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日経平均株価3万円へ。リスクは新興国にあり!?[内田まさみ]

※この記事は、FX攻略.com2021年4月号(2021年2月20日発売)の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。

米国大統領選後、新興国株の強さ際立つ

 日経平均株価が3万円目前まで回復してきました。これは、およそ30年ぶりの水準。バイデン新政権誕生と共に新型コロナウイルスのワクチン接種が始まった米国への景気回復期待に加えて、中国では経済が力強く推移しており、この二つの国の恩恵を享受できる日本への見直し買いが続いているのでしょう。株価はようやく「失われた30年」を取り戻し、新たな時代を迎えようとしているように見えます。

 しかし、上には上がいるものです。米大統領選挙後の主要株価指数を見てみると、一部の新興国、特にトルコの主要株価指数であるイスタンブール100やロシアのモスクワRTSIの騰落率は+30%前後と、日経平均株価の+23%を上回る強さとなっています。バイデン新大統領とは決して相性が良いとはいえないこの二つの国の株価が強いことに違和感を覚える投資家も多いではないでしょうか。

米大統領選挙後の主要株価指数騰落率

通貨も新興国通貨強し!

 通貨も見てみましょう。2020年12月の動きを比較してみると、こちらも新興国通貨の強さが目立ち、ノルウェークローネ、豪ドル、トルコリラなどは、2021年になってもその強さを継続しています。

通貨騰落率

 銅をはじめとする金属価格が上昇していることで、資源国通貨の強さはある程度説明できますが、トルコやブラジル、南アフリカは新型コロナウイルスへの対応に苦しみ、景気悪化と物価上昇が同時に進む「スタグフレーション」懸念が高まっている国です。この通貨高が、金融政策をより難しくしてしまうでしょう。

 値動きの大きい新興国への投資は魅力的ですが、各国の状況をさらに詳しく理解し、しっかり選別する必要がありそうです。

※この記事は、FX攻略.com2021年4月号(2021年2月20日発売)の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。

ABOUT ME
内田まさみ
うちだ・まさみ。1998年にラジオNIKKEIへ入社。「経済情報ネットワーク」「東京株式実況中継」等の株式情報番組を担当し、その後はフリーに転身。現在はラジオNIKKEIや日経CNBCの番組パーソナリティを務める他、ライターとして複数のメディアに記事を執筆するなど、多方面で活躍中。2017年11月には、初の著書となる『FX億トレ!7人の勝ち組トレーダーが考え方と手法を大公開』を刊行した。 ラジオNIKKEIで出演中の番組/ザ・マネー(月~金15:10-16:00 毎週月曜日担当)、投資戦略ラジオ きらめきの発想(毎週火曜日14:30-15:00)、シグナルトレードファクトリー(毎週火曜日16:00-16:30)、ザ☆スマートトレーダーPLUS(毎週木曜日16:00-16:30)、夜トレ(金曜日21:30-22:30 隔週で担当)。 日経CNBCで出演中の番組/夜エクスプレス(月~金21:00-22:40 毎週木曜日担当)、不動産投資ラボ(20:15-20:45 毎週金曜日他) 現在連載中の雑誌やサイト等/『Forbes JAPAN』(リンクタイズ)、『東洋経済オンライン』(東洋経済新報社)、『All About(FX担当ガイド)』(オールアバウト)
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