FX女優である陽和ななみさんがトレード成績向上を目指してFXのスペシャリスト山中康司さんからFXで利益を出すために必要な全てを皆さんと共に学んでいきます。今回はテクニカル分析の基礎について教えていただきます。
テクニカル分析とチャートの種類
陽和 山中先生にFXの知識を叩き込んでいただいている「ななみんと学ぶFX」ですが、今回からテクニカル分析に突入します。山中先生よろしくお願いします。
山中 まず初めに、テクニカル分析とは何だと思いますか?
陽和 チャートから値動きなどを分析することですか?
山中 おおむね正解ですが、詳細にいうとテクニカル分析とはオープン、ハイ、ロー、クローズの4本値、そして出来高の五つを材料に将来の価格を予測する手法です。
陽和 FXでは主に高値、安値、始値、終値の四つで分析することになりますね。
山中 そうですね。ななみんは普段どんなチャートを見ていますか?
陽和 私は主にローソク足や平均足を見ています。
山中 それらも含めて今回は、さまざまなチャートの種類を見ていきましょう(画像①)。まず、チャートの中で一番簡単なのは終値だけを結んだ折れ線グラフのラインチャートです。ラインチャートは高値や安値がどんなに大きく動いたとしても終値しか表示されないので、特殊な用途になります。例えば、上ヒゲが高値を更新しているけれども終値は高値を更新していない場合、高値の表示は省かれます。終値を重視している人は、これをあまり勢いのない高値として扱えるのでラインチャートを利用します。
バーチャートとローソク足の見方
山中 今では圧倒的にローソク足を使う人が多いですが、米国ではみんなバーチャートを使っていました(チャート①)。
陽和 バーチャートとローソク足はどのような違いがあるんですか?
山中 それぞれメリットがあるので、使い分けてください。ローソク足とバーチャートの最大の違いは、始値から終値の範囲を四角形で描いた実体部分があるかないかです。ローソク足には実体部分があるので横幅が必要ですが、バーチャートは一本の線なので形を圧縮することができます。例えば、同じ画面に4倍の期間を表示するとローソク足では潰れてしまいますが、バーチャートは潰れません。
他にも、ローソク足にはヒゲがあるので、より長期のトレンドラインを引く場合は実体部分とヒゲの部分で悩まないバーチャートの方が引きやすいです。
陽和 バーチャートは線の上や下をつなぐだけなので分かりやすいですね。
山中 そうです。海外の人はよくバーチャートを見ているので、トレンドラインはヒゲなどを気にせずに引くのが基本です。
次は、日本で一般的に使われているローソク足です(チャート②)。ローソク足を見るときには、陽線や陰線の実体部分が小さく、上下のヒゲが長い足型には気をつけてください。チャートを見ると流れが変わるときに現れることが多いです。2本のローソク足でそのような足型になる場合も注意が必要です(画像②)。
陽和 例えば、日足で1日に上がった分だけ翌日下げた場合などですね。
山中 その二つを一つのローソク足で表すと十字線になります。
陽和 始値と終値が同じ位置に来ている状態ですね。
山中 このような足型はローソク足だけでなく、バーチャートにもあり「2デイ・リバーサル」といいます。ローソク足にはいろいろなチャートパターンや足型がありますが、バーチャートはそれほど多くありません。その中でも多くの人が注目しているのが2デイ・リバーサルです。チャートは日本人だけではなく海外の人も見ているので、海外の人がどのような足型を気にしているのか意識する場合には2デイ・リバーサルのような足型も覚えておきましょう。
陽和 もちろん、十字線の足型が出ても気をつけるべきですね。
山中 長い線は大きく動いて目立っていますが、そうではない実体部分の短い線も気にしておくと良いでしょう。ただし、実際に足型を見るのは職人芸の世界です。
陽和 酒田五法などもそうですよね。
山中 はい。最初にテクニカル分析を学ぶときに「ローソク足とは? 陰線・陽線とは?」と説明されることが多いですが、実際にチャートのみで足型を読むことはとても難しいので、そこからいろいろなテクニカル分析が考えられるようになりました。
平均足の仕組みから特長と注意点を知る
山中 次は平均足です(チャート③)。ローソク足よりも陽線と陰線の区別がつきやすく、上げ下げがはっきりと分かるのが特長です。このチャートでは赤が陽線、青が陰線になります。一度陽線・陰線がつくと連続しやすいので、トレンドの継続を見極めやすくなります。
平均足の見方としては、「陽線は買い、陰線は売り」が基本中の基本です。唯一気をつけなければいけないのは「上ヒゲのある陽線が強い買い、下ヒゲのある陰線が強い売り」を示すことです。反対に「陽線に下ヒゲがつくと買いに陰り、陰線に上ヒゲが出てくると売りに陰り」が出てきたことになります。
陽和 確かに、このチャートでも陰線に下ヒゲがあるときの価格はどんどん下がっていますね。
山中 その後、陰線に下ヒゲが出ているけれども上ヒゲも出てきています。陽線に上ヒゲがついていると強い買いになりますが、高値付近の陽線には下ヒゲも出てきていますよね。こちらは実体も短くなっています。
前日より実体部分が短くなるとトレンド変化の兆しで、非常に短い実体部分になればトレンド変化になります。これらの部分に気をつけて見ると、平均足で細かく分析することができます。ローソク足と比べると覚えることは少ないので、この五つのルール(画像③)を覚えておくと使い勝手が良くなります。
陽和 ローソク足の場合は、上ヒゲが長く出ていると一度価格が上がった後に売られているので、上値が重いとされますよね?
