FXで勝つにはテクニカル分析が必要不可欠、と思い込んでいるトレーダーも少なくないようですが、それは誤解です。テクニカル分析いらずで、しかも利益が見込めるトレードアイデアは存在します。そんな有効性の高い戦術を、ゆったり為替さんに教えてもらいました。
※この記事は、FX攻略.com2018年7月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
この手法のポイント
トレードの手順
- 月曜7時のチャートが動き出す少し前から、窓があきそうかどうかをチェック
- 窓が10pips以上あいたら、それを埋める方向へエントリー
- 【損切り】利確と同じ値幅 【利確】前週金曜日の終値(またはその日の終値)
狙い目の通貨ペア
- スプレッドの狭いドル円やユーロドルがお勧め
メリット/デメリット
- メリット:月曜7時に取引するか否かを判断できる。ルーティーンにしやすい
- デメリット:勝率は約6割と高くなく、連敗が起こり得る
注意事項
- 月曜日は年に約50回で、そのうち10pips以上の窓があくのは3~4割。つまり、トレード機会は少ない
- 期待値への理解が必須
- 連敗しているときにメンタルが試される
- 7時ジャストに取引したいので、ツール操作への慣れや反射神経が必要
窓あきトレード解説
着実に資産を増やせる技!
普段はスワップ派の超長期投資を、資産形成の主軸に据えるゆったり為替さん。今でこそ、超長期の投資家としてご自身のスタイルを確立していますが、かつてはさまざまな短期トレードの手法を考案しては検証するを繰り返し、いくつかの優位性の高い手法を編み出していたとのこと。今回はそんな中から、「簡単で実行しやすく、着実に資産を増やせる技」を教えてくれました。
その手法とは、窓あきトレードです。見聞きしたことのある人が多いトレードアイデアかもしれませんが、ここでは基礎的な部分から整理して紹介します。
窓あきとは、前週金曜日のニューヨーク市場の終値から、土日のお休みを挟み、そして当週月曜日のオセアニア市場の始値との間で、価格のギャップ(窓)が生まれること。例えば、前週金曜終値が120.00円、当週の月曜始値が120.20円でスタートしたとき、ローソク足にギャップが生まれるため、これを窓があいたと表現します。
そしてこの窓は、埋められるという傾向があります。すなわち、上に窓があけば下落、下に窓があけば上昇して、ギャップを埋める値動きをするのです。その傾向を狙おうというのが、この窓攻めトレードの骨子です。
簡単ではあるが出番は限られる
手順としては、毎週月曜日の朝7時前から、チャートおよび発注画面の前にスタンバイ。そのとき、早朝のオセアニア時間の初動から窓の性質を確認し(ポイント4参照)、そして10pips以上の窓があいたら、それを埋める方向へ7時00分台に発注します。
このように、とてもシンプルな手順であるため、すぐに実戦投入したいところですが、取引機会は限られます。「単純計算で、月曜日は年に50回で、そのうち10pips以上の窓があくのは3~4割。つまりチャンスは年に15~20回くらいです。長期的にみて、ゆっくりと資産が増える手法なので、退屈と感じる人もいるかもしれません」とゆったり為替さん。
確かに、資産を大きく増やしたいという回転売買派には、この手法一つというのはゆったりしすぎかもしれません。その一方で、低リスクで着実に資産を増やしたいという人には、検討できる手法だといえますし、回転売買派もメインとしてではなくサブの武器として使えそうです。
ゆったり為替さんは手法のポイントを、次のように教えてくれました。 「この手法は、勝率は約6割と、決して高くありません。長期的に見れば資産は増えるという検証データがありますが、連敗はつきもの。その短期的な連敗で諦めないように注意してほしいです。連敗にめげず、期待値を追いかける姿勢を変えなければ、資産は増加していくと期待できます」
ポイント1|窓とは何か?

本来ローソク足は、前の足の終値が、次の足の始値になるもの。そうではなく、前の終値から乖離した価格で次の始値がスタートした場合を、窓と呼びます。
ポイント2|なぜ窓があくのか?
窓があく理由はいくつかあり、土日に大きなニュースがあるとそれに反応した注文が急増すること、イスラム圏では土日でも取引が行われること、などが挙げられます。
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ポイント3|ある月曜日の窓あきの事例


窓が大きくあくのはそう多くないこと
月曜早朝にあく窓は、数pips程度のときもあれば、50pips以上になることも。ここでは窓あきが顕著な例を挙げましたが、実際には10pips未満のときが大半です。窓あきは、土日のニュースに反応することが多いので、週末は為替に影響を及ぼしそうなニュースに気を配りましょう。
ポイント4|要注意! 同じ窓に見えても、形成過程が異なることも

