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FX力を鍛える有名人コラム

決戦は明日!ビッグイベントに向けて準備を[井口喜雄]

トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。

明日6月8日はECB理事会、コミー元FRB長官議会証言、英選挙とビッグイベントが控えております。予想困難なイベントに備えてしっかりと準備をしていきましょう。また、イベント前は強烈なボラティリティから身を守るため、ポジションを縮小、もしくはスクエアにしておく事をお勧めします。

ECB理事会はどちらに転んでもユーロロングに変化なし

 

ECB理事会のポイントはECB金融緩和継続のスタンスに変更があるかどうかです。ECBが前回と同じスタンスであれば出口期待が剥落して大きくユーロが下落します。一方、出口に向けた文言修正等が確認できれば大きくユーロが上昇するというのが基本シナリオです。

しかし、根底には近い将来出口に向うのではないか(ドイツの出口意向を無視できない)という下支えがあるので今回ECBのかじ取りがどちらに転んでもユーロ買いを考えています。金融緩和継続のスタンスに変更がない場合も絶好の押し目買いと捉えることが出来ますし、出口に向けた文言修正があれば上昇を確認してからでもユーロ買いは遅くないように思います。

不透明な要因であるイタリアの選挙は足かせになりますが、今秋の選挙であればもう少し先のシナリオになり、短期的なスタンスとしてはユーロロングに変わりはありません。

コミー元FRB長官の議会証言について

 

トランプ政権にとって明日は正念場になるかもしれません。ロシア当局の関係についての捜査を終わらせるよう、コミーFBI前長官に圧力をかけた問題で明日はこの内容について議会で証言をします。直近でABCニュースが伝えたところによるとコミー氏は、トランプ大統領による司法妨害とまでは言及しないのではとの報道があり、無難に通過できればトランプ政権は土俵ぎわで何とか持ちこたえることができそうです。しかし、仮にFBIに対して圧力をかけ、捜査妨害をしたといったサプライズ証言が飛び出すようなら、トランプ政権は窮地に追い込まれます。

現在も支持率低下から厳しい状況のなか、更なる追い打ちがあれば、もはや政権をまとめるのは不可能との声が高まります。最悪のシナリオとしてトランプラリーでの上昇分が剥落することです。ドル円であれば105円台が視野に入ってくることも大げさではありません。リスクシナリオになった場合、ドル円の割安感から押し目を拾う作戦は危険が伴いそうです。

英選挙はシナリオ通りにはいかない!?

 

昨年のBrexitを思い出すとイギリスは世論調査の結果を鵜呑みにはできませんが、「保守党が約20議席を減らして過半数を失う」「保守党は過半数に21議席足りない」といった接戦が予想されており、不透明感は高まっています。

正直Brexitや米大統領選で予想を外した経験があるので選挙がどうなるかの予想をすることはやめておきます。大切なのは選挙後のシナリオとなりますので一旦状況を整理しておきます。

①保守党勝利→ポンド高
②保守党敗北→ポンド安

大きく分けるとマーケットコンセンサスはこの2択になります。

しかし本当にそうでしょうか。

当初は保守党の圧勝によりメイ首相の求心力が高まり、EUに対する交渉力も増すとの見立てでポンド上昇というシナリオでした。しかし、保守党が圧勝できるかは不透明であるほか、保守党が勝利した場合ハードBrexitとなる可能性があり、保守党の勝利が逆にポンド安へと向かう可能性は否定できません。

一方保守党が敗北した場合も労働党の政策がソフトBrexitであるため、ポンド買いで反応することもあると思います。選挙の結果を受けて瞬間的には「保守党勝利→ポンド高」「保守党敗北→ポンド安」にふれるとは思いますが、そこからは逆の値動きになるような展開があるのではないでしょうか。

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