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米ドル/円は上昇トレンド入りの公算!FOMC、雇用統計もダウンサイドリスク小さい[雨夜恒一郎]

【ズバリ!今週の為替相場動向】2016年10月31日号

先週の米ドル/円相場は、米国の利上げ観測を背景に上値を試す展開となり、105.53円と約3か月ぶりの高値を示現した。注目の米第3四半期GDP速報値は、前期比年率+2.9%となり予想の+2.6%を上回った。

今週の注目イベントは、火・水曜日に開催されるFOMCと金曜日に発表される米国雇用統計だ。

米国の利上げに関しては12月がコンセンサスとなりつつあり、今回のFOMC会合で利上げが見送られても失望する必要はない。むしろ声明に「次回会合で利上げが適切となるかどうか検討」といった利上げ予告が盛り込まれれば、米ドル買い安心感が強まるだろう。

米国雇用統計に関しては、非農業部門雇用者数(NFP)が+17.5万人程度と予想されている。労働市場が完全雇用状態にあるため、NFPが15万人以上であれば十分強いとの見方がすでに浸透している。仮にNFPが予想を多少下回ったとしてもFOMCの利上げ方針に変更はないと見られ、米ドルの下落余地は限られるだろう。逆にNFPが予想を上回り、平均賃金の伸びが前回の+2.6%(前年比)からさらに加速するようなら、金利先高観が一段と強まり、さらなる米ドル買いを呼び込むだろう。

心理的な節目であり、多くの参加者が重要な抵抗線と見ていた105円を突破したことで、市場の空気(頑固な円高予想)にも変化が起こるだろう。これまでは何かと米ドルのあら探しをし、わずかなリスク回避要因にも円買いで反応してきた市場も、今後は逆に米ドルの好材料を積極的にピックアップし、悪材料やリスク回避要因には寛容となるのではないか。

一目均衡表を見ると、日足が先行スパン(雲)の上限103.50円近辺を値固めした後に上放れしており、買い時代入りが確認された形となった。遅行スパン、転換線/基準線もすでに好転しており、三役好転の絶対買いシグナル点灯となっている。セオリー通りなら下押しは転換線が位置する104.25円付近までとなる公算が大きく、押し目買いのめどとしたい。

チャートのフォーメーションは、99円台をボトムとする足かけ3か月の逆ヘッドアンドショルダーを描いており、長期的な大底を打った可能性が高くなっている。今週も上昇が継続する場合は、7月の高値107.50円近辺が次のターゲットになるだろう。


米ドル/円日足一目均衡表 出所:NetDania

以前も述べたが、ドルインデックスとの見合いで言えば、米ドル/円は未だ大きくアンダーパフォームしており、仮にこの出遅れを半分でも取り戻すとすれば、110円に達してもおかしくない。今週はバイアスをさらに強気に切り上げ、米ドル買いの機会を見逃さないようにしたい。


米ドル/円日足(右目盛)とドルインデックス(左目盛り・赤線) 出所:NetDania

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