トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。
交渉決裂か!?米中通商協議の行方は如何に
現在のマーケットは米中通商協議の行方と、月末に行われるFOMCでの利下げがテーマになっています。まず、前者に関して当初こそ合意期待もありましたが、昨日トランプ政権が「ウイグル人弾圧に関与した中国当局者へのビザ発行を停止する」と発表したことで明日から行われる通商協議を前に米中の雰囲気は悪化しています。
トランプ大統領もツイッターで早期の合意の可能性は低いと述べたほか、中国サイドも今回は合意に向けた進展は困難とのことで、11日中に代表団が帰国するとの報道があり、合意へのハードルはかなり高くなってしまったと言えるでしょう。
米中通商協議関連のヘッドラインに振り回される覚悟が必要になりますが、マーケットがリスクオフに傾いているだけにドル円は基本的にダウンサイドを意識したトレードになります。下値のターゲットは今月に入り2回反発している106.50円付近です。
利下げ確率は80%超!連続利下げがメインシナリオか
一方、今月末に行われるFOMCの焦点は連続利下げがあるのかないのかです。昨日行われたパウエルFRB議長の講演では追加利下げへの明言はなく、依然として利下げ実施の有無に関して不透明感は残ります。しかし、マーケットの催促相場から現在利下げ確率は80%を超えており、パウエルFRB議長があえてマーケットを冷やしてくるとは思えないだけに、やはり連続利下げがメインシナリオではないでしょうか。
また、今夜27:00に9月に実施されたFOMCの議事録が公表されます。FOMCメンバーの動向を確認することになりますが、10月に入り米経済指標が悪化しており、9月から状況がかなり変わっているだけに今回の議事録の鮮度はやや低めになるかもしれません。
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