げられます。それでご主人に怒られたり、子どもに優しくしてあげられなくなったりと、家庭環境の悪化につながる可能性もあるため、リスクは大きいと思います。
一方でトレードルールやその他の基本を習得できれば、主婦にはとても向いている投資だとも思うんです。小さいお子さんがいる場合、外に働きに出るのではなく、子どもとの時間を過ごしながら、お金を稼ぐことができます。簡単なことではないですが時間の融通が利くので、子育てとの両立も可能です。
「損をして当たり前」 の風潮を無くしたい
編集部 これからはFXとどのように付き合っていきたいと考えていますか?
えつこ 現在はFXに関する情報を発信する立場にいるので、皆さんに利益を上げてもらうように、できるだけ損をしないように教える使命があると感じています。私の元には多くの人から損をしたという連絡があります。その金額はどれも大きいのが特徴なんです。
投資の世界は損をして当たり前という風潮があり、FXでは特にそれが強く感じられます。でも一生懸命貯めたお金を一瞬で失ってしまう人がいる現実を、私は認めたくありません。できるだけたくさんの方が利益を増やし、損を最小限に抑えられるようお手伝いをしたいです。そして利益をとれるようになったときの嬉しい気持ちや心の余裕を味わってほしいんです。
編集部 これからFXを始めようとしている女性に対して、アドバイスやメッセージをお願いします。
えつこ FXは簡単に利益がとれる投資ではないです。これは確実にいえることなので、それをまず知っていただきたいです。ネット上には楽して儲けられると謳う情報が多いようですが、そんな甘い言葉にだまされてはいけません。
後は、勉強すべき事柄が多いということも確かです。一つはテクニカル、もう一つはファンダメンタルズです。それらの知識は膨大ですが、FXに勉強は必要不可欠だということを念頭に置き、頑張ってください。(インタビュー収録:2016年11月22日 取材・文:尾崎響子)
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おまけ〜インタビューこぼれ話 うまくいかなかったエピソード
スタイルが揺るぎそうになったことがなかったわけではありません。自分がこのテクニカルだと思っていたのに、予想していた方向にトレンドが続かない場合はどうしてだろうと思います。自信をもってエントリーしたにもかかわらず思い通りにならないことは何回かあって、そのときはだめなのかな、と弱気にもなりましたね。
しかし、なぜそうなったのかを追及する形で対処していきました。自分で過去のチャートをさかのぼって調べないと、納得がいかなかったんです。そうしていくと、例えば指標発表があると結果的には動くのですが、普通トレードをする人は様子を見るため、最初の段階ではレンジ相場になるということに時間をかけて気付きました。
※この記事は、FX攻略.com2017年4月号の記事を再編集したものです
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取引ツール | 提供されるPC・スマホ取引ツールの使いやすさ。MT4ができるかどうか。オリジナルの分析ツールの有無。 |
シストレ・自動売買 | 裁量取引とは別に自動売買のサービスがあるかどうか。 |
サポート体制 | サポート内容や対応可能時間の違いをチェック。 |
教育コンテンツ | 配信されるマーケット情報や投資家向けコンテンツの有無。 |
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