トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。
イースターホリデーも終わって主要プレイヤーが全員戻り、ここから4月新年度相場の方向性を探っていくことになりそうです。
ドル円は底打ちか、ダウントレンド継続かを確認する週になりますが、今週末金曜日の米雇用統計とパウエルFRB議長の発言はもちろん、米中日貿易摩擦、さらには世界的に不安定な株価が続いておりますので、しっかりと戦略を立てていきましょう。
マーケットの本丸は貿易戦争!長期ダウントレンドは継続か
トランプ政権の狙いはドル安にあります。米中間選挙に向けて通商政策と自国通貨安で貿易赤字を解消するというのが最もわかりやすいシナリオだからです。もちろん本気で中国と泥沼の戦争は望んではいませんが、このチキンレースが続く限り大きな流れはやはりダウントレンドということになると思っています。戦略としてはショート継続です。
しかし、スイング以上のトレーダーはそれでいいのですが、デイトレーダーのような短期売買をされるのであればその場その場での対応が必要となります。なぜなら、日ベースでみるとどうしてもトランプ大統領をはじめ、要人発言に左右される可能性が高いからです。先日もトランプ大統領のアマゾン批判などでNYダウが急落したかと思えば、ホワイトハウスは「アマゾンへの規制措置を議論せず」などのトピックスが流れ反発。情報が飛び交うたびに振らされる日々が続いていたため、ヘッドラインに注視しながらになります。
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決戦は金曜日
今週末の金曜日には米雇用統計とパウエルFRB議長の発言が控えています。
まず、米雇用統計ですが、コンセンサスは雇用者数変化が+18.9万人、失業率が4.0%と予想されています。ただし、完全雇用状態の米国では雇用者数変化や失業率への反応は薄くなりますので、やはり注目すべきはインフレ指標である平均時給ということになるのでしょう。
では平均時給が上振れた場合はどうなるのか。教科書通りにいけば利上げペースが上がると連想できるため、ドル円にはポジティブと考えられますが、2月雇用統計では平均時給上振→NYダウ下落→リスクオフ→ドル円下落となったことは記憶に新しく、ネガティブなイメージが残っています。一方、平均時給が下振れれば、利上げペースの鈍化が予想され素直に売られるような展開が予測され、どちらにせよダウンサイドに軸足を置いています。
また、同じく金曜の深夜26:30にはパウエルFRB議長の発言が予定されています。動意づく可能性もありますので週末のポジションを持ち越される方はご注意ください。さてパウエル議長の発言ですが、ここ数回は発言後に株価が下がるというパターンが続いています。先ほどの雇用統計と同じでタカ派発言→株価下落→リスクオフ→ドル円下落というロジックです。イエレン前議長と比べると短期筋に狙われやすいのかもしれません。
テクニカル的にはレンジ局面へ
チャートを見る限り判断の難しい局面といえます。ドル円は先週水曜日に107.01円まで上昇して日足で大陽線を作るなど教科書的には底打ちシグナルが出ました。しかし、その後は伸び悩み106円台で方向感が出せていない現状です。一目均衡表を見ても転換線は水平に推移しており、方向感は見えてきません。週末までのレンジとして上値は107円前半の雲下限付近、下値は今週の安値105.65円付近となります。
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