- 【A】金曜終値から月曜3時のオープン時に窓があき、そのまま7時を迎えるケース
- 【B】金曜終値から窓はあいていないが、月曜3時からの値動きにより窓があいたように見えるケース
この手法ではAを対象とし、Bは見送ります!
日本のFX業者の大半は、月曜の朝7時から動き出します。すなわち、チャートも朝7時から動き出すわけですが、注意したいのはそれよりも前から、月曜日のオセアニア市場が始まっているということ。そのため、本当に窓があいたAのケースと、実は窓があいていないBのケースがあります。
ポイント5|月曜の7時より前の値動きを知る方法は?
方法①
- グローバルインフォ24(GI24)などの為替情報配信から、月曜早朝のオセアニアの動きをチェック
- 数多くのFX会社は、GI24をはじめとする為替情報配信を、無料でユーザーに提供しているので、それを利用しましょう
方法②
- 月曜朝7時よりも前から動いているブローカーのチャートを確認
- サクソバンク証券やIG証券はオセアニア市場からチャートが動いているのでこれらを利用
オセアニア情報を得るのは簡単!
本当の窓か否かを判断するためには、月曜早朝に始まるオセアニア市場の情報をチェックします。為替情報配信会社のニュースを読むか、7時以前からチャートが動くFX会社をチェックすると良いでしょう。
窓攻めトレードの手順


- 月曜7時のチャートが動き出す少し前から、窓があきそうかどうかをチェック
- 窓が10pips以上あいたら、それを埋める方向へエントリー
- 【損切り】利確と同じ値幅 【利確】前週金曜日の終値(またはその日の終値)
コツコツ貯めるか、金額を取るか!? 2系統の戦略
トレード枚数を固定にする戦略
- どんな場合でも最初に決めた枚数を貫き通す
窓が何pipsであろうとも、一定の枚数で取引する、枚数固定型の戦略です。こちらの場合、大きな窓があかないと利益が小さくまとまってしまうので、退屈に感じる人もいるかもしれません。
メリット
- 目標利益を固定する場合に比べ、簡単に取引できる
デメリット
- 窓が大きいときに負けると、挽回に時間がかかる可能性
- 枚数を変更したくなる
目標利益を1万円に固定する戦略
- 10pipsの窓なら、10万通貨取引
- 20pipsの窓なら、5万通貨取引
- 50pipsの窓なら、2万通貨取引 など
1回の窓攻めを、1万円の勝ちor負けとする、利益固定型の戦略です。1万円という固定値と、窓の値幅から、取引する枚数を求めます。
メリット
- 毎回の損益額がおおむね一定なので、勝率が50%超ならば損益合計はプラスになる
デメリット
- 資金管理が必須
窓攻めトレード例①|ドル円15分足/2018年4月16日(月曜)

- 月曜の朝6時半からオセアニアの情報をチェックし、窓があいていると確認。7時に10pips以上の上窓があいた!
- 上窓を埋める=下落を狙ったショートでエントリー
- 利確は107.32円に設定。損切りは利確幅をエントリーから上方にとった107.64円に。結果として、窓を埋めたところで決済となりました
窓攻めトレード例②|ドル円15分足/2018年4月23日(月曜)

- 月曜の朝6時半からオセアニアの情報をチェックし、窓があいていると確認。7時に10pips以上の上窓があいた!
- 上窓を埋める=下落を狙ったショートでエントリー
- 利確は107.66円に設定。損切りは利確幅をエントリーから上方にとった107.86円に。結果として、窓を埋めたところで決済となりました
1年間の成績(2017年5月~2018年4月)

52回中、11勝4敗(205pips勝ち、95pips負け)
※数値はGMOクリック証券FXネオのヒストリカルデータより、小数点第三位を切り捨てて使用。実戦結果は、7時00分台に注文したと仮定し、スプレッドやスリッページを考慮しない場合の数値です。
※この記事は、FX攻略.com2018年7月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。



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\FX会社によって違うところをチェック/
スプレッド | FX取引における取引コスト。狭いほうが望ましい。 |
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約定力 | 狙った価格で注文が通りやすいかどうか。 |
スワップポイント | 高水準かどうか。高金利通貨の取り扱いの数。 |
取引単位 | 少額取引ができるかどうか。運用資金が少ないなら要チェック。 |
取引ツール | 提供されるPC・スマホ取引ツールの使いやすさ。MT4ができるかどうか。オリジナルの分析ツールの有無。 |
シストレ・自動売買 | 裁量取引とは別に自動売買のサービスがあるかどうか。 |
サポート体制 | サポート内容や対応可能時間の違いをチェック。 |
教育コンテンツ | 配信されるマーケット情報や投資家向けコンテンツの有無。 |
キャンペーン | 新規口座開設時や口座利用者向け各種キャンペーンの内容。 |