山中 平均足は反対に強い買いを示します。ここはローソク足と逆なので気をつけてください。なぜそうなるかというと、ローソク足と平均足では足の成り立ちが違うからです。最大の違いは何だと思いますか?
陽和 平均足は前の実体のちょうど平均値から始まるところでしょうか?
山中 そうですね。平均足は前の足の実体部分の平均値から始まりますが、実際に次の足の値動きがそこからついているわけではありません。ローソク足は実際にその期間のレンジを示すのに対し、平均足は架空のレンジになります。実際の値幅も考慮するならローソク足を見るのが良いですね。平均足はトレンドが分かりやすいですが、実際のレンジではないことに要注意です。
ポイント&フィギュア
山中 日本で一番古いテクニカル分析のチャートはローソク足ですが、米国で一番古いチャートは何だか分かりますか?
陽和 先ほどのバーチャートでしょうか?
山中 ポイント&フィギュアです。これは時間を無視して値動きだけを記録する非時系列系のチャートです。そのタイプの方が歴史的には一番古く、その後にバーチャートが登場します。米国は先物取引も多くテクニカル分析の本場ですが、一番古いのはポイント&フィギュアになります。
陽和 時系列・非時系列という言葉は初めて聞きました。
山中 時系列系のチャートである日足のローソク足であれば1日に1本、1時間足なら1時間に1本形成されます。それに対して非時系列系のチャートは時間を無視するので、1列で5日分かもしれないし、5列で1日分かもしれません。
陽和 非時系列系チャートは価格の値動きだけに着目したチャート、ということですね。
山中 そうです。時系列系のチャートでは価格が大きく上昇し、その後もみ合いがずっと続けばその部分はどんどん横に伸びていきます。ですが、非時系列系のチャートは上昇に何日かかろうと1列で表示されます。では、最後にポイント&フィギュアのチャートを見ていきましょう(チャート④)。
陽和 ○×で表示されていますね。
山中 ×が上昇で、○が下降です。これはポイント&フィギュアの一般的な表示方法ですが、他の記号でも代用できます。
陽和 自分の見やすい記号にしても良さそうですね。
山中 上昇・下降を分かりやすく上下の矢印にしても良いと思います。先ほどのローソク足と違って、期間の始まりは2017年の7月です。かなり長期間で表示されていますよね。これは一つの○や×が20銭の値幅を表しています。ベースが日足の終値なので、日足の終値が20銭上がっていれば×となります。そして、三枠反転といって値動きがその列の記号と逆行した三つ以上の記号で形成されたときのみ次の列にその記号を表示します。ですから、下降の○列の後に20銭の値動きが「上げ・下げ・上げ」となった場合の×は二つなので新たに列を書き加えません。三枠分逆行して初めて表示するので、長期間の大きな値動きのチャートになります。
見方としては、前の記号を一つ上回る場合は要注意です。例えば、価格が下がるときに前の○列よりも一つ下がったところが新安値になります。ポイント&フィギュアを使う人は、そこで売りから入ったりします。このドル円チャートでは直近の価格が106円40銭くらいですが、106円60銭までいけばもう一つ×がつくことになります。前の上昇を一つ越える106円80銭になればポイント&フィギュアを見ている人は買いを検討することになります。
陽和 前の同じ記号列と比べるんですね。
山中 その通りです。時間を無視するので、分析方法も他のチャートとは異なります。
陽和 今回はテクニカル分析からさまざまなチャートの種類を教えていただきました。ありがとうございました。
※この記事は、FX攻略.com2019年12月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
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サポート体制 | サポート内容や対応可能時間の違いをチェック。 |
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