来週の米ドル/円予想レンジ → 102.05-105.80
「(衆議院の解散・総選挙について)全く考えていない」-。これは10/4衆院予算委での安倍首相発言だ。無論、解散云々は首相の専権事項であり、本当のことを言う訳はない。「安倍首相がやるといえばやる、やらなければやらない」と述べた菅官房長官の姿勢が全てだ。
しかし「1票の格差」是正での小選挙区「0増6減」、区割り見直し前の解散総選挙を警戒する声は“永田町”では燻っており、安倍首相の政治決断の前提が何なのか整理しておく必要がありそうだ。
衆院解散・総選挙の風が強まれば「円安」か…
10/4、東京米ドル/円は101円半ばから103円目前までドル高円安が進行。一部では本邦公的機関投資家の動意を受け、海外ファンドがドル売り円買いの縮小を余儀なくされたとも指摘されている。
テクニカル的には日足一目均衡表の雲の帯を抜け、5月高値(111.46)・7月高値(107.50)・9月高値(104.33)の3点を結んだ下降線指針の102.20水準を突破したことで上伸性を強めた観だ。
筆者は安倍首相の解散総選挙に向けた政治決断の前提はデフレ脱却強化と読んでおり、第3四半期は安倍首相の“専権事項“を支援するうえでも関係投資機関の動員、政策強化での円高(株安)阻止、を推考した。
英EU離脱が強まれば「円安抑制」か…
前号で警戒を示したが、メイ英首相は自らが党首を務める保守党大会でEU離脱交渉を「来年3月末までに始める」と10/2に宣言。そして多く報じられていないが、同大会では英中銀の緩和策に対し「悪い副作用がある」「(金利低下で)預金がある人はより貧しくなる」と批判している。
9月の英中銀会合議事要旨では今後、英経済の減速が明らかになった場合は「追加利下げがあり得る」との認識を示しており、政治と中央銀行の姿勢齟齬が露呈した観だ。
10/4に英ポンドは対ドルで急落し31年ぶりの安値を更新。10/7の英経済紙は「Hollande demands tough Brexit negotiations(仏オランド大統領が英国との交渉に強気で挑む)」と報じるなどは、ポンドを国際的地位から追い詰めている格好だ。相関係数上、ポンド忌避が対円で強まると米ドル/円圧迫材料になりかねない点を再認しておきたい。
米ドル/円 | ポンド/円 | |
米ドル/円 | 1 | 0.951 |
ポンド/円 | 0.951 | 1 |
10/10週の米ドル/円テクニカル焦点は週足ボリンジャーバンド+2σ指針の103.70圏や日足一目均衡表雲の帯(102.06-103.51)を巡る攻防。上値焦点は9/2高値104.335超、「総括検証」を示した7/29日銀会合時の高値105.80。下値焦点は10/6安値103.335、10/5安値102.66。割れると10/4午前に生じた上昇帯101.65-95形成後の戻り安値102.05を推考している。
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