当企画は、投資家の眞壁憲治郎さんが募ったトレーダーの皆さんにFXで「わらしべ長者」を目指していただこうというもの。「労働者から資本家へ」をテーマに掲げ、参加者が知識と技量をしっかりと身につけながら、わずかな資金からでも大きく勝てるようになっていくことを目標としています。
資金筋のタイプと個人投資家の傾向
眞壁 この企画は参加者に課題を出し、「トレードを熟達させるためのプロセス」をたどる形式となります。前回は「相場では需給があらゆる材料に優先される」という話をしました。為替や株価は経済状況そのものよりも中央銀行の政策で大きく変動します。ここには「価格が動くほどの資金筋」と「値動きに翻弄される個人投資家」の存在があります。資金筋には「リスクの低いところにマネーを入れる(利確も損切りもしない)」と「個人投資家のロスカットを狙って価格を動かす」というタイプがあります。一方で、個人投資家には「上がれば売り、下がれば買う」「含み益は早く確定し、含み損は大きくなっても耐えようとする」「含み損が許容額を超えると強制決済される」という傾向があります。こうした値動きの裏にある原理を理解できるようになれば利益を得られるチャンスも増えます。例えば、最近のドル円のチャートを見るだけでもこのように考えられます(チャート①)。
まず一度リバウンドした価格帯ではよく二度三度とリバウンドします。これは利確し損ねた仕掛け筋が慌てて利確しているとみます。しかし、大きな含み損を抱えている個人投資家がいると遅かれ早かれロスカットを巻き込むような暴落が起きます。そして、大底をつけてから本格的なリバウンドが入り、上昇に転じるわけですね。トレーダーなら誰しも見たことがあるはずです。
松永 私はこの一年で何度も経験しました。昨年末に買ってロスカット、今年に入ってからは売ってロスカットされました。この夏の暴落も以前のようにポジションを入れていたらロスカットされていたと思います。
眞壁 松永さんは前回、ボリンジャーバンドで逆張りする手法を話していましたが、それがまずいということは理解できたと思います。仲岡さんは今の話でローソク足の見立てが変わったのではないですか?
仲岡 知識では知っていたはずなのに、いわれて思い出しました。
次にどう動くか兆候を見つける
眞壁 第1回の講座で「知識の死蔵」という話をしました。これは新渡戸稲造(1862〜1933年)の著書『修養』から引用したもので、さまざまな知識を学んだ人が何もなさずに世を去ったという逸話が冒頭に書かれています。相場においては、経済学や金融学で有名な教授が投資で億万長者になったという話は聞いたことがありません。
松永 本当ですね。
仲岡 相場は経済学ではなく、需給で動いているから、ということですか?
眞壁 そうですね。相場で利益を得るには値動きの仕組みを理解し、その上で「次にどう動くか」という兆候を見つける必要があります。全く予想がつかないときは何もせずに待ちましょう。重要なのは「トータルで勝つ」ということです。例えば、破産確率が3%だとしても、10回トレードすれば30%になります。そうなると1日10回なら1週間以内、1週間に10回でも1か月で破産することになります。その手法に破産する可能性があれば改めなくてはいけません。
仲岡 早目に損切りということですね。
松永 重要ですね!
目標と計画から運用スキームを組む
眞壁 損切りに関しては利益との値幅、勝率と損益というオッズを考慮することになります。これは次回にお話しするとして、先に運用スキームを組むことにします。今後の流れとしては
①目標を立てる
②実現可能な計画に落とし込む
③手法・技能を高める
です。今回は①と②を同時に取り組んでいただきます。ということで、第3回の課題です(下画像参照)。
松永 開始額は最小が15万円なのですか?
眞壁 前回「100円の利確でも1万回達成したら100万円になる」と話しましたが、これは時間がかかりすぎて現実的ではありません。市場を読み取って利益を得るにしても、数百円を稼ぐ程度ならアルバイトをしていた方がマシです。
仲岡 確かに(笑)。1日1万円、月間で20万円は欲しいですね。単月で負けることも考えれば2倍から3倍は必要かと。
眞壁 これから作成していただくスキームは運用資金を積み上げていくものなので、生活費として使うのはまだですが、物事は最初に立てる計画が肝心です。今の内に先々まで計画するのがよろしいでしょう。
仲岡 分かりました。私は3年後に1000万円の純資産を作りたいと考えています。100万円で始めるつもりですが、可能でしょうか?
眞壁 それこそ今回の課題を通してご自身で計算してみると方針が立てられるはずです。
松永 私は50万円で計算してみます。
眞壁 はい。運用スキームの概要と詳細、作成用のExcelなどはメールマガジンでも配布しています。次回は計画を立てた上での成績結果を発表してください。
※この記事は、FX攻略.com2019年12月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
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取引単位 | 少額取引ができるかどうか。運用資金が少ないなら要チェック。 |
取引ツール | 提供されるPC・スマホ取引ツールの使いやすさ。MT4ができるかどうか。オリジナルの分析ツールの有無。 |
シストレ・自動売買 | 裁量取引とは別に自動売買のサービスがあるかどうか。 |
サポート体制 | サポート内容や対応可能時間の違いをチェック。 |
教育コンテンツ | 配信されるマーケット情報や投資家向けコンテンツの有無。 |
キャンペーン | 新規口座開設時や口座利用者向け各種キャンペーンの内容。 |