値動きが分かりやすいトレンド相場と比べて、中間波動の値動きは複雑で難しいと感じている方も多いと思います。そこで今回は、神藤さんに中間波動で起こり得る値動きの重要な二つの概念について教えていただきます。中間波動の概要をつかむことは攻略の第一歩になるので、しっかり理解しておきましょう。
重要な二つの概念とは?
皆さんこんにちは。TradingViewでアイデア投稿をしている神藤将男です。皆さんの応援のおかげで、アイデア投稿ランキング1位(通期)を維持させていただいています。前回、中間波動を攻略するためのメソッドとしてトライアングルについて説明しました。今回は中間波動を攻略するために絶対に理解しておくべき重要な二つの概念を説明します。
トレンド相場の動きは分かりやすく、かつ利益も大きく取りやすいのが特長です。なぜなら、トレンドラインやチャネルラインに沿った分かりやすい動きとなるからです。ところが、中間波動が始まるとトレンド相場のときと打って変わって分かりづらい動きをし始めます。
より具体的に説明すると、上昇トレンドのときは「買い」にエッジ(優位性)がある状態ですので、一方向に相場が展開されていきます。ところが、ある程度上昇すると、「高い」と感じる投資家が出始めます。そうすると、買い方が利益確定の売りを出すことで価格が下降していきます。大多数の投資家がトレンド転換したと感じれば大きく下がりますが、そうでないときは一時的な調整で終わります。けれども、その疑心暗鬼的な攻防がしばらく続くことで分かりづらい動きが続くのです。もちろん、この攻防はいずれ決着のときを迎えます。それが、トレンド転換ではなくトレンド継続であると投資家が感じると買いの勢いが増してくるので再び分かりやすく上昇をし始めます。下降トレンドの場合はその逆の動きです。
相場は心理戦であり、買い方と売り方の熾烈な戦いですので、どれだけ大きく上昇する相場でも一時的な調整局面が入ってくるのです。そのときに、トレンド相場のように分かりやすく決まった調整の仕方をしてくれれば、その局面で右往左往する必要はありませんが、調整のパターンは数が多く複雑で分かりにくく動くので、多くの投資家が振り回されるのです。
しかし、ここで二つの大きな概念を理解することで、まずは中間波動を攻略する一歩を踏み出すことができます。それは、値幅調整と日柄調整という考え方を理解することです。初めて聞かれる方は難しく感じるかもしれませんが、非常に簡単なので心配はいりません。では、値幅調整と日柄調整がどういったものか見ていきましょう。
値幅調整とは?
値幅調整とは、例えば上昇相場がしばらく続くと買い方の利益確定売りが出てきます。その流れが一巡するまで価格は下降します。そのときの下降の値幅がそれなりに出ることからといいます(チャート①)。そこから、流れが一巡し割安と感じた投資家の買いが出てくるとまた切り返して上昇していきます。
つまり、値幅調整が始まったときはトレンド転換したと勘違いするトレーダーが多く出てくるのです。なぜなら、価格が下降することでまとまった振るい落としが起きます。また、値動きも早いので慌てた買い方は決済をし、売り方も慌てて新規売りを出します。ところが、その流れは続かずに再び元のトレンド相場に戻っていきます。そのスピード感から、再びトレンド相場に戻っても再参戦できない方が出てきます。その仕組みを理解していれば対応できますので、慌てる必要がなくなります。
日柄調整とは?
日柄調整とは、調整をするときに値幅調整と違って大きく価格が下落するのではなく、価格が小さく上下しながら横ばいに推移する動きのことをいいます。もみ合い相場のような動きをするといえばイメージがしやすいかもしれません。
この日柄調整は、期間が長かったり短かったりと終わりを予測することが難しいのが特長です。ですが、ご安心ください。予測が難しくても日柄調整に入れば、価格が横ばいで推移しますので、その間はトレードを休憩するか、上級者の方は短期トレードに切り替えれば大丈夫です。そして、その調整局面は終わりを迎えトレンド相場が復活します。ここでは大きなローソク足が出現したり、主要な高値や安値を更新したりします。そういった動きがトリガーになりますので、そこからトレンド相場を取りに行けば良いのです。
このように、中間波動には値幅調整と日柄調整という二つの大きな概念があり、そのことをまず理解することで中間波動の攻略の第一歩が始まります。非常に大事なことですので、何回も読んでこの本質をチャートで確認しながら理解していきましょう。
※この記事は、FX攻略.com2019年11月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
※当連載で使用している「中間波動」は、「一目均衡表」における中間波動とは一切関係ございません。